いきなりネガティブなテーマで恐縮ですが、皆さんは会社での評価や業務内容に満足しているでしょうか。誰もが新入社員の頃には希望を抱き、「将来はこの会社を背負う人物になってやろう」と密かに闘志を燃やしていたと思いますが、10年経ち、20年経つと出世争いから外れ、閑職に異動させられる人が出てきます。
その時に人はどうすべきかについて、今回は考えていきたいと思います。みなオジは新卒3年目にリストラされるという稀有な経験(不景気の時代ではそれほど珍しくはないか)を持っており、以降、会社に期待をするのはやめようと考えているので、所属する会社と相思相愛関係が終わった後も片思いを続けるという発想はないのですが、終身雇用を維持する企業に長年勤めている保守的な会社員だと、そんな風になっても未だ決断がつかないという人も多いのではないでしょうか。
目次
対策① 閑職だろうが、文句を言わず働き続ける(我慢する、頑張る)
至って正論でつまらないですが、給与をもらっている以上、自分の出世云々はさて置いて、会社の為に尽くすというのが会社員のあるべき姿でしょうという考え方です。
結局、自分が望んでいた出世の道が途絶えたとしても、会社の経営状況次第で目標以下の課長位には返り咲くことは十分可能です。会社の業績次第ではポストが増えるかもしれません。私が実際に見てきた例でも、最後まであきらめなかった人が望外の出世が出来た例があります。これも、あきらめずにその仕事に向き合ったご褒美だと思います。自分が持っていた目標が高い人ほど、それがかなわなかうなったとたんにやる気を失うことがありますが、仕事に取り組む姿勢は意外と誰かが見ているものですし、仮に最後まで出世が出来なかったとしても、嘱託契約で人望の厚いメンターとして、会社で活躍されている方も多いです。
モチベーションが上がらなくても…
もちろん、閑職にあてがわれたりして、やりがいの無さや何のスキルもつかない仕事というものもあるでしょう。また、自分のこれまでのキャリアが高い人ほどその仕事にモチベーションが上がらないという事もあるでしょう。しかし、給与が無ければ生きていけないのなら、不満があってもその会社で働き続けるしか無いのも事実でしょう。
ちなみに、みなオジはサラリーマン時代、会社に不満があった時期がありましたが、その会社が副業可能であった事でそれ程自分の評価を気にすることなく、いつの間にか不満も収まり、その会社も無事に勤め上げる事が出来ました。副業の為にその会社での出世が見込めなくても、金銭的、精神的ゆとりがあれば、不思議と気にならなくなるものです。これは、出世の目的というのもモチベーション維持の要素である事に起因しているからだと分析しています。つまり、出世=やりがい、自己実現と捉えている人は生活が安定しなくてもそこで認められてさえいれば幸せに働くことができます。一方、自己実現ではお腹が膨れない(みなオジの様な)人間の場合は、金銭面で折り合いがつく(会社依存に陥らない)ので仕事で張り合い事が、それ程気にならなくなるのです。
これは副業のメリットが社員だけでなく会社側にももたらされる実例の一つではないかと思います。会社側も、余剰人員を持て余すくらいなら、いっそのこと副業を認めてしまうのも良いかもしれません。もちろん一定の制限(給与カット)を与えて、人件費削減に寄与させるというのもアリですし、副業で得られたスキルや人脈を会社に還元したり、社員のモチベーションを高める手段にすることも可能だと思います。
対策② 転職もしくは独立する(副業)
志が高い人(もしくはプライドが高い人)は、人生の目標設定が高いので、今の自分の現状に我慢できずに、転職・独立を検討するという事が多いと思います。出世が遅れる人の中には、実力はあるが、たまたまその会社(部署)では力を発揮できなくなった、もしくは上司・業務に恵まれずに腐りかけてきたという事もあるでしょう。志が高い人は、元々努力を厭わない人であることが多いですが、会社ではそんな努力が実を結ばないという事はいくらでもあり得ます。
