不動産

割安?異常な安値の物件の特徴とは?

投稿日:2021年10月27日 更新日:

仕事と趣味を兼ねて常に良いマンションを投資・実需両面で探していますが、中古物件の情報収集をしているとたまに、相場から大きく外れているマンション(の部屋)に出くわします。

周辺相場から「上に」乖離している場合は、ペントハウスやタワーマンションのいわゆるエグゼクティブタイプの部屋(大抵高層階の何フロアか)が該当します。中には売る気ない(「何らかの理由で」売るポーズだけ取ってる)部屋、つまり内見希望が入ると対応がメンドクサイのでワザと高値で放置している売主も散見されます。

しかし、周辺相場から「下に」乖離しているケースもあります。単純に値付けを誤ったという可能性も否定できませんが、一番多いのは住宅ローンの支払いに窮した人夫婦でローンを組んだが離婚で手放したいケース、つまり急いで売りたいケースです。

そもそもの話になりますが、ネット上に情報が溢れる昨今、相当な情弱でない限り相場を外れた値付けがされることはかなり少なくなったと思います。更に言えば、相場を見誤って安い値付けがされる場合は、買取業者に購入されることから、エンドユーザー向けにポータルサイトに掲載される前に成約してしまうでしょう。

逆に、運よくそういう事情の物件を見つける事が出来たなら、かなりお買い得と言えるかもしれませんが、残念ながら不動産ポータルサイトではその様な主観的な事情までは分かりません。

客観的理由で安値になる場合

不動産には上述の様な主観的な事由で安く売りだされる物件がありますが、中には物件の客観的つまり「本質的な理由」で安く値付けされるケースがあるのです。今回はそれらをいくつか紹介したいと思います。

ケース1 定借物件

一番多いケースが定借物件です。「うわっ、コレ安いな」と思って、ポータルサイトで物件概要を検索すると、土地が定期借地権…もちろん、定借物件だから即NGという訳ではなく、用途や誰がどのくらい住むのかといった条件を全て勘案して、それでもこの値段ならOKという場合も多いですが、結局周辺の所有権物件との比較でさほどお得感が感じられないケースが多く、その安さを以ってしても、購入には尻込みしてしまいます。なお、定期借地権のマンションについては、以前のブログで紹介していますので、そちらを参考にしてください。

関連過去ブログ:借地権マンションはありかは→コチラ

ケース2 事故物件(心理的瑕疵)

事故物件…なのか?

これはあまり見ないケースですが、あまりにも相場からかけ離れて安い場合は疑ってみる価値はありそうです。不動産取引に事故物件は告知義務があります。ちなみにこの告知義務は法律ではなく国土交通省のガイドラインで定められており、賃貸の場合は3年となっていますが、取引額が大きい売買の場合は期限の定めは定められておらず、個別の事例(例えば、有名な殺人事件の舞台など)によって、免責されうる期間等の責任の度合いは異なります。

ちなみに告知義務は契約前、つまり重要事項説明時までに果たせば良いので、悪質な業者だと内覧希望時に教えてくれず、当日、内覧時のその室内で告知してくるといった恐怖体験を与えてくる可能性がありますので気を付けてください。

いずれにせよ、独居者の比率が高くなっている現在、該当物件数は益々増える事から、検索時にその様な物件にヒットする可能性も高くなることから、自衛手段としてあまりに価格設定がおかしい場合は事前に確認した方が良いかもしれません。また、事故物件はデータベース(「大島てる」などの情報サイト)に蓄積されているので、ある程度は自分で調べる事も可能です。

引用元:大島てるHPより

個人的には賃貸であれば、(そういう事に気にしない人であれば)一定期間格安で住むという選択肢もアリと思いますが、売買の場合は売却時にも価格に反映される事からおススメできません。

ケース3 築古物件

築古物件は、上手く行けばお得に購入するチャンスです。実際に投資家目線で見れば、かなりの利回りを期待できるでしょう。しかし、下記二点について必ずチェックする必要があります。

リノベマジックにかけられていないか?

一点目は、目先のリノベに惑わされない、という事です。築古物件の場合大抵がフルリノベを行っているケースがあり、室内は新築のそれと変わらない事がほとんどです。それでいて価格は新築の5~7割なので、予算不足の買い手は思わず飛びついてしまいがちです。しかし、リノベ費用にリフォーム業者(もしくは売主)の利益が過剰に乗っているケースも多いのでリノベ済みの物件を購入するときは、身体(物件そのもの)と洋服代(リフォーム・交換した設備一式)を個別に計算して、そこに妥当性があるかを確認する必要があります。新築より安く購入できたとしても、リノベ費用が相場の2倍以上掛かっているケースもある事からトータルで損をしているというケースもあります。

また、築古物件の注意点として修繕費の未納・滞納があり、次の大規模修繕費用が確保できていないというケースもあります。また、管理組合(古株の理事)の癖が強かったり、自己管理物件(管理会社を入れずに、住民が清掃や維持管理を行う)もあり、入居してから「こんなはずではなかった…」という事も多いので、安いのに市場に出ている理由をチェックできる嗅覚が大切になってきます。そういう意味で、中古物件の購入経験がない人は、築古物件はあまり手を出さない方が良いかも知れません。

以前ニュースでも取り上げられていましたが、理事が暴走し取引価格にも影響が出ているマンションがありました。

秀和幡ヶ谷レジデンス

【クソ物件】謎ルールを敷く渋谷区『秀和幡ヶ谷レジデンス』 介護ヘルパーが出禁 友人泊めたら5000円

渋谷区の一等地に建つ『秀和幡ヶ谷レジデンス』。不動産会社『秀和』が’74年に竣工した総戸数300戸・地上10階建てのこの大型分譲マンションでは、いままさに、管理組合に対する住民の不満が爆発中だ。住民は「秀和幡ヶ谷レジデンスを救う有志の会」を結成し、組合と真っ向から戦う構えを見せている。

