不動産

最初はマイホーム購入であるべき理由

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先日、知り合いからこんなことを聞かれました。

最近、お金が溜まってきたので、マンションを購入しようと思っているが、投資用(ワンルームマンション)と居住用の1LDKのマンションどちらを買ったらよいか。

その人はまだ20代で仕事が恋人状態(高年収)、結婚願望はあるが、当分先の事だと思うので、自分が住むためのマンションは結婚してからで良いのではないかと悩んでいるという事でした。

20代にスッカラカン状態だったみなオジ的には贅沢な悩みだと思いましたが、その僻みはグッと抑えて彼にこのように答えました。

自分なら、居住用を購入してその後に投資用かな。都心3区内なら君の会社にも近いし、もっと仕事に専念できる(残業しろという事ではない)でしょ?

彼は投資用を勧められるのかと考えていた様で、少し驚いた様子でしたが、逆に興味を覚えたようで、そう考える理由を聞いてきました。

でも、マイホームを先に買ってしまうと、結婚して部屋が狭くなったり、将来投資用マンションを購入したいと思った時に、既に住宅ローンを借りているのでローンが組めないんじゃないかと思うんですけど。

その知り合いは、若くして高収入を得ているだけあって不動産についてもきちんと知識を持っていると思いました。また、人生で何千万円の買い物ですから慎重になるのも分かります。なので、彼には彼の属性も踏まえて以下のように説明しました。

マイホームは無敵の投資(結果的に)

投資用マンション、マイホーム結果的にはローンで購入すれば結局のところ負債です。であれば、尚更現金化(手残り)しやすい不動産を選ぶべきです。物件価格は両者とも適正価格を選ぶことが大前提です。しかし、マイホームであれば、ローン金利、住宅ローン控除、住宅ポイント(15~100万円相当)、登記時の登録免許税、不動産取得税(中古の場合)、買換え特例(譲渡所得税の繰延べ)など、税と取得費用に関する特典がてんこ盛りです。

引用元:国土交通省HPより(グリーン住宅ポイント)

中でも特に大きいのが、マイホームを売却してキャピタルゲインが出た時の譲渡所得の特別控除です。条件により所有期間の長短によらず譲渡所得から最高3,000万円まで控除可能となります。また、マイホームの所有期間が10年を超えている場合は、前述の3,000万円控除を併用しつつ、軽減税率(所得税住民税合算で6,000万円までは14%)で計算することができるので、売却時に値上がりしている際は手残りが大きく、これを買い替えの際の原資に回す事ができるのです。

なお、居住用住宅を売却して譲渡益が生じた場合に別の住宅に買換えをした際は、その買い換えで取得した住宅を将来売却するまでは、この譲渡益に対して課税されないという制度です。(新築の自己居住用不動産であれば、固定資産税の軽減も5~7年間あるので、低金利の住宅ローンと住宅ローン減税もフル活用すれば、購入時の初期費用が掛かるとしても大抵は賃貸暮らしのコストをペイできるはずです。)

そうすれば、結婚して家族が増えて広い家を購入したいと思った時に、都落ちして不便な場所に引っ越す必要も無くなり、逆に共働きのパワーカップルの場合は都心の億越えのマンションを購入する事も可能です(なお、離婚のリスクはココでは考慮しません(笑い))。

ちなみに個人所有の投資用物件を売却した場合、保有期間によって最高39%の譲渡所得課税が発生します。また、利回りを重視して購入している事から郊外の物件を購入するケースが多く(自己居住用だと場所はそれなりの利便性の高い所を選ぶ傾向に)、結果的に値下がりのリスクも高まります。売却時も1Rマンションは投資家目線での引き合いしかないので、かなりシビアな価格交渉が入り、実需用の物件よりも手残りが少なくなります(下手すると税金や仲介手数料引くとマイナスになるかも)。

この様に、マイホームを後回しにして投資用1Rマンションから手を出すと手残りが少なくなる、つまりキャッシュアウトの可能性が高くなり、マイホーム購入時の選択肢がかなり狭まり、最悪購入を先延ばしにせざるを得なくなるのです。

つまり、既に住宅ローンを借りているのでローンが組めないんじゃないかという君の心配は当てはまらないと思うよ。住宅ローンであれば投資用ローンであれ手離れが良ければ良い訳で、住宅ローンに回る好条件は投資用物件ではほぼないというのがみなオジの持論だ(キリっ!)。

こう伝えると、彼は非常に納得した様子でした。(が、結局彼が購入したのは、郊外のワンルームだったそうな…)

_(┐「ε:)_ズコー!!!

ま、まぁ仕方ないか…3000万円オーバーの物件にビビってしまい、郊外の2000万円切った物件の方に惹かれてしまうのは初心者では仕方のない事です。

彼くらいの若さであれば、結婚時には更に多くのキャッシュが溜まっていると思われ、マイホームを買い替えても更に投資に回せる手元資金は確保できると思います。マイホームに住めば、当然その間の家賃は支払う必要はなく、その代わり住宅ローンの残債が減っているので、購入時と同じ額でしか売れなかったとしても売却時には相当な手残りが見込まれます。近時の不動産市況から言っても都心のマンションは値上がり続けているので、かなりの確率で売却益は確保できるでしょうから、彼の高属性も後押しし、更にキャッシュがブーストしてより輝かしい未来があったかもしれません。

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港区オジさん(みなオジ)です。
長い極貧オジさん生活を経て、いつの間にか小金持ちのアーリーリタイアオジさんにクラスチェンジしました!
投資家と司法書士の肩書を有する一方、妻の尻に敷かれるちょい駄目オジさんの異名も持つ。