20~30代では、出世の芽もあったので時間と労力を会社に全振りして、後悔しないようにするというのが必要ですが、会社からの期待が無い中でもそのスタンスを貫くのは愚直というよりは、非効率ではないかとも思うのです。これは、努力する事を辞めろという事ではありません。努力の振り方を少し変えてみませんかという事を提唱します。
残業に充てていた時間を別の事に振り分けてみよう
具体的には、今まで仕事のクオリティを高め、ミスを減らすために5時間残業をしていたのなら、残業は2時間程度に抑えてその代わりに資格勉強に充てる等別の時間に費やすという事も視野に入れてみてはどうでしょうか。
勿論、使う時間は資格取得等の自己研鑽だけなく、ボランティアなどの社会貢献や地域活動でも良いですし、子供や家族との触れ合い時間に充てるというのでも良いでしょう。仕事一辺倒というのも日本のサラリーマンぽくて良いですが、ひたすら出世街道を走っていたら、仕事以外何も残っていなくて、気が付くとその出世街道すら先細っていた、という事もあります。出世の道が途絶えたというのは、サラリーマンとしては多少残念に感じるところもありますが、逆に言えば、会社の出世以外で自分の可能性に早く気が付けたと解釈する事も出来るでしょう。
転職や独立に進路変更するのも同様で、これらは早ければ早いほど有利なので、良い意味で「見切り」を付けるというのも、重要な才能と思います。まだまだ体力がある40代50代だからこそ出来る挑戦もありますので、早いドロップアウトというのもあながち悪くないかもしれません。
対策③ 定年までその会社にしがみつく(リストラ対象にされない程度に仕事量をセーブする)
賛否両論ある考えですが、あなたが正社員で「しがみつき」が許される組織があるならば(日本は比較的恵まれた国なので、それが許される会社が結構あります。)、開き直ってしがみつき続けるというのもアリでしょう。
ただし、しがみつくなら、プロとして上手にしがみついて欲しいわけで、ただ漫然としがみつくのではなく、自分(そして周りも)が居心地よくしがみつく方法やテクニックを駆使してもらいたいと思います。年次だけ高くなって、扱いにくい中年は大企業には必ず存在します。これは、上司や部下も非常に迷惑なので、空気感をだしつつ、さりとて最小限度のパワーでやっている感を出すという事を実践して欲しいと思います。一見変なアドバイスに感じるかもしれませんが、下手にサボられると、周囲もモヤモヤした気分になりますし、さりとて評論家の様に他人の業務に口を出すような存在ですと周囲から疎まれることになるでしょう。(そして結局どちらも、自分の居心地を悪くする結果になります)
リストラリスクは自己責任で
勿論この戦法は、最悪リストラされるというリスクを内包するものですので、やるにしても自己責任で行ってください。
自分が独り身であれば、②の様にリスク覚悟で攻めの変化をするのも良いでしょう、しかし転職や独立の未来が明るいとは限りません。また、守るべき家族があるという事も、転職等を押しとどめる理由になるかも知れません。
下手すれば、給料泥棒と言われかねませんし、プライドが無いのか?と言われればそれまでですが、「しがみつき」も信念をもって行えば、立派な生き残りの戦法だと思います。しかし、しがみつきを安易に選択すると本来生きがいになり得る職場が何の学びも無い、ただ苦痛の場になる可能性があるので、しがみつきつつも自己研鑽を行い②の準備に充てる事で、その会社の状況が変わった時に再起を図れる様、色々と準備(社内営業)等をしておくことをおススメします。
茹でガエルになるべからず
あなたがどの方向に進むにせよ、最悪なのは、その判断そのものが遅れるという事ではないでしょうか。その会社で頑張るか、会社に見切りをつけて出ていくにしても判断が遅くなればなるほど選択肢が狭くなりますし、転職に伴うリスクも多くなります。
別に転職をすることを勧めているわけでもありませんし、どの選択を選んだとしても上手くいかない場合もあると思います。しかし、無駄に過ごした時間は戻ることはありませんので、常に選択肢が複数ある状況に自分の身を置くことが重要ではないでしょうか。