お金・仕事

人生の罠について(学生~就職編)

投稿日:2021年8月8日 更新日:

罠だらけ

地方から上京してはや20数年、気づけば東京在住歴が故郷の在住歴をこえています。このブログでは、みなオジが、どのような人生をたどり、そして人生の罠に落ち、そして這い上がったり、上がらなかったりの紆余曲折を経て今に至るかの話をしていきたいと思います。

アナタが陥るかも知れない、人生の罠とそれらに対する対処法を書いていきます。

①学校で友達いない問題、イジメ問題

学校で友達がいない、少ないという事で悩んでいた時期がありました。また、友人がいたとしてもいわゆる「イケてないグループ」だったりして、サッカー部等の花形スポーツ部のグループにあこがれていた時期ってありませんでしたか?

思春期の多感な時期だと、不登校になったり、下手すると自殺の原因になったりする本人にとっては非常に重大な問題だったりします。なぜなら、小学生等は非常に狭いコミュニティしかない為、仮に学校でハブられたりすると、家の外で話す相手がいないという事に繋がります。ただし、この種の悩みは、大人になってから振り返ると、どうでも良い悩みNo,1 だと思います。なぜなら、現在生きる上で何の影響も及ぼさない話なので…(それが証拠に、未だに小学生や中学生時代の友達が交友関係のメインって人はあんまりいないと思います)

みなオジは大学進学を機に上京していていますが、地元で上京してきたクラスメートはそれ程いなかったと思います。大学でも友達が出来ないとツライものがありますが、大学生ともなると勉強(しなかったけど)やアルバイトをしたり、他にごまんとやることが増えるので、友人がいない事の重大性が相対的にどうでも良くなります。(今は大学の講義がリモートなので、折角の交友関係を拡げるきっかけが少なくもったいないですね。)

また、社会人になってから数年は同窓会などのイベントがありましたが、この歳になるとそんなお知らせもトンと聞かなくなります。ちなみに同窓会あるあるですが、社会人になると学生時代パッとしなかったクラスメートが、凄い羽振りが良くなっていたり、その逆もあります。学生時代の序列や交友関係は、「ほとんど意味がない」と思って学生生活を送れば友達の有無なんてどうでもいいと思えるのではないでしょうか。

学生時代に友人関係で悩むことが無駄とまでは言いませんが、今でもいじめで中学生が自殺したというニュースを聞くたびに、本当にもったいない事だと感じます。

かく言うみなオジも、高校時代で彼女が出来て調子に乗って周囲にドヤ顔していたら、クラスメートにハブられて気が付けば陰キャ生活を送っていました(一緒に弁当食べる友達もいないレベル…)。なまじ落差があっただけにしんどかった時期もあります。

多感な時期でもあり、「友達がいない状況」というのを許容できないんですね。当時の自分に「友達なんていらねーよ」と言えるふてぶてしさがあれば良かったのでしょうが、悟りの境地を開くことができる思春期の少年少女は少ないでしょうね。

自分としては、上京する程の価値のある大学に合格できなければ、実家を脱出(して学生時代の友人関係をリセット)する術が無かったこともあり、負のパワーを糧に猛勉強をすることが出来ました。そんなパワーの後押しもあってか、大学デビューをすることが出来ました。

②大学デビュー(して勉強しない)問題

みなオジは子供の頃は「神童」と呼ばれていて、小学生時代は全国模試で100番くらいの成績でしたが、その栄光の期間は短く、中学校をピークに坂を転げ落ちる様に落ちていきました。高校はかろうじて進学校に入学できたものの、前述した通り友人もおらず、学校が刑務所の様な場所になっていました。大学では遠く離れた場所で0からリセットできる場所に行こうと計画を立てたのは前段の通りです。地方の鬱屈した高校生にとって、敗者復活戦は是が非でも勝ち取らなければならないものです。敗者復活と言えば「大学デビュー」、大学デビューの舞台といえば「東京」以外に考えられません。

タガが外れた大学時代

みなオジは幸運にも東京の大学に入学することが出来ました。上京して夢の一人暮らし、都心のキャンバスに新歓コンパと、地方から出てきた学生にとって誘惑には事欠かない状態でした。状況当時は東京の知識ゼロだったので、「ウォーカー系」雑誌をひたすら読み漁っていた思い出があります。

希望の無かった高校時代からリベンジすべく、田舎モンと舐められないように大学デビューをし、その甲斐あってか友人もでき、待望の彼女もできました。幸運にもリア充になったものの、その分出費は増えたことから、大学生活はサークル活動とデート資金を集めるためにバイトに明け暮れる毎日でした。文系学部であった事から、勉強しなくても卒業できる雰囲気があった事もあり、当時は「勉強したら負け」みたいな感じになっていました。

勉強しなかったから負け組?

