みなオジブログは、元々、港区情報を広く発信する目的で開設したのですが、いざ記事を書いていると、まったく港区感が出ていない(虎ノ門のタワマンの訪問記くらい)事に気が付きました。今回は、みなオジが港区に住むようになったきっかけを話していきたいと思います。また、おまけとして港区に住んでいることによって、こんないい事がありますよ~といったお得情報を伝えたいと思います。
目次
港区住まいとなった理由
そもそも、みなオジが港区に住むことになったのは…その場のノリです(笑)。計画なんてものは一切ありません。以前は中央区(東京駅の近く)に住んでいて、おいしいご飯屋さんもたくさんあって利便性などには全く不満がなく、リタイアするまでここでいいかな~なんて思っていたくらいでした。また、元来田舎者のみなオジは人が多いと人酔いすることから、休日くらいは人の少ないところにいたいと思っていましたが、週末の都心の人のまばらな感じはまさに自分が求めていたものとピッタリで利便性と空虚感が絶妙なバランスだったのです。最近は人口が増えてきましたが、中央区は千代田区・港区に次ぎ昼間人口と夜間人口の差が大きい、つまり労働人口が多い区なので、平日の賑わいからの休日のギャップが、なんとなく気が休まるのです。まさに、「灯台下暗し」でした。妻も地方出身で東京都内で地縁はなく、基本的に場所に縛られることはないので、この環境が維持されるのであれば、どこでもいいというのが正直なところでした。
成り行き任せのマンション巡り
マンション訪問記でも記載した通り、みなオジは暇さえあれば不動産、特に新築マンションを見に行きます(月に1物件はマスト、多い時には月に3物件)。当時、既にマンションはいくつか所有していましたし、前回不動産を購入した時に頭金等で手元のキャッシュを吐き出したばかりだったので、冷やかし半分というか当分変えないだろうなという感じでマンションギャラリーに訪問していました。その時ふらりと立ち寄った港区のマンションがあまりにも素晴らしく、勿論、そのマンションより高い物件は存在しますが、立地・グレードと価格がこれ以上ない絶妙なバランスであったことから、まさに一目ぼれしてしまいました。前回購入から日も浅く(半年くらい?)、ダメ元でローン審査に出したところ、まさかの融資承認という回答でしたので、思考停止状態で要望書を出し、抽選、当選、申込、契約…と、気が付いたら印鑑を押していました。ノリというのはまさにこういう感じなのでしょう。ちなみに、初めて不動産を購入した時は、妻と散々意見をぶつけ合い、やめようかどうしようか、もっと安い部屋にした方がいいんじゃないか等、紆余曲折を経てようやく契約会場に行き、いざ契約書に印鑑を押す際も妻に笑われるほど手が震えたものでした。しかし、慣れとは不思議なもので、今では物件価格が数倍に跳ね上がっていても、宅急便の配達伝票に押すくらいの感覚で押しています。職業柄、実印を押す機会は人より多いのですが、よっぽど仕事の方が慎重に押していると思います。
東京は「24区」でできている思っていた学生時代
みなオジは元々地方出身者なので、東京のことはそれ程多く知りません。上京してから数十年たった今でもそれは変わらなく、最近では子供の受験の話がよく出るのですが、どの学校がどこにあるなんてことも分からず、仕方なくお受験本を買って勉強しなければならない位土地勘がありません。大学進学して上京した当時は、東京は全て区で構成されていると思っており、しかも区の名称も渋谷区と新宿区くらいしか知らず、「東京24区」と言って恥ずかしい思いをしたものでした。八王子市とか調布市といったいわゆる「多摩地区」という存在を知りませんでしたし、東京の電話番号は全て03から始まると思っており、バイトの面接の日程調整で電話しようとしたとき、東京なのに何で03じゃないんだ?変な会社だなーと、勝手に怪しんでました(まあ、変なのは私の頭だったんですが)。貧乏学生だったので、六本木、赤坂、麻布、青山にも縁遠く、それらが何区に属しているなんて当然知りませんでした。
社会人になって都落ちを経験
こんな感じで、上京後も大学のキャンバスとバイト先、合コンで歌舞伎町辺りを行ったり来たりと、特に東京を探索する事なく、ぼんやりとしたイメージを持ちながら学生時代を過ごしていました。社会人になってさすがに行動範囲が広がりましたが、サラリーマンを辞め、正社員から非正規雇用と収入を落とす中で、いつしか逃げるように東京から脱出せざるを得ない困窮した状況になっていました。
