前回は、各メディアで乱立する「住んでみたいまちランキング」に端を発して、「こういうランキングってみんなが納得するモノにはなかなかならないよね?」という結論に(無理やり)落ち着かせました。いうなれば和・洋・中でグルメランキングやるようなもので、みそ汁とトムヤムクンとクラムチャウダーどれが美味い?って聞いているようなもんですよね。また、賃料(物件価格)が高い安いという単純な問題でもなく、フランス料理のフルコースは確かにおいしいけど、母ちゃんが握ったおにぎりの方が良い時だってありますよね(あれ?違います?)
前回、港区に住んで良かったこと(前編)は→こちら
目次
前回までの経緯
そんなこんなで、みなオジが現在住んでいる港区の良いところをお伝えするとともに、都心アンチの方の誤解を解くことを目的に都心に住むメリットをお伝えしてみたのですが、(現在みなオジが住んでいる場所という事もあり)説明が力入り過ぎて予定していた文量を大幅に上回ってしまったので、やむなく前後編に組みなおしています。
港区のいい所挙げてみた
さて、前回からの続きですが、みなオジは以下の4つを港区のいいところとして挙げています。
・高い利便性(交通、通勤、商業施設が近い) ・変な奴がいない ・教育環境(学校、遊び場が多い) ・信頼性が上がる |
港区に限りませんが、都心に住むと地方出身者には理解できないほどコストが掛かります。しかし、基本的に都心に住むとトータルで見れば得をすることが多いという事をそれぞれエピソードを交えて説明しています。
メリットの最たるものは、「時間」という金で買えないものを手に入れる事が出来るという事です。物理的な中心地に住むことによって時間を味方につける有用性を説明しました。後編はそれに続くいい所を紹介しましょう。
変な奴がいない
リスクマネジメントの観点で、自分の生活範囲内に変な奴がいないというのは非常に大切です。この前も近隣トラブルで隣人に殺されたと言うニュースがありました。みなオジの経験上も家賃の安い場所ほど変人に出会う確率が高かったです。現在のすまいにおいては、当然変人はいません。セキュリティも24h有人警備に加え3重、4重のセキュリティロックで外部からは容易に侵入できません。何なら現在のマンションの中で一番育ちが悪いのは私かも知れません。
若い頃は、おんぼろアパートで色々な人種を眺めるのも人生経験上イイかも知れませんが、家族ができるとそんな考えは一変します。妻や子供がヤバイ奴が潜んでいるかもしれない環境で暮らすことはリスクですし、安全な住環境を提供することは一家の主としての最低限の義務ではないでしょうか。
実際にみなオジが住んでいた風呂無しの安アパートの住人は無職風の怪しい風体の男でしたし、駅前を歩いていると酔っ払いに絡まれたり、初見の老人に金を無心される(と言っても「お兄さん、500円貸して」)という経験もありましたが、それが自分の子供だったら…と思うと、やはり住環境は大切だと考えさせられます。
教育環境
教育機関の充実
前述の内容と関連しますが、特に一番に恵まれていると感じるのは教育環境です。これは子供の進学問題もありますし、社会人の自己啓発という点でも言える事です。有名私立はもちろん、(学費に糸目をつけなければ)有名なインターナショナルスクールがあり、選択の幅は広いです。また、特に小学~中学受験を考えていなくても、公立校も一定の水準を誇っていますし、むしろ越境をしてまで我が子を入れようとする公立校も存在しています。
大人にとっても教育環境は恵まれており、社会人になってから大学(院)に通おうとする人は一定数いますが、都心には多くのキャンバスがありますし、社会人が会社帰りに寄ることを想定したサテライトキャンバスも東京駅近く(丸の内)を始め都心に数多くあります。
ただでさえ日常業務で忙しい社会人にとって、通学に充てる時間は貴重な資源です。カリキュラム上平日夜間や土日に通学する事が多く、論文を書く際は参考論文を取り寄せに休日に国会図書館(永田町)に行くことも多いでしょう。そのたびに、遠出をしなければならないというのも非常に負担となります。みなオジも大学院進学を考えた事がありますが、自宅から徒歩で通えるキャンパスだと(心理的)ハードルもかなり下がります。
子供が安全にのびやかに遊べる環境
また教育環境に直接関連するものではありませんが、公園や緑の多さというのも子育て世帯が重視する項目です。