みなオジの実家では、父親が専制君主として君臨しており、非常に抑圧された状況でした。そんな状況から解放され、大学時代ではこの世の春とバイトにサークル(チャラ系)に好き放題してました。上京前後で人格が全く変わったような気がします。ホント当時は勉強しなかったですから。まあ、振り返ればここでサボってたツケがその後の10余年の就職後の暗黒時代の始まりだったのですが・・・

大学での勉強なんて就職には役に立たないと思っていたのも、今思うと若いな~と感じずにはいられません。もしかすると、大学で勉強しないで良い理由をこじつけたかっただけかもしれませんが、今この歳になっても自分には足りない知識やスキルが多いと感じるものです。その不足分を大学時代に少しでも補えていれば、全然違った社会人生活を送れたと思います。

また、時間の制約を気にせずに勉強や資格取得に没頭することが出来る期間というのは、後にも先にも大学生の時までです。もちろん社会人時代にも勉強をすることはできますが、その時は何かを犠牲にしなくてはいけなかったり、仕事面でハンデを受ける事になるでしょう。少なくとも社会人が没頭すべきものは自己啓発ではなく仕事です。そういう意味では、自分に甘いタイプの人は一人暮らしを選ぶべきではないかもしれませんね。自堕落な性格のみなオジは、親の監視下で少し窮屈な暮らしの方が良かったのかもしれません。

③就活も適当に流す問題

大学3年から周囲が就活準備でザワザワしてきますが、みなオジは相変わらずのチャラ学生ぶりを発揮していました。自分の就活時代は「就職氷河期」と言われていた時期で、当時は公務員の人気が高く、受験予備校に通う学生も多かったですが、みなオジは、「公務員?地味だし給料安いのに何で学生時代から予備校通って試験受けなきゃいけないの?」という感じで、公務員志望の友達を内心見下していました。

就職氷河期?自分は関係ないっしょ!

そんな自分はどのように就活を行っていたかと言えば、特に業界研究をすることも無く思考停止的にで人気上位の企業から順番に資料請求を行っていました。当時は分厚い電話帳みたいな本がリクルート等から送られてきて、志望する会社にエントリーはがきを送るというものです。みなオジの第一希望は新聞社やTV局などのマスコミ業界で就活ランキングでもこれらマスコミ関連企業は上位に入っていたので、ロクな業界研究もせずに完全にイメージ先行で就活していたので、マスコミ業界=楽しいという考えしかなく、業界に入ってしまえば業界人を気取って派手な暮らしが出来る、なんて思っていました。

こんな感じでノリと勢いで行っていた就活が上手くいく訳がありません。まあ、結果的にはマスコミ関連の企業複数社から内定をもらって、客観的には上手く就活を終える事が出来たのですが、今振り返ると致命的な判断ミスと言わざるを得ませんでした。

人気業界=勝ち組ではない

みなオジが内定をもらったのは確かにマスコミ業界(TV局ではない)だったのですが、業界ランク的には中堅に位置する企業でした。就職氷河期であることに加え、マスコミ業界ではあったので、学生からの応募数は会社規模の割に多く、後から人事担当に聞くと200倍くらいの関門だったそうです。

みなオジは業界研究を怠ったと書きましたが、自分が内定をもらった会社を解析すると、今だと絶対に応募しないだろうなと考えます。その理由としては以下の通りです。

・会社規模が小さい(非上場)
・大手企業の関連会社だが、その企業に経営不安情報あり(リストラ中)
・業界自体が衰退期もしくは変遷期である(TVからネットへ、紙媒体の退廃)
・初任給はそこそこだが、給与額の伸び幅が低い
みなオジが意気揚々と入社した会社

