今回は有名人のロレックス事情という事で、ある二人の芸能人(アイドル・芸人)が愛用するロレックス(ともにデイトナです)を紹介し、芸能界における彼らのイメージ戦略について、みなオジの持論を展開したいと思います。
目次
木村 拓哉さんの場合
キムタクこと元SMAPの木村拓哉と言えばロレックスと言うくらい、ロレックスのイメージが強くついています。私物を見渡すとデイトナ、エクスプローラー、サブマリーナ―、デイトジャスト、GMTマスターⅡと同ブランドの主要所はほぼ網羅している状態です。
しかし、ドラマに限って言えば、ロレックスを着けていたのは「ラブジェネレーション」(1997年)の「エクスプローラⅠ」くらいで、それ以外は他ブランドの腕時計を着けている事が多いんですよね。「GB~身辺警護人~」「エンジン」ではオメガ(それぞれシーマスター、スピードマスター)「HERO」「教場」ではカシオ(G-shock)なんですよね。
それも当然で、ストーリー上の制約だったり、スポンサーの存在や(金が絡む)衣装提供の関係で、演者はもちろん演出家と言えど、好き勝手に時計を含む小物を選べませんからね。
ロレックス愛用者から学ぶ、タレントのイメージ戦略
「この時計、○○さんに似合ってるね」という言葉をよく耳にしますが、これは、そのブランドの腕時計に固有の歴史が刻まれているからこそ出る言葉ではないでしょうか。
質実剛健、荘厳美麗、妖艶、職人肌、知的(老獪)、合理性、混沌(カオス)、伝統・保守的(コンサバ)、派手・奇抜、清楚、挑戦(先駆)的、破天荒・活発(エネルギッシュ)等、その時計から想起される特徴やイメージを自分に重ねて、もしくはあやかりたいという想いで、そのブランドを手にする人も多いでしょう。
この様に、人気商売であるタレント・芸能人は時計一つ取っても、こだわらなくてはいけません(究極的には腕時計を身に付けない(あえて特徴を付けない)と言う判断もありえます)。この様に、イメージ戦略にはお決まりの黄金パターンがある訳では無く、その芸能人のキャラクターに適した(もしくは、目標に沿った)腕時計を探す事が大切です。
キャラクターの固定化を防ぐ
「キムタクが演じる役は全部キムタク」というのはよく言われる話ですが、おそらく本人や演出家もその辺りは意識をしていて、身に付ける小物一つとってもイメージを固着させない努力をしていると思います。
CM、イメージキャラクター問題
これも前述の論点の派生形ですが、芸能人は「歩く広告塔(マネキン)」ですので、あまりに一つの色がついてしまうと、お声が掛かるブランドの幅が狭くなってしまいます。「マリリン・モンロー=シャネル」くらいに振り切って、イメージを固定するのも戦略の一つですが、ブランドの栄枯盛衰が激しい現在においては、出来るだけ多くのブランドに対応できる「のりしろ部分」を広く持っている方(つまりカメレオン型タレント)が、起用する側も助かるのではないでしょうか。
芸能界のヒエラルキー問題
ジャニーズと言う巨大組織の中で、色々な派閥間の権力闘争やヒエラルキーがある中、いつ誰がどんな腕時計をしていたかというのは結構話題とされますよね。特に有名人ともなれば、自分が望まなくても外部からの情報発信でそれが世間に広まる事もあるでしょう。
確かにバックステージで踊るジャニーズJr.が、メインボーカルのアイドルよりも高い時計(分かりにくいなら「服装」でも良いですが)してたらザワつきますよね。
これは芸能人のみならず、一般社会でもそうですね。人間は社会性を持ち、群れで生活する生き物である以上、組織内で序列を作ってしまうのは避けられません(「フラットな組織を目指そう!」と言っても、それを真に受けて本当にフラットな組織にしてはいけないのです。組織には、適度な序列があることで秩序が保たれるというメリットも否定できないからです)。
中には「腕時計なんて興味ないし、誰がどんな時計着けていても気にならないよ」と言う、人格者的な意見を言う方もいますが、そういう人に限って「僕は良いんだけど、部長が気にするといけないからさぁ、あんまり高い時計はしない方が…」と、暗に人の腕時計にダメ出しするものです。(私が言われたわけではありませんが、実際に言われた人を知っています)
さて、キムタクに話を戻すと、彼は複数のロレックスを所有しているのは上述の通りですが、その中でもプラチナデイトナは別格です。ただでさえ入手困難なデイトナにあって、更に最高級素材であるプラチナケースをまとったファン垂涎の逸品です。定価(8,013,500円)もさることながら、おそらく一般人向けには販売されることはないでしょう。つまりは、相当の太客であるか、この人に所有してもらいたいというメーカー側の事業戦略が絡む判断となるでしょう。(もちろん、表向きにはその様な発表はされないでしょうが、この点については、アイスブルーのみならず、ハイエンドモデルの多くについては、一般の商品とは異なる理論(つまり特別対応)で販売する事になるでしょう。
