皆さんは投資してますか?みなオジブログを良くご覧になる視聴者であればご存じかも知れませんが、みなオジと言えば不動産投資なのですが、実はそれ以外にも株式投資等ちょこちょこ投資は行っています。
しかし、不動産投資ではサイドFIREできる程の成果を残せたのに、なぜか株式投資ではパッとしない。(もちろん大損こいている訳ではなく、ちょびっとは増やせているのですが…)
とはいえ、上手くいかない理由も何となく理解していて、みなオジが株式投資で成果を上げられないのは、賭け事の延長線でやっているから、これに尽きると思います。賭け事と言うと語弊があるかも知れませんが、言い方を変えると、趣味だったり社会との接点を維持するための活動と言えるかもしれません。
そもそも株式で儲けたいなら経済がシュリンクしている日本株をやるべきではなく、黙って「S&P500インデックス・ファンド」でも買っておけばいいのです。(実際、みな嫁にはこれ関連の銘柄を勧めており、伸び悩むみなオジを尻目に爆益を挙げています。)
しかし、みなオジは今や会社の出世競争とはかけ離れたところで安定した収入を得て、草食男子もしくは仙人のような生活をしているので、何かしらの刺激に飢えているのです。そうすると本来利益を生むべき投資活動がギャンブルとまでは行かないまでも投機的な活動となってしまい、結果、堅実な銘柄よりも「面白そうな銘柄」を購入してしまうのです。海外のよく分からない企業の株を買っても、興味が維持できない性分なのです。
「面白そうな銘柄」と言うのは、短期的に派手に値動きしそうな株式を指します。実際、この前もとある理由で株価を大幅に下げた企業の株式、つまり落ちるナイフを掴みに行くような購入をしました(笑)。「落ちるナイフ…」とは証券業界界隈で良く使われる言葉で、どんなに割安に見えても株は底を打ったところで買うべし、と言う事です。よく会社の不祥事やリコール問題を機に優良企業の株がガクッと暴落する事があり、チャンスとばかりに飛びつく人がいますが、それがみなオジです。きっと前世は、火事場泥棒かスーパーのタイムセール情報を収集する敏腕主婦だったんでしょう…
勘違いされると困るので先に言ってしまうと、みなオジは仕事でリスク管理に携わっていたこともあり、現在も資産管理業に携わっている事もあり、性格的にどちらかというと慎重な方で、不動産投資についてもかなり石橋を叩いて進んできたという自負があります。ちなみに「月ごとに分散投資して長期保有」、いわゆるドルコスト平均法が(安定したインカムゲインがある)不動産投資をしている人間に相乗効果のある運用方法でしょう。
結局のところ、なけなしの生活費を突っ込んでいる訳でもないので、多少の損失は織り込み済みで株をやってますと言う訳です。みなオジの辞書には「損切り」と言う言葉も存在しませんが、それはそもそも株式投資で生計を立てている訳ではないので、失っていいお金しか一つの銘柄に入れていないからです。
とはいえ、負けが立て込むと精神衛生上もよろしくないので、アプローチを変える事にしました。それはファンダメンタル分析です。
先程、落ちるナイフの話をしましたが、みなオジが落ちるナイフを掴んで大流血をする理由は、見た目に釣られて格安な株に背徳的な魅力を感じて吸い寄せられるからです。要するにテクニカル分析で買い時と映っても、ファンダメンタルズ的には正当化できない価格に飛びついてしまっているのです。つまり、ファンダメンタル分析によるフィルターを掛けて、せめて落ちてくるナイフが果物ナイフか青龍刀かが判別できる位になっておこうという訳です。
そういう訳で今日はファンダメンタル分析の基本について語りたいと思います。ちなみに語ると言ってもみなオジ株式投資の実績はゼロに等しいので、初心者がテキストを読んでいるモノだと理解して眺めてください。また、株に興味がない人でも、就職・転職時に知っておくべき企業分析として財務指標となりますし、現役のサラリーマンでも企画部などに所属していてM&Aに携わっていると扱う事が多い指標なので、投資家以外にも参考になる知識です。
目次
覚えておくべき指標
その① EPS(1株当たり利益)
EPSは「Earnings Per Share」の略で、1株当たりの当期純利益を表します。計算方法は「当期純利益÷発行済株式総」です。利益の額により変動する数値なので動的指標といわれていて、後述するBPSは性的指標と言われています。