これらの情報は、少し業界・企業研究を行えばすぐにわかる事ばかりです。

なまじ希望業界に就職できた(しかも、内定先も複数社から選ぶことが出来た)ことから、自身の就活は上手くいったと思ってしまった点も良くありませんでした(満足して、早々に就活を終えてしまった)。そして最大の失敗は、「自分のやりたい仕事が何だったのかを、最後まで理解していなかった」という事でしょう。就活当時はイメージやあこがれだけでマスコミ業界を第一志望に選びましたが、今振り返ると適性があったかどうかは甚だ疑問です。

業界、規模、どちらを重視か

これは就活全般に言える事ですが、業界にこだわるあまり、下位ランクの会社まで受けるのは危険かなと感じます。上記に記載した通り、学生時に自分の特性や自分に合う業界の見極めるのは結構難しいと思います。「自分には絶対この業界しかない!」という確信があるなら別ですが、業界を絞って中堅以下の企業に就職するくらいなら別業種で規模の大きい会社を視野に入れて就活をする方がよかったと反省しています。業界下位の企業にはそれなりの仕事内容ですし、同僚や上司にも恵まれない可能性が高いので、業界の水に合う合わないの前に、その企業で働くことに疲弊する可能性もあるでしょう。

「新卒時には理屈抜きに大手企業を狙うべき」という先人のアドバイスは若干乱暴な感じもしますし、希望に満ちた就活生には中々受け入れられない部分もあるでしょうが、仕事内容や世の中の仕組みを知ってしまった今では、このアドバイスはまんざら間違っていないのかもと思わざるを得ません。

中小・零細企業で見られる落とし穴

下記は、下位ランクの中小企業に見られる落とし穴です。(みなオジが実際に経験したもの他に、一般的なものも含みます)もちろん、中小企業ならではの利点(例:実力主義、裁量ある仕事を任せてもらえる)もありますが、多くは社会人経験に不利益なものが多いというのがみなオジの体感です。

・劣悪な労働環境であることが多い(長時間労働、休日出勤、サービス残業)
・福利厚生が無い(休職制度が整っていない。身体を壊したら…)
・仕事の質が悪い(規模(取扱額)が小さい、下請、孫請といった業務が多い)
・転職時に上位企業に行くのが至難の業
不利益というより不条理と言った方が良いかも…

ゆとりがない事で生じる弊害

上二つのデメリットは、財務体質が脆弱が故に人員体制を整えられないことからくる不利益に集約されるのではないかと思います。とにかく、何をするにも「お金がない」の一言で済まされるというイメージです。中小企業では入社してから一度も昇給したことがないという人もザラにいますし、長時間労働が続いても人員の補給も無く、その結果従業員が身体を壊しても療養が許される雰囲気でもなく、やむなく退職せざるを得ない状況になるという話もよくある話です。

また、小規模な組織では異動の機会もないので、人間関係でトラブったらアウトというのもあるでしょう。

中小企業では成長機会が多いいう幻想

また、下二つは業界の構造的な問題と言えます。通常、業務内容は大手から中小、零細企業と下位に行くにつれて質が落ちていくことが多いです。みなオジは司法書士として不動産取引に携わることが多いので、一つ具体例を挙げて説明しましょう。

マンションを購入する際には、買主は通常住宅ローンを組みます。この時、貸主は金融機関ですが、抵当権を設定する際は登記上はその金融機関名が現れる事は非常に少ないです。つまり、抵当権者として登記上に現れるのは、その金融機関(メガバンク等)の関連会社の保証会社(○○信用保証)です。つまり、貸し付けの利息はそのメガバンクが得るにも関わらず、融資が焦げ付いたとしても一義的に不利益をこうむるのは、そのメガバンクではなく保証会社となるのです。実際に債権回収を行ったり、サービサーに債権譲渡を行うなどの細々とした業務は、その保証会社が負う事になるのです。つまり、メガバンクはその様な下々の事務処理に直接手を汚さないスキームで利益を得るという仕組みが出来上がっているという訳です。

他にも、建設業界における元請けを頂点とした「重層下請構造」もその最たる例かと思います。日本では(数万社あると言われる)下請会社の保護を目的として「下請法」が定められていますが、逆に言えば、その様な法律が無ければ下請会社は元請会社からの理不尽な要求にさらされてしまう訳で、絶対的な力関係が企業規模の大小で生じてしまうのが、業界の逃れられない掟なのです。