引用元:まとめまとめ

仕事上、物件情報によく触れるみなオジでも、築古物件はできれば候補から外したいですし、経験上、金額的にお得であればあるほど逆に「何かあるのでは?」疑ってしまいます。(もちろん、結果的に良い買い物になる可能性もありますが、不動産投資に一か八かは禁物です。)

旧耐震基準、既存不適格

二点目は、築古物件は旧耐震基準である場合が多く、それに伴うリスクがあるという事です。地震大国である日本は、大震災を経験するごとに耐震基準を厳格化しています。取引上、特に影響が大きいのは昭和56年5月31日までの建築確認において適用されていた旧耐震基準のケースです。旧耐震基準の物件では震度5強を超える場合、倒壊の危険があると言われており、最近の地震の発生状況を鑑みても少々不安な基準です。

自分が住むうえで敢えて危険なマンションを選ぶのも危機管理上いかがかと思いますし、小規模の地震でもコンクリートにひびが入って修繕費用が掛かったり(それに伴い修繕一時金の支出や修繕積立費が高くなるなどの弊害)、住宅ローン控除や税制優遇が受けられず、入居後の火災保険の価格も割高となる等、コスト面でも安く購入した分以上の出費が生じる可能性が高くなります。

また、耐震基準のみならず「既存不適格物件」や「違反建築物」といった物件も、再築(建替え)が出来ない、住宅ローンが通りにくい等の理由で、相場より相当安くなります。ちなみに「既存不適格」とは、建築基準法の改正や都市計画の変更により建設当時は適法に建てられた物件が事後的に法令基準に適合しなくなってしまった状態を言います。

ケース4 半地下物件

韓国映画「パラサイト 半地下の家族」で有名になった「半地下物件」。日本にも、左記映画の舞台になった劣悪な環境の建物ではないものの、半地下物件はあります。半地下の名称通り完全に地下室ではなく、部屋の半分くらいがグラウンドレベルを超えている状態で、主に傾斜地に家やマンションを建てる際に半地下となる部分が出来るので、できるだけデベロッパーの利益を確保する為、その区画を販売住戸として売り出しているのです。当然、日照面や眺望面で人気がない事から、価格面で優位性を持って販売されます。

半地下住戸(イメージ)

昨今、売主側もできるだけ高値で売ろうと、販売戦略上メリットを打ち(捻り?)出し、防音面が優れている点採光が取れないのを逆手に取り、ムーディーな雰囲気を演出してオシャレな空間を演出しています。(ちなみに半地下住戸にコンクリ打ちっぱなしが多いのは、壁紙が湿気で剝れるから説)

もちろん、お買い得価格と半地下独特の雰囲気が好きという人は検討の余地があるかも知れませんが、みなオジ的にはそれらメリット(?)を差し引いても手を出さない方が賢明と考えてしまいます。

ドライエリアのイメージ

具体的には「湿気の問題、採光面」が挙げられます。日本は高温多湿な気候なので、最新の換気システムを導入しても室内がカビてしまいます。この為、常に窓を開けたり、家具の配置を工夫したりと注意を払う必要があります。この様な環境では、健康面で悪影響を及ぼしかねないので、何はともあれ避けるべきではないでしょうか。半地下の内覧に行くとキツめの芳香剤が室内に何個もおかれていた経験もあり、湿気臭の問題にも悩まされるようです。もちろん半地下=湿気という訳でなく、ドライエリアを確保されているか等の構造面での防湿対策が取られているか内覧時にチェックする必要があるでしょう。

浸水注意喚起ポスター:横浜市HPより

それらに加え一番致命的なのは、大雨時の浸水リスクです。アパート管理会社勤務の知り合いは、大雨の翌日は半地下の管理物件の居住者から電話が鳴り止まないので、台風や大雨の予報の前日は憂鬱になるそうです。また、いくら安くても自分が住む家なら、半地下は敬遠したいとも言っています。

また、防犯面でも半地下は1階と並んで空き巣被害が多いです。みなオジも貧乏学生の時にオンボロアパートの1階に住んでいましたが、空き巣に入られた経験があります(ちなみにその時は「1階のほぼ全員」が被害に遭ったそうです…)。半地下は一見侵入経路が少なく防犯上安全に見えますが、外からの死角が意外と多く、熟練の空き巣は半地下物件を好んで狙うそうです。

逆に半地下物件は価格面で折り合えば、利回りは高くとることができると言えます。賃貸の場合は売買価格程、賃料に差が出にくいからです。ただし、上記の理由で、比較的退去までの期間が短いかも知れません。

さいごに

以上のように、安い物件に出会った時ほどより注意が必要と言えます。極論を言えば、死ぬまで気づかなければ、その欠陥は欠陥ではないと言え、他人から見れば欠点でも価格との折り合いなどで自分にとってメリットがあると考え続けられれば、購入に踏み切るという決断もあるでしょう。いずれにせよ、何千万を超える高額取引ですので、とことん納得いくまで確認して、信頼できるアドバイザーなどに相談すると良いでしょう。

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港区オジさん(みなオジ)です。
長い極貧オジさん生活を経て、いつの間にか小金持ちのアーリーリタイアオジさんにクラスチェンジしました!
投資家と司法書士の肩書を有する一方、妻の尻に敷かれるちょい駄目オジさんの異名も持つ。