港区おじさんのつぶやき

お金に関する知識(マネーインテリジェンス)

投稿日:2020年9月29日 更新日:

お金って何だ?

 お金って何なんでしょうね?働いても働いても貯まらないお金、お金(借金)のせいで人生棒に振る人、お金が無くて夢をあきらめた人、逆にお金を持って人が変わってしまった人も…そのせいか日本人はお金についてあまり良くないイメージを持っている人が多いような気がします。

そういう理由かわかりませんが、教育現場ではお金について学ぶ機会が少ないような気がします。義務教育でも道徳や倫理はちゃんと習うのにね。子供にゃお金の話は早いという事か?

かくいう私も正直20代前半までは、(貧乏だったクセに)お金について本当に無頓着でした。給料の年末調整の意味や給与控除の内訳、所得税・住民税の税率等も知らなかった。年金は働き始めてから払うものだと思っていました(その為、大学時代に年金支払いの手続きなんかしていなかったし、学生納付特例制度なんて全く知らなかった)。

国民年金保険料の学生納付特例制度

日本国内に住むすべての人は、20歳になった時から国民年金の被保険者となり、保険料の納付が義務づけられていますが、学生については、申請により在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」が設けられています。本人の所得が一定以下(注1)の学生(注2)が対象となります。なお、家族の方の所得の多寡は問いません。

引用元:国民年金機構HPより

貧すれば鈍する

「自分はお金に固執しない無欲な人間です。」と、若い頃の自分は思っていたのだろうか?いや違う、その頃の自分は仕事に追われ、時間と金銭的にゆとりがなかったから、お金の流れや税金の仕組みまで頭が回っていなかっただけだったんです。そもそも、月に稼ぐ給料(当時、手取り20~25万円)では、天引きされる税金・社会保険料も少なく、節税という観念もなかった訳で、当然投資に回す資金もないのでお金に無頓着になるのも当然である。決して清貧を好むような出来た人間ではなかったはずです。

「貧すれば鈍する」とはよく言ったもので、社会人の初めの頃の貧乏時代は、今では絶対やらないであろう行動に及ぶことも多かったです。

カードのリボ払い

そのひとつとして挙げられるのは「カードのリボ払い」です。リボ払いは、簡単に言えばカードの支払額を月額で均して、稼ぎに合わせて計画的に利用できますよというサービスです。ただし、実態はただの借金(しかも年利換算15%も)です。当時の自分は利息が15%というのは知っていても、それがいかに高い利率であるかというのは、理解できていなかった様に思います。

むしろ、各社が展開する「リボ払いキャンペーン」、つまりリボ払いを選択するともらえる目先のキャッシュ還元、ポイントサービスにまんまと目がくらんで利用をしてしまってました。リボ払いはカードの支払方法の一つでですが、実質はカードローンであり、消費者金融(サラ金)と同じくらいの利息を払っていくことになるので、キャンペーンでもたらされる恩恵など一瞬で吹き飛ばされる訳です。

人間不思議なもので、サラ金の借金はダメだと思っていても、買い物代金を「リボ」とかいうよく分からないワードを出されると、罪悪感が無くなるんですよね。

「最大〇万円キャッシュバックキャンペーン中」といっても、結局自分が払っている利息を一部戻してもらっているだけで、まあご察しということですよ。リボ自体は百歩譲って計画的なキャッシュフローを実現する手段ですが、その破滅的な利率と、なにより利用者本人の信用力を損なっている(実態は借金なので)という事実が、そのメリットを帳消しにするという事を自覚して使ってほしいと思います。

電話代、携帯代

あと、お金が貯まらない原因を思い返すと出てくるのが、携帯代を含む電話代金ですね。当時のみなオジは親が所有していた電話権、お金が貯まらない原因を思い返すと出てくるのが、携帯代を含む電話代金ですね。

みなオジは、大学進学で一人暮らしを開始する際に親が所有していた「電話加入権」を1回線借りていて、NTTと固定電話契約をしていました。当時は、携帯電話も使っていましたが、携帯電話のかけ放題プランがそれ程なかった時代だった為、多少は固定電話を使う機会もありませんでしたが、次第に固定電話は置物状態になっていました。

懐かしの電話加入権の話

黒電話

(みなオジもそこまで古い人間ではないので、詳しくありませんが)「電話加入権」を知らない人もいると思うので簡単に説明すると、電話加入権はNTTに支払うアナログ回線のインフラ整備費用負担の名目で電話線を引く際に加入しなければならない権利ででした。以前は「電話設備費負担金、施設設置負担金」等と呼ばれていましたが、その加入料は高い時で80,000円(2005年に現在の価格36,000円に)くらいして、権利の譲渡等も可能でしたが、デジタル回線、光回線の普及でほぼ無価値状態になりました。(今の光電話サービスの場合は、初期費用などは掛からないはず。というか、Wi-Fi環境下ならライトユーザーは携帯の無料通話アプリでいいだろと。)