会社の従業員としては当期純利益が高ければうちの会社結構儲かったんだなぁ、と喜ぶのでしょうが、株主の立場ではそんなに単純ではありません。当期純利益は株主への配当の原資となる金額ですが、会社の利益が上がってもそれ以上に新株発行をしている場合は分け前(配当)が少なくなるため、株主としては、当期純利益以上にEPS(1株当たり利益)を重視するのは当然です。
ちなみに、配当性向とは当期純利益の株主への配当率を指します。30%位が平均的であることから企業も株価維持の為そのくらいの配当率を確保しようとします。1株当たりの配当 ÷ EPS × 100となり、1株あたり配当金が25円でEPSが100円の場合の配当性向は25%となります。日本では機関投資家の影響がそれ程強くないので、企業の多くは配当に回さず内部留保する傾向にあります。配当性向は善し悪しな所もあり、中途半端な配当をする位なら米国のアマゾンの様に配当を一切せず、自社の成長(設備投資、人材育成)の為に利用する方が理にかなっていると言えます。株式投資の目的は、キャピタルゲインの獲得が第一だという事を忘れてはいけませんね。そういう意味では株式投資も、不動産投資と同じです。
その② PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)
PER(株価収益率)とは、1株当たりの当期純利益の何倍で、株が買われているかを示すもので、言い換えると株価の割高度、割安度を測る指標となります。同業他社との比較で、PERが低ければ株価は割安と判断されます。
PERが高すぎると言うのは株主の期待が大きい場合、つまり過大評価である場合なので、その評価が剥落した時の本来の実力程度に暴落が生じる可能性がある事に留意する必要があります。
PBR(株価純資産倍率)は「株価÷1株当たりの純資産」で計算され、企業の資産価値に対して株価が何倍まで買われているかを表す指標です。PBRが1倍を下回ると割安と言われます。赤字企業ではPBRが1を下回る事が多いので、この様な状況の株を購入するのは危険という人も多いです。とはいえ事業拡大中のスタートアップ企業であれば、開発費がかさむので一般的に設立後の(開発期間である)数年間は赤字となるのは致し方ない(織り込み済み)とも言え、今後それが収益の軸として成長すれば、これまでの投下資本以上の利益が回収される公算が高いと言えます。その為、なぜその企業は赤字なのか、また、その赤字が近く黒字転換する見込みがあるのかどうかを見極める必要があるでしょう。
BPSも重要な指標
PBRと似たような指標で、「一株当たりの純資産」と呼ばれるBPS(Book-Value Per Share)という指標がありますが、これは、純資産÷発行済株式数で計算します。業種・業態によって基準は異なりますが、BPSが高い場合、企業の安定性も高いと評価されます。
その③ ROE(自己資本利益率)、ROA(総資産利益率)
ROEとはReturn On Equityの略で、当期純利益÷自己資本×100で計算されます。経営効率を測る数値で、資本金に対しどれだけ利益を上げているかを表します。国内では7~10%を目標とする企業が多いです。
また、ROAとは総資産利益率を指し、分母が総資産となり、企業が保有する資産をどのくらい効率的に利益に結び付けているのかを測る指標です(5%以上出せていると優良)。
ROEは出資に対するリターンですので、異業種間で比較する際にも用いることができます。一方ROAは業種で差があり、単純比較する事ができないので注意が必要です。
さいごに
企業の財務状態に比べて株価(株価収益率、株価純資産倍率)が低いと割安と判断されるというのが基本的な原理原則と言えます。しかし現実には、その企業(さらに言えばその経営者)の人気があるだけで、実力以上にもてはやされているのかもしれません。
つまりPERやPBRだけを判断材料に投資を行う事はやめた方がいいという結論になり、これまでの説明は何だったんだ?という事になりかねませんが、知識を持たずに株の世界に飛び込むよりは、知った上で「そういう事もあるだろうなぁ」くらいの感覚でやることで、戦略の幅が広がるものだと思っています。(知らずに大損こくと悔しいでしょ?)
いずれにせよ、証券会社で営業していたような人が、会社を辞めて独立後に株で大儲けをしたという話をほとんど聞いたことが無く、株式運用では欲目をかかずに堅実に資産を増やすのが正解なのかもしれません。(達観風)