また、求人広告を手掛ける大手企業は大手企業の正社員の求人広告しか扱わず、自社ポリシーに反した業種(例えば風俗関係)の求人は取り扱いません。結果、そういう求人広告は零細の広告会社が扱う事になりますし、広告方法も真っ当な媒体ではなく、電柱広告や捨て看板など違法手段を前提としたものを取り扱わざるを得ないのです。最初からピンク系広告専門の会社を志望していたなら良いですが、広告業界にこだわるあまりそこしか選択肢が無かったというのはツライものがあります。

社会に出れば否が応でも突きつけられる事実ですが、この辺りの常識も経験のない学生には中々理解できないので、大企業じゃなくても自分の能力次第で何とでもなるという様な錯覚を起こしてしまうのです。中小企業には早くから最良ある仕事が振られると言いますが、戦争を例に出すと、中小企業で裁量を得たとしてもそれは最前線の下士官的な存在であり、もちろん戦場で得られた鉄砲を撃つ技術や生存術は大切な技能ですが、内陸で安全な所から指揮を行う士官や大本営の幹部に求められる能力とはそもそも別な能力ですので、こちら側の人間になるには重要視されていないので、転職時に上位の企業に行くのは至難の業なのです。

逆に言えば、とりあえず大企業に入っておけば、その後に大企業的な歯車的な扱いが合わないと思った時や、より現場に近いところで働きたいと思った時に、その業界の下位企業に転職する事は比較的容易でしょう。(もちろん、大企業で得られた経験が、中小企業で役に立たないという事もよくある話ですが…)

新卒カードを無駄に消費

中小企業に就職したみなオジは、会社に絶望していたかというと、実はそんなことはなく、若さ故の無知というか、キャパの低さからかわかりませんが、会社に対する不満を感じる余裕がないくらいに愚直に働いていました。今の常識で考えると、サービス残業させられていたら、その時点で疑問を感じていたと思うのですが、良くも悪くもピュアだったんでしょうね。自分が絶望する前に会社の体力が尽きて晴れてリストラとなりました。

あの頃はビックリしましたね。まさか、入社3年目の自分がリストラされるとは思いませんでしたから。いずれにせよ、適当な就活をしたツケはこのような形で払う事になりました。当時は「新卒カード(※)」という言葉すらも理解していませんでした。一度しかない貴重な切り札だと知っていたら、適当に就活しなかったのに…

新卒カードとは
新卒カード」とは、社会人経験なしで様々な企業に就職できる新卒の強みを表現する言葉です。 日本の企業では卒業前の学生を新卒生として一括で採用する方式を採用しているため、新卒生が就職活動において有利になり、特権ともいえることからこのような言葉で表現されます。

もう少しきちんと就活をしていればというのが今でも頭をよぎります。今でもそれなりに余裕のある暮らしをしていますが、就職活動中に色々な情報や人と出会っていれば、全く人生が変わっていたでしょうね。(ホントにあの頃に戻りたい)逆に言うと、この経験があったからこそ、その後の仕事(だけでなく物事全般)に対する考え方が大きく変わったのだと思っています。

さいごに

就活における最大の失敗は、ユルユルな学生気分が抜けきれずに業界研究そっちのけでイメージだけで仕事を選んでしまっていたという点です。我が家は父親がサラリーマンではなかったので、父親からアドバイスを受けるという事もありませんでしたし、自分自身も経済の仕組み等全く理解していなかったので、どのように社会が成り立っているかというイメージもありませんでした。つまり、どんな会社に入ろうが自分自身の努力で何とでもなるものだという薄っぺらい理論で社会を見ていたのです。

もちろん職業に貴賤はありませんが、自然の摂理と同様に仕事(お金)も上流から下流に流れ、上流に位置する方が俯瞰的かつ自律的にコントロールできるという事を知っておくべきだったのです。まあ、このあたりの話は他に譲りますが、まだ幸いにも学生の方は、大学受験をゴールとするのではなく、大学生活を単なるモラトリアムの場にするオンではなく、就職活動に繋がる様に遊びだけでなく、自己研鑽にもエネルギーを投下して欲しいと願います。

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港区オジさん(みなオジ)です。
長い極貧オジさん生活を経て、いつの間にか小金持ちのアーリーリタイアオジさんにクラスチェンジしました!
投資家と司法書士の肩書を有する一方、妻の尻に敷かれるちょい駄目オジさんの異名も持つ。