また、文字盤の水色「アイスブルー文字盤」も非常に特徴的です。余談ですが、ロレックスではプラチナモデルにしかアイスブルーの文字盤色は実装されませんので、素人目にはステンレスモデルに見えるのですが、見る人が見ればすぐにプラチナデイトナだとわかるのもポイントでしょう。(ちなみに、私も人の腕時計はよく見ている方ですが、デイトナのプラチナを身に着けている人は見たことがありません。)
憧れのレジェンドであるキムタクが身に付けているブランドだからか、ジャニーズでは多くの所属アイドルがロレックスを愛用しています。好意的に解釈すれば、キムタクがロレックスの頂点であるプラチナデイトナを所有する事で、他の若手メンバーが気兼ねなくロレックスを選ぶことが出来るという気遣い的な配慮にも思えますね(多分違う)。
エピソードトークのネタ
キムタククラスの有名人になると、エピソードトークの1つや2つは持っておきたいもの。よくあるトークネタは、グルメや趣味・コレクション等ですが、肝心のネタがショボくては仕方ありませんよね。
アイドルのネタ
こだわりのファション一つ取り上げるにしても必然的に高価(貴重)な品・ブランドでないと格好がつきません。芸能人の格とアイテムの格は釣り合っていなければならないと考えると、芸能人稼業も大変ですよね。キムタクの渾身のコレクションが空き瓶の「王冠集め」だったらがっかりですよね。(ロレックスの「王冠」ではなく)
芸人のネタ(余談ですが)
一時期、とんねるずの番組で、「時計を買う」シリーズが放送されていましたが、これも大きな括りで捉えれば、芸人の公開ネタ作りみたいなものです。ある日いきなり高価な時計を(無理やり)買わされたというだけでも、十分インパクトがありましたが、後日、購入した時計があらかた(中には数百万単位で)値上がりしていたというエピソードは、企画的には「1粒で2度おいしい」状態だと思います。
ただ気になるのは、企画サイドは果たして、そこまで予想してこの企画を行ったのかどうかという点です(多分、その先のことなんて何にも考えていないか、下手すると、後で売却したら大損したという悲劇の結果を熱望していた可能性すらもあったかも知れませんね。)。
関連過去ブログ:「ロレックスの魅力~デイトナとか色々と」は→コチラ
キムタクエピソード
ちなみに、キムタクの時計にまつわるエピソードを探すと、まあ出るわ出るわで、ここでは個人的に印象に残った逸話を紹介しましょう。
「腕時計を右にはめるのは平和の象徴」 キムタクのラジオ発言が話題に
都内在住のリスナーが、木村さんのマネをして腕時計を右腕に着けているとしたうえで、そもそもなぜか聞きたいと質問してきた。
木村さん「狙撃手がこの時刻になったら引き金を引けっていうふうになったときに、狙撃手が一度引き金から手を離さないといけないのが、右手なんですって。で、左手にはめていると、要はここに手首の内っ側に時計を持っていけば、その時間になったその瞬間、秒針がピンって指した瞬間に引き金を引けてしまう…」
つまり腕時計を右にはめることには「平和の象徴」として意味があると力説し、木村さんはこのことを知って、右腕に着けようと決めたそうだ。
「木村拓哉のWhat’s up SMAP」(TOKYO FM)2013年9月13日放送より
利き腕が左なら自然だったんですが…わざわざそのエピソードいるかなァ、戦時中でもないし、ましてや狙撃手でもないし。(まあ、キムタクが腕時計に無駄にこだわっているというのは分かりました。)本田圭佑が両腕に時計をはめる理由の方が、まだ納得できた。
(本人談:「最近は(両腕に腕時計をつけている理由を)聞かれなくなったんですが…。そうですね、いい感じというか。フィットしてますね」) |
関連過去ブログ:「ロレックス病再発!!」は→コチラ
「平和の象徴」ですか…まずはグループ内を平和に保って欲しかったです。ただ、ドラマの役をするときは、セオリー通り左腕にはめるという事です。キムタクで検索すると「痛い」と言うワードが出てきますが、残念ながらこのエピソードトークもその部類に含まれそうです。
まあ、こういう無理のあるネタトークも含め、話題性という意味で高級腕時計は大切なスパイスとなり得るのです。みなオジも今度、合コンで「ネタ」として話してみる事にします。場がシラケそうだけど。
キムタクがロレックスを愛用する理由って?