皆さんは、「緑被率」という言葉を知っていますか?緑被率とは「一定のエリアのなかで、緑地面積が占める割合」を計算した数値で、この数値が高ければ高いほど緑が多い場所と言えます。タワマンやオフィスビルの多い港区の緑被率はどのくらいだと思いますか?2017年の港区の調査によると、港区の敷地の21.78%と区の5分の1以上が緑地で、意外にも23区内でもベスト5区に入るほどの緑の多さを誇っています。コンクリートジャングルをイメージしていたみなオジ的には意外な結果でした。(ちなみに、盤石の1位だと思っていた世田谷区(2位)を抑えて、堂々とトップに躍り出たのは練馬区(石神井公園や古くから続く農地が豊富)でした。)
上記は区の調査資料「港区みどりの実態調査」からの抜粋ですが、意外と緑あるな~というのが印象です。港区北西部の宮内庁管理地である赤坂御用地は若干例外ですが、その南に位置する青山公園(霊園)や南西部には国立科学博物館の自然緑地、中央部には芝公園、湾岸エリアにはお台場海浜公園等が散在しています。
オフィス街に目を向けても、虎ノ門の再開発の効果か屋上緑化面積の上昇が顕著とのことで、六本木辺りもホテルの中庭等を入れると結構な緑地があります。愛宕の寺社仏閣の庭園や区内に点在する各国大使館の敷地にも緑が豊富です。
信頼性
これは、個人的な見解を多く含みます。都心暮らしはコストの掛かりますが、事業を行っていると、その高いコストが自身の評価を高める事に繋がります。つまり、取引先からみてその会社がどこに拠点を構えているかは、利便性だけでなく与信面や信頼として非常に大切な要素になることが多いのです。
最近は会社登記ができるバーチャルオフィスなどがあり、本社を港区、千代田区等の都心一等地に置くハードルは以前より格段に下がりましたが、その様なサービスが成り立つのも、多くの経営者が表面的だけでも本社を都心に置いて信頼感を保ちたいという気持ちの表れでしょう。
但し、バーチャル環境が普通になってきたとはいえ、調べようと思えば簡単にバーチャルオフィスだとバレてしまうので、やはりリアルな事業拠点を都心に構えるというのは商売上のメリットがあります。みなオジも取引先から、「こんないい場所に事務所を置いてさぞ儲かっているんでしょう」と言われることがあります。通常はデメリットでしかない高いランニングコストも、信用料だと思えば安いものではないでしょうか?(場所代は経費で落とせますしね)
勿論、事務所の所在地等は会社の一面に過ぎず、一等地のオシャレなオフィスビルに本拠を構えていてもクソみたいな会社は山ほどあると思います。ここで言っているのは、あくまでもファーストインプレッションの話です。
所在地等の外面でで評価が変わるなんて言ってしまうと、モノの本質を見ていないとか、性根が卑しいとか言われてしまいそうですが、みなオジはそれ程人を見る目に長けていないので、最初の一歩はそういうところに目が行ってしまうというだけの話です。
外食をするときも、辺鄙な場所で誰も入っていないような店は利用しません。仮に料理の腕が良くても、誰の目にも止まらない場所で店を開くという行為が違和感に感じてしまい、偏屈で変わり者なのかという評価が先に来てしまいます。
あと、下世話な話ですが港区に住んでいると女性ウケも格段に違うでしょう。一時期、高年収の男性を射止めるために、皇居ランをしている男性に狙いを定めて、自分も皇居ランにいそしむという、アホみたいな記事がありましたが、その記事がネタなのかどうかはさておき、少なくとも皇居を走っている人が金持ちである確率よりも、都心部のの都心に住む人の方が金持ちである確率は高そうです。費用対効果を考えるなら、六本木のタワマンの外周を走ることをおススメします。
・ランニング専門誌『ランナーズ』が独自に行った調査によれば「皇居を走る男性ランナーの半数以上が年収700万円以上」という結果が出ている。 ・一般財団法人アールビーズスポーツ財団が実施した「2018年度ランナー世論調査」によると、ランナーの50%以上が年収600万円超という結果が出ている。 日本全体の平均年収が約420万円。最も数の多い中央値が約360万円であることを考えると異常に高い。 |
本来なら、みなオジ自身が女性ウケを実証すべきなのでしょうが、あいにくみなオジは結婚後に港区暮らしを始めたので、残念ながら参考になるエビデンスは提供できませんが、ボロ家に女性を招いてドン引きされた思い出は豊富に持っています。
まとめ
住まいは「人を変える力」もしくは「人を引き寄せる力」を持つのか?
