お金・仕事

初任給っていくらだった?

投稿日:2021年10月10日 更新日:

今年も国税庁から皆さんお楽しみの(?)日本の給与所得者平均給与額が発表されました。「令和2年分民間給与実態統計調査結果について」の資料を下に抜粋しましたが、今年は433万円との結果です。直近3年間は441万円(H30)→436万円(R1)→433万円(R2)と推移しており、平成24年から順調に(というか危なっかしい感じで)上昇を続けてきた平均年収ですが、昨年に続き2年連続の下落です。

昨年との差はマイナス3万円と、コロナ禍を考慮すれば一見善戦している様にも評価できますが、その間の国内企業の株価は上がっているので、それを考えると便乗というかコロナのどさくさに紛れて企業側が内部留保の為に給与(ボーナス)を下げたという様にも窺えます。あと、サラリーマン以外の(この統計に関与しない飲食店などの)個人事業主は相当に収入を落としているはずなので、この平均給与額のデータだけでは日本の景気がどうなのかというのは判断が難しいです。

引用元:国税庁企画課作成 
令和2年分民間給与実態統計調査結果について(令和3年9月)

ちなみに同時期に民間の人材紹介会社が発表する同様の調査では令和1年で409万円となっています。両者の統計の乖離は単純にサンプルの違いですね。民間の調査結果は転職サイトに登録した20歳~65歳までの正社員約40万人のデータを基にしている様なので、「転職活動をしている」=現状の給与に不満がある人達の母数、というのが25万円という差になって出たのかもしれません。

格差は縮小?

平均年収の陰に隠れて見落としがちですが、正規・非正規労働者間の給与差が縮まったというのは注目すべき点といえるのではないでしょうか。やはり「同一労働同一賃金」の法制度が適用された事と、関連訴訟の判例が出てきたことから、雇用側も派遣社員に対してあからさまな給与差別が出来なくなったことが縮小の要因であると言えます。

関連過去ブログ:同一労働同一賃金は定着するかは→コチラ

もちろん格差の縮小自体は喜ばしい事ですが、だからといってこれからは派遣社員が美味しい働き方になるかといえばそうはならないでしょう。なぜなら、企業側はこの法改正が契機となり、(これまで安い労働力だからといって安易に採用していた)派遣社員にも高いスキル水準を求める様になり、正社員に近づけた給与に見合わない派遣社員は契約更新しない等、負の影響もあったのではないかと思います。働きたいときに短期間働くというスタイル、例えば仕事以外にやるべきこと(ex.家事、資格取得、趣味)があるという人や(稼ぎは二の次で)プレッシャーを感じずに気楽に働きたいという人にとっては、この制度改革は一長一短と思います。

いずれにせよ、320万円(令和2年度)という給与差が来年どのくらい埋まるか興味のある所です。(まあ、冷静に考えれば、正社員と派遣社員の給与差が300万以上も開いているのもどうかという話ですけど。)

引用元:国税庁企画課作成 
令和2年分民間給与実態統計調査結果について(令和3年9月)

バブル期を含む平成以前の給与水準は?

平成4年までは年100万円以上平均給与が上がってたんですね…

平均給与の推移を見ている時に、ふと「自分の新卒時の給与(年収)ってどのくらいだったっけ?」と気になりました。データ自体はネットで検索すると上記の通りの表が出てきます。みなオジの新卒入社年の平均給与額は令和2年度のそれよりも高いです。

新入社員の頃の給与事情

以前のブログでも記載した通り、みなオジは新卒入社3年目で一度会社をお払い箱になって以来、非正規社員等の裏路地キャリアを歩いていたので、当時は自分の収入(現実)を直視していませんでした。当時の給与明細は既になくしてしまいましたが、初任給は20万5,000円というのは今でも覚えています。それに残業代(20時間以降はカット)と諸手当が乗って、ボーナスが年2回で初年度は400万円弱で退職時は450万円位だったのは記憶しています。