キムタクがロレックスを選んだ経緯は分かりませんが、みなオジ的が勝手に抱く「キムタク評」は、
(マネされやすいのに)唯一無二感を出しまくる人
というものです。これはディスっている訳ではなく、「自己評価と他己評価が上滑りしまくっている」例として分かりやすいものを出しました。言い方を変えれば、マネできない存在になってやろうとする想いが強すぎて、色々と模索しているうちに、一周回ってシンプルになっちゃった人、です。(伝わんないかな?)
ちなみに、普通のシンプル(良い意味でのナチュラルさ)なのと色々頑張って、結果シンプルになったのでは意味合いが全然違います。個人的には下手に小手先のワザを使わずに大物然としてくれれば良いと思うのですが、自尊心目指すべきゴールが高いが故に、現状では満足できず更に上を目指そう、皆を驚かせて(ビビらせて)やろうとする気持ちが抑えられないんでしょう。(今回、キムタク研究の為にキムタクのインスタを覗いてみましたが、その考えは更に強くなりました)
エクⅠを着けていた時のキムタクがシンプルなキムタクだった?
そんなキムタクがロレックスを選ぶ理由は、ひとえに「日本で一番有名な腕時計ブランド」だからと推察します。(そこまでは非常にシンプルなロジックで良いと思うのですが)だからと言って、入手困難度もプラチナ級であるプラチナデイトナを選んでしまうあたり、キムタクの自己顕示欲の強さが滲み出てしまっているなぁと思うのです。元々、みなオジも、キムタクから多大な影響を受けていましたし、エクスプローラⅠを着けていた頃のキムタクに憧れて、貧乏だけど無理して(中古の)エクスプローラⅠを手に入れた過去があります(そして今も…)。
恐らく、キムタクの不幸は、無意識に身に付けたエクスプローラⅠで自分でも驚くくらいの反響が世間から起こってしまった事から始まったんだと思います。確かに、世間から一挙手一投足見られていては、シンプルに腕時計なんか選べないですよね。(そこには色々な利権も絡むでしょうし。)
そろそろ新たな戦略(次のステージ)に進むべきでは?
確かに価格帯と腕時計ブランドの格式で言えば、パテック・フィリップやオーデマ・ピゲなどの3大ブランドはロレックスの上を行くのでしょう。しかし、こと(話題性を含めた)プラチナデイトナのインパクトに限って言えば、これらの3大ブランドと比較しても引けを取らないでしょう。
もしかするとキムタク的には、「ビッグになっても、まだ、ヤンチャな俺」が好きなのかも知れませんが、できる事ならそろそろ貴族や王族の域、つまり雲上ブランドオーナーの仲間入りして欲しいですね。
さいごに
キムタクへの想いが強すぎて「もう一人のスギ」を書く文量が無くなってしまいました。え?スギって誰かって?
良太郎ではないことは確かだゼェ。
という事で、パート2に続きます。