生活費を下げた代償
そういう変遷を経ることで、確かに家賃は下がって生活費的には楽にはなったのですが、朝の通勤ラッシュはもちろんのこと、終電が早い、プロパンガスが高い、ごみ袋が有料・ごみ分別ルールが複雑、駅前で柄の悪い酔っ払いに絡まれる、自転車のサドルだけが良く盗まれる、近所の空き地で不良が奇声を発している、職場から遠いという理由で面接に落ちる等、東京から脱出することで家賃は浮かせても、結局トータルで損しているんじゃないか?と牛丼屋の店内で自分以外店員も客も全員外国人で現地語で盛り上がっている中、肩身狭く食事しながら、ふと思う様になりました。こういうのってケチっちゃいけないのか?この様な体験を経て、都内、特に一等地といわれる都心三区にカムバックしたいと強い思いを寄せる様になりました。
落ちぶれスパイラル
人生に躓いてお金にゆとりが無くなったので、生活水準を落とすことによって自分自身にもゆとりが無くなり、更に悪いことが続く又は悪い事から抜け出せない状況を「落ちぶれスパイラル」と勝手に名付けていますが、この時の感覚って都落ちした人しかわからない感覚かもしれません。一つ、誤解しないで欲しいのですが、みなオジは全ての人にとって都心に住むことが最良だとは思っていません。現状に満足している人は、そもそも引越する必要はありません。実家が東京の隣接県にあれば、その近くに住むのも良いでしょうし、学生時代からの友人、趣味、職場の関係で東京都以外に住むという選択はむしろ合理的といえるでしょう。しかし、みなオジの様に実家に縛られる事無く、知り合いも都内に集中し、職場も都心で、サーフィンなどのアクティブな趣味も無い人間にとっては、都心が便利で快適なのだという話です。
港区暮らしが良いなと感じた理由
上記が、みなオジが都心に住みたいという主観的・感覚的な理由です。続いて、客観的理由を具体例を挙げながら、都心、特に港区のすばらしさを挙げていきたいと思います。
財務基盤の充実
ありていに言えば、税収が多ければ、住民への還元も多くなるといえるでしょう。最近は「ふるさと納税」の影響で、居住地への納税が減っているのですが、それでも、法人が支払う税金(法人事業税、法人住民税)や他エリアより高い固定資産税、不動産取得税などの税収があり、港区wpはじめとする都心区は潤沢な財政基盤を有しています。上記のグラフは2010年のものですが、基本的に今と変わりないと思います。
子育て環境の差が如実に
待機 児童数 | 子供医療費負担 | 子育て 住宅支援 | |
港区 | 0 | 中学校卒業まで | なし |
千代田区 | 4 | 18歳まで | 最大8万円/月 |
目黒区 | 79 | 中学校卒業まで | 3万円/月 |
神奈川県川崎市 | 252 | 所得制限付き助成(1歳~) (扶養人数1人 6,680,000円) | なし |
都内23区内では中学生まで子供の医療費が無料です。千代田区に至っては18歳まで無料です。一方、川崎市では所得制限がついています。668万円の所得制限では、多くの世帯で子供の医療費が掛かってくるでしょう。待機児童についても中央区などは昨今のタワマンラッシュで徐々に待機児童が増えているそうですが、やはり都内の都心部では一桁台、港区においては0人と非常に恵まれていることが分かります。
ちなみに、千代田区には、千代田区内の住み替えをする新婚世帯・子育て世帯が対象となる「次世代育成住宅助成」制度というものがあり、「親世帯との近居のために住み替え」や「子どもの成長等に伴いより広い住宅に住むために区内転居」に対して、それぞれ助成金が給付されるものです。先着順の募集上限があるようですが、千代田区太っ腹すぎる!
港区の出産費用の助成
ここから、港区にスポットを当てて説明します。港区で何より手厚いなと感じるのが出産費用の助成です。ただでさえ手厚い助成金が令和2年12月4日から算出上限額が、拡大されました。
助成金算出上限額と最大助成額
出産人数 | 助成金算出上限額 | 最大助成額 |
1人 | 73万円 | 31万円 |
2人(双子) | 113万円 | 29万円 |
3人(三つ子) | 153万円 | 27万円 |
手厚い補助があるが、出費もデカい!