以前、マンション座談会に参加した件をブログに上げましたが、近いエリアに住んでいる人の意見は自分の意見と相通じるものがありましたし、他のエリアに住んでいるモニターの意見が全然違っていて、またそれが結構面白い、というか特徴があるなと感じした。
ブログ「マンション座談会に参加してみた①」は→コチラ
意見ですから、自分と違う意見があって当然ですが、この違和感がどこからきているかと考えると、結構住む場所によって出てきているのでは?とその時思った訳です。これが、住む場所によってその人が感化されて似たような考え方になるのか、それともその人が従来持っている感性が住む場所に引き寄せられたのかどちらなのかはわかりませんが…
リモートワークが皮肉にも職住近接を後押しか?
最近目に留まったニュースがありました。以前から、みなオジはブログで事あるごとに、「コロナ禍で一部のサラリーマンは生活拠点を郊外に流れると思うが、それはごく限定的な流れ」だと言っていましたが、早速、調査結果として出てきたなという感じです。そもそも、リモートワークの普及率はそれ程ではないですしね。
関連過去ブログ:「ワーケーションとリゾートマンション」は→コチラ
「借りて住みたい街ランキング」について考えるは→コチラ
20代が希望する通勤時間は「15~30分」 コロナの影響で住みたい場所は「都心」へ?
20代が希望する通勤時間は「15分~30分」で、テレワーク経験者のうち約半数が「便利さ重視で都心に住みたい」と回答した――転職サイトを運営する学情(東京都中央区)が4月30日~5月10日、20代の427人を対象に実施したインターネット調査で明らかになった。(中略)
また、コロナ禍による「通勤に関する考え方の変化」を尋ねたところ、20代のテレワーク経験者のうち、32%が「(新型コロナウイルスの影響を受け)通勤時間を短くしたいと思うようになった」と回答。テレワーク経験のない20代では、約8ポイント低い24.1%だったことから、テレワーク経験者のほうが「通勤時間を短くしたい」と考えている割合が多いことが分かった。
引用元:ITmediaニュース2021年05月19日
また、記事内では「テレワークで通勤する機会が減少すると郊外に引っ越す人が増加するとされているが、20代の場合はむしろ「都心」に集中する傾向が伺えた。テレワークで通勤時間のない生活を経験したことで、通勤にかける時間をできるだけ減らしたいと考えるようになったことが背景にあると推察される。」とあり、所帯を持たず比較的身軽なビジネスマンが、より合理的な選択をするようになったのでは?と思っています。(年齢的に会社からの家賃補助がある事に加え、部屋の広さを必要としないので、都心に住むハードルが所帯持ちよりも低い事も要因の一つかと。)
港区の家賃相場情報は→コチラ |
これは、みなオジの持論ですが、住むところが近い人は考えや価値観が似ているなと感じます。もちろん、経済的理由や子供の通学の問題等で居住場所を制限されることはありますが、その制限内で最大限に自分の理想を求める事もできるわけなので、一定の指向は見て取ることが可能です。)
場所は人を変える力を持つのか?
以前、マンション座談会に参加した件をブログに上げましたが、近いエリアに住んでいる人の意見は自分の意見と相通じるものがありましたし、他のエリアに住んでいるモニターの意見が全然違っていて、またそれが結構面白い、というか特徴があるなと感じした。
ブログ「マンション座談会に参加してみた①」は→コチラ
意見ですから、自分と違う意見があって当然ですが、この違和感がどこからきているかと考えると、結構住む場所によって出てきているのでは?とその時思った訳です。これが、住む場所によってその人が感化されて似たような考え方になるのか、それともその人が従来持っている感性が住む場所に引き寄せられたのかどちらなのかはわかりませんが…