新築マンションの値引きは出来るのか?していいのか?どのタイミングで言えばいいのか?不動産購入など一生に1度のイベントですので、たいていの人は価格交渉に及び腰になってしまいます。不思議なものでビジネスで億単位の取引をしている人でガンガン要求を通す剛腕営業マンでも、こと自身の新居の購入となると非常に良いお客様になってしまう人が多いこと。また、日本人が持つ奥ゆかしさからか、お金に絡む話なので知りたいけど…聞けない、という人(なんて奥ゆかしい人!)がいて、私も親しい友人くらいしか質問を受けたことがありません。ここでは、購入回数4回を誇る「みなオジ」が、契約書に押印するまでの攻防や値引き(※)の実情についてお伝えしたいと思います。
(※)ちなみにここで言う「値引き」とは売主がチラシなどで公開された、「モデルルーム使用住戸につき値引きします!」という類のものではなく、水面下で相対で行われるものを指します。 |
目次
値引きの実情(みなオジの経験から)
結論から言うと、値引き販売はありますしこちらからの交渉も可能です。実際に私も(値引き理由は異なるものの)2つの物件で値引き交渉をし、それぞれ成功しました。しかし新築マンションの特殊性としてオープン価格(価格表を提示して)多くの人と契約をしているため、売れないからと言って途中で価格を下げ変更することは、他の契約済み買主に知れると結構な確率でもめるという禁断の手法です。ですので、できれば売主(特に大手デベロッパー)も、値下げすることは避けたいと考えていますし、するにしても、慎重に、相手を選んで対応するものです。デベロッパーによっては物件価格は下げずに諸経費のカットで対応したり、そもそも絶対に値下げには応じないとする売主もいるのです。まあ、結果的にそれがブランドマンションの価値の維持に繋がるのですから、購入者としてはある意味良心的な売主といえます。ロレックスやルイ・ヴィトンがセール販売してたら購入者・所有者は萎えますし、そもそも商品価格なんて維持できないですよね。(なお、不動産業者に対するバルク売りのケースだったり投資用ワンルームマンション、郊外かつ引渡し後1年以上経ったケース等はまた変わってきます。ちなみにみなオジは、都心のエリア新築マンション購入しか経験がありませんので、その辺りはご了承ください。)
値引きのタイミング
多くは物件の竣工間際もしくは決算月に行われることが多いです。先日、みなオジも、以前訪問したマンションギャラリーの営業担当から竣工近くなった物件の値引きについて電話があり、どれほどの値引き幅か興味があったので久しぶりに再訪問しました。結果は価格1億くらいの物件で300万円程度の値引きオファー。交渉次第でまだ値引きの余地はあったかもしれませんが、そこまで惹かれる物件でもなかったため、それ以上話を進めることなく商談を終えました。まあ、私も販売側にいた人間ではないので、値引きの申し出の真意は分かりませんが・・・
ちなみに売主側の値引き提示の言い分は、以下のものを多く聞きます。
1.その物件にかける広告宣伝費分(人件費、チラシ等)を購入者に還元したい 2.早期に完売にして現地モデルルームを撤去したい(維持費削減) 3.キャンセル住戸の再販売なので没収した手付を購入者に還元したい |
1~3いずれにも言えるのは、販売の苦戦感をいかに出さずに購入者のお手伝いをしたいという姿勢を前面に出してくるというところです。
どれくらいの値引きが可能か?
これはケースバイケースです。しかし、新築マンションの事業モデルは、多少の違いはあれど、物件価格が原価に利益を大体10%ほど乗せた金額に設定しているので、我々の様なエンドユーザーに対してそれ以上に値下げすることはないという事が分かります。もちろん、資金繰りの悪化など特段の事情があれば、上記に挙げた専業不動産業者にバルク売りすることはあるでしょう。実際に私が値引きできたのは、5%と8%でした。
どうすれば、値引きを引き出せるのか?
そもそも販売好調な物件でしたら、値引きを引き出すのは無理です(断言)。しかし、端数くらいの値引きや、有償オプションを無償で引き出す程度のサービスであればできるかもしれません。しかし、それを引き出すためにはまず、自分が購入できる買主であるという事をアピールする必要があります。そうでなければ、一営業担当者が上席に対して値引きの稟申を出すことなどできないからです。そのためのアピールとは、つまりローンで購入するのであれば、事前にローン審査を済ませておく必要があるでしょう。それにプラスして、希望の部屋の申込をすることを条件にして申し出ることで、売主への本気度が伝わります。
売主の立場としても、やみくもに相手に値引きを提案もしくは応諾して、「この物件は値引きが簡単にできる」といった評判が立つことを恐れるため、本当に購入意欲の高い買主に対してのみ、個別対応として行いたいというのが正直なところでしょう。これが外部に漏れた場合に購入者とトラブルになる可能性もありますので、このリスクををある程度回避する為にも、値引きしたことの正当性を確保しておきたいということに繋がります。
次に、これは左記に挙げたアピールとセットで行う手法かもしれませんが、合理的な理屈で値引きをお願いするという事です。例えば、自分は2LDKを希望していたが、既に2LDKタイプの部屋は完売していた。その代わりに、広めの1LDKがまだ残っており、その部屋に変更する費用の〇万円を値引きできないかという交渉です。この様な理屈の通ったお願いベースの交渉であれば、本来値引き販売を検討してないような売主に対しても、引渡しが間近であるとか完売間近であるといった諸条件・タイミングが合わさることにより実現可能になると考えます。
また、登録多数の人気物件においても場合によってはチャンスがあります。私は過去にマンションの抽選に応募して外れたことがありましたが、そのうちの1回は落選直後営業担当から落選した部屋のタイプと同タイプの1フロア上の物件に同価格で特別に案内できる旨案内がありました。実際に安くなったわけではありませんが、これも実質的に値引きと同様でしょう。この様に抽選に通らなかった購入希望者をはめ込む際にも値引きのカードを切ることがあります。マンションの抽選はコンプライアンス的にいわくつきといわれますが、この件については、みなオジの経験談を元にまた別の機会にお伝えできればと思います。
特別な事例(みなオジのケース)
最後に、みなオジが実際に値引きを受けたケースをお伝えします。立地や住居の仕様なども気に入り、更に値引きも通してもらったこともあり、とある新築マンションを購入することに決め、契約を行いました。その後売主の
最後に
いかがだったでしょうか?今挙げた例は買主の属性といった個別事情や市場の状況(売主側の販売姿勢(強気・弱気)に影響)等にも左右されますし、また売主も販売代理等を使っている場合は、営業担当者(たとえ所長クラスであっても)にそもそも値引きの決裁権がない場合がありますので、絶対いけると思っても値引きが通らないことがあります。一方で、売主側から値引きの提示があっても、それは会社の値引き枠の一部を使っている(様子伺い)にすぎない場合もありますので、そこから粘り強く交渉することで、値引き枠の限界まで値引きを引き出すことができるかもしれません。ただその結果によっては、お互いに気まずい思いもするかもしれませんので、押し引きの見極めは慎重に行ってくださいね。
そもそも、売主側からの値引きの提示があったという事は、設定価格がそもそも市場の価格と乖離していたという事になりますので、値引きの申し出を受けて、やった、とするのではなく、値引きによって市場価格より割安感が出たのかに注目するのが重要といえます。
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