出産にかかる分娩費及び入院費等、区で定める助成金算出上限額または、出産費用の実費額のいずれか低い額から、出産育児一時金等(42万円)を差引いた全額を助成するので、仮に72万円の出産費用で収まった場合は42万円+30万円となって、足が出ずに出産をすることになります。まあ、逆に言えば、港区は出産費用が高いので結局72万円で収まるという事はないのですが…港区はセレブ御用達といわれるブランド産院(愛育病院、山王病院)が多いので、助成金などはあっという間に吹っ飛んでいく…結局、産院が助成額に寄せて行っているんじゃないかと思ってしまいますが、女性にとっては出産は人生最大級のイベントでもあり、ある程度の出費も致し方ないところでしょう。
産院御三家の出産費用
病院名 | 分娩の基本価格 | 個室に入った場合 円/日 |
愛育病院(港区芝浦) | 69万円 | 特室:7万円 個室:2~3.5万円 |
山王病院(港区赤坂) | 130万円 | A室:14万円 C~E室:3.5~6万円 |
聖路加国際病院 (中央区明石町) | 115万円 | 特別個室A:11万円 個室A~C:3.3~4.4万円 ※個室のみ(大部屋無し) |
港区特定不妊治療費助成
出産・子育て関連支援策は、まだまだ続きます。港区が力を入れている補助事業は、不妊治療費の助成です。特定不妊治療の助成額は年度当たり30万円、男性不妊治療は15万円で、それぞれ東京都(その他道府県)の助成金を受けている場合は医療費の総額から都道府県の助成額を差し引いた額が助成されます。
東京都 | 港区 | |
所得制限 | 平成 31(2019)年3月 31 日以前の治療開始は、夫婦合計の所得額が730万円未満 平成 31(2019)年4月1日以降の治療開始 は、夫婦合計の所得額が905万円未満 | なし |
年齢制限 | 妻の年齢が43歳未満で開始した治療 | 制限なし ※令和3(2021)年度からは妻の年齢が 43歳以上で開始した治療は対象外 |
申 請 上 限 回 数 または年度数 | 妻の年齢が39歳までに通算1回目の助 成を受けた方…通算6回まで 妻の年齢が40歳から42歳までに通算 1回目の助成を受けた方…通算3回まで | 通算5年度まで 各年度あたり助成上限額に達するまで ※令和3(2021)年度からは、妻の年齢が43歳以上で開始した治療は対象外となりますので、年齢によっては通算上限年度数まで申請できない場合があります。 |
とにかく、港区をはじめ千代田区、中央区は他の区に比べて、子育て・出産に重点を置いて支援しているイメージがあります。また、災害に対する助成も非常に力を入れています。
港区家具転倒防止器具等助成
港区内に転入してから1回限りですが、港区は地震時の家具転倒防止器具を世帯ごとに無料で支給しています。
上記の防災器具を付与されたポイントで購入する仕組みになっています。世帯(人数)ごとに給付されるポイント数が異なります(1~2人世帯の方=150ポイントで3人以上世帯の方=195ポイント)が、高齢者世帯などでは取り付け支援なども無料で行っている様です。転倒防止器具をお年寄りが付けようとして、転倒したらまさに「本末転倒」ですよね。
番外編①:港区内共通商品券(スマイル商品券)
どの自治体でもやっていると思いますが、港区民向けに区内の店舗(飲食店含む)で使える共通商品券が販売されます。プレミアム率は、使える店舗により20%(共通券)30%(限定券)と異なります。共通券は家電量販店や大型スーパー、病院・クリニック、タクシーなどでも使える汎用性の高さがメリットですが、プレミアムが低いという差があります。抽選販売ですが最大50,000円分購入できるので、30%の限定券なら15,000円お得です。使える範囲が狭い限定券でも、利用店舗一覧を見ると結構な店舗数があります。六本木、青山の店舗は結構なお値段ですので、MAX5万円購入しても、すぐ使い切ってしまうでしょうね。
番外編②:住民税非課税世帯向け「港区商品券特別給付事業」
港区の住民基本台帳に記録され、基準日において世帯員全員の令和2年度の住民税が課税されていない世帯に対して、区内共通商品券(単身世帯 2万円分、複数人(2人以上)世帯 3万円分)を給付するも事業です。自治体独自の定額給付金に相当する施策です。他の区(千代田区等)も、独自の定額給付を実施しているようです。
一度は住んでみて欲しい港区
冒頭でも書いた通り、都会暮らしをお勧めできるのは、みなオジと似たライフスタイルを持った人で、万民受けするものではありません。しかし、都心に勤めの人は、一度くらいは港区とかに住んでみるのもいいかもしれません。行政サービスの良さは、年を重ねるごとにありがたくなっていきますので、結婚してからが一番都心暮らしの恩恵を受けるのではないかと思いますが、当然ファミリーで暮らすと、ランニングコストもそれなりになってしまいますので、若い頃(しかも家賃補助が出るうちに)に狭めの部屋を借りて住んでみては?最初は六本木、麻布などのイメージで、若者や芸能人が多くチャラついて住むのには落ち着かないと思われるかもしれませんが、白金などは下町感や八芳園等の自然が残っていたりと、エリアによっても全然違う面を持っているのが港区の面白いところです。飛行機や新幹線などのアクセスも優れているので、実は帰省でこれらを利用する地方出身者にこそフィットするエリアだと思っています。みなオジはこれまで、賃貸、購入と上京後10回ぐらい引越しを繰り返しましたが、やはり、港区が一番住みやすいと感じましたし、当分はここにいようかな、と思っています。