ちなみに今の新入社員の初任給の平均額は、大学卒 ・事務系:218,472円 ・技術系:217,864円(日本経済団体連合会と東京経営者協会が共同で調査した2020年3月卒「新規学卒者決定初任給調査結果」の概要より)となっています。みなオジの新卒時と比較してみると、「初任給は今の新卒の方が約1万円高く、平均給与はみなオジの時代の方が高かった」という事になり、昔に比べて入社からの昇給スピードが恐ろしいほど遅いという事が見えてきます。

実質的給与水準で見ると…

引用元:厚生労働省『2019年 国民生活基礎調査の概況』
所得金額階級別世帯数の相対度数分布

令和1年の平均年収は436万円ですが、当時の物価差や税金・社会保険料の負担増を考えれば相当下がっていると言わざるを得ないですね。

当時みなオジはタバコを吸っていましたので記憶に鮮明に残っていますが、新卒時はひと箱300円切っていたタバコは増税値上げを繰り返し、今では600円(例:セブンスターは2021年10月から値上げ。改定前560円)と2倍以上です。たばこは嗜好品であり政策的な影響も強く受けているので、物価の比較としてはあまりふさわしくないですが、分かりやすい例として挙げました。

みなオジは幸運にも値上がりが顕著になる前に禁煙できました。しかし、この値上がりでは遅かれ早かれそうせざるを得なかったでしょうね。

その他牛丼(BSE問題や各社の価格競争で280~350円を行ったり来たり。2021年9月から松屋は並盛380円に実質値上げ。)、カレー(ココイチを例に挙げると、2015年に463円だったポークカレーが翌年には484円→505円→514円(2021年現在)と価格改定。トッピングも並行して値上げなので客単価100~300円程度上がった。)などの飲食店の価格と比較すると実質的な給与はかなり下がっているというのが実感できると思います。

松屋「牛めし」60円値上げ、関東ローカル“プレミアム牛めし”が生まれ変わって全国統一価格に

牛丼チェーン「松屋」を展開する松屋フーズは9月28日14時から、「牛めし」の全国統一価格を導入する。松屋フーズによると、これまで主に関東地方の店舗で限定メニューとして提供してきた「プレミアム牛めし」が新しく生まれ変わり、全国統一メニューの「牛めし」となる。それに伴い、「おろしポン酢牛めし」「ねぎたっぷり旨辛ネギたま牛めし」「創業ビーフカレギュウ」などの牛めし関連メニューを、全国統一価格に変更する。

引用元:Yahooニュース9/26(日) 8:40配信
ポークカレーはトッピングするのが前提です。(個人的にはチーズインハンバーグがおススメ)

さいごに

今思うと、給与明細や当時の通帳くらいはきちんと取っておけばよかったなと感じます。何しろ若い頃はお金があまりにも貯まらなかったこともあり、預金通帳を見るとむなしくなるので、引越しの時に古い通帳は捨ててしまっていました。

代替手段として日本年金機構が送ってくる年金記録を見れば昔の給与は分かるのですが、以前はボーナス時には厚生年金引かれなかった(平成15年4月の「総報酬制」の導入からサラリーマンのボーナス支給額にも年金控除される様になりました)ので、当時の賞与額がどれくらいだったかは定かではないんですよね(ちなみに、もらっていた記憶はある)。

ちなみに、預金通帳を無くしてしまったもしくは処分してしまったという場合でも金融機関に過去の口座の入出金履歴を照会して、有料になりますが発行してもらう事も可能ですので、当時の給与額を思い返したいという人がいれば取り寄せるのも(当時の記憶も蘇って)面白いかと思います。

当時はクルマも所有しており駐車場や税金などの維持費も払っていた事を考えると、(リストラをしていた)潰れかけの会社にも関わらずそれなりにもらっていたのかな?というのが今になって改めて感じた感想です。(在職中にお金は貯まりませんでしたが、おかげさまで上乗せ退職金でドカンと溜まりました。)

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港区オジさん(みなオジ)です。
長い極貧オジさん生活を経て、いつの間にか小金持ちのアーリーリタイアオジさんにクラスチェンジしました!
投資家と司法書士の肩書を有する一方、妻の尻に敷かれるちょい駄目オジさんの異名も持つ。