アナログ回線も災害時に繋がるなどのメリットもあるのですが、まあ、費用面からみても、アナログ固定電話の基本料金は1450円~に対し、ひかり電話の場合は550円~利用できるらしいので、今のご時世で敢えてアナログ回線を引く人は少ないでしょうね。

チリも積もれば資産になる

ええーと、懐かしすぎて結構横道に逸れましたが、このように彼女がいた時はひたすら電話をして電話代を食い(←失礼。これは、「浪費」かも知れませんが、結婚に繋がれば「必要経費」となりますね。少なくとも「無駄な支出」と呼ぶには適切ではないですね。)、固定電話が必要なくなってからは、要らない基本料を無駄に垂れ流していました。

確かに月に換算すれば大した額ではないですが、他にも同じような無駄(ATMの時間外手数料とか、テレビ欄しか読んでいなかった新聞代、休日しか使わなかったクルマの維持費(駐車代など))を無意識に行っていたと思われ、それらの無駄に気が付いて契約を解除するまでに支払った総額を何かの投資に回していれば、複利効果でそれなりの資産になっていたかもしれません。

若い頃の習慣が、30年後に大きく響く

この手の節約話は80歳過ぎのお爺ちゃんには言いません。今更ですし、老後くらいは自由にそして自分の為にお金を使って欲しいからです。裏を返せば、彼らのその後の人生にそれほどの影響はないという事です。むしろ、アレしろコレしろと言って、これまでの生活習慣を変えさせて、ストレスを与えてしまう方が悪影響を及ぼしかねません。

一般的にお金に余裕がない20代の人にことさら節約を強いるのは厳しいというのは理解していますが、節約は若い時に習慣づけておかないとあまり効果はないので、敢えて書いておきます。若いからこそできる事(スポーツ、恋愛)や様々な誘惑があるかと想います。ただ、若い頃にやりたいことを我慢して確保したお金は、資産運用に回したとしても、自己啓発に投じたとしても、見返りが大きいというのも事実です。

具体例ですが、みなオジは30代に司法書士資格を取得しましたが、もし学生時代に一念発起して、卒業と同時に資格取得出来たら、そこからその資格を活用する道筋が出来るわけで、(今では下火になったので参入はできませんが)過払い事件や当時それ程ニーズの無かった後見事件を手掛ける事で若くしてパイオニア的存在になったり、リーガルテックなどにもいち早く携わることで、更なる事業展望を見出していたかもしれません。つまり、踏み切るスタートが早ければ早いほどこの世の中は有利にできているという事なのです。

同様に、月に〇万円を貯蓄できる生活習慣をより早く始めれば、良い条件(利率)で資産運用が出来ますし、ある程度の資産を持っている事が投資に有利になる(場合によっては投資案件のエントリー条件となる)事もある訳です。一方、若い時期にがむしゃらに溜めて、そのお金がを使えるのは60歳過ぎなら意味がないという人もいるかもしれませんが、更に運用スピードを上げる事により40代でそのお金が活用できるとしたら、その強みは更に増すことでしょう。

口で言うのは簡単で、かくいうみなオジも、アラフィフになったこともあり、ある程度の物欲を制御できるようになっただけで、20代の頃はいかに遊びつくしてやろうかという事しか頭にありませんでした。そんなぎらついた20代の刹那的な生活の後にお金など残る訳がありません。

だからこそ「浪費」(「浪費」が人生にある程度必要なものであるというのは、後段で説明します。)に回すお金を少しでも確保するために、「浪費」から「無駄」を切り出して、こちらは全て排除して投資分として転用しましょう、という考えに至った訳です。

節約の際の注意事項

前述の通り、節約は大切、無駄は排除すべしと繰り返し述べましたが、このように書くと真面目な人はいくつか誤解をしながら節約を実行をしてしまいます。ここでは、節約の際に気を付ける事と、無駄と似て非なるものについて実例を挙げて記載していきましょう。

投資と無駄と浪費の違い

若い内のお金は出来るだけ投資に回すべきというのがみなオジの理論ですが、投資だけでは人生を謳歌する事は出来ませんし、必要なこと以外しかしてはいけないというのは、あまりにもつまらないでしょう。また、無駄がない人間というのも他人から見て味気なく、魅力に欠けるものです。浪費が新たな発見をもたらし、人間の深みを形成するというのもあながち間違いではないと思います。

「浪費」と「投資」と「無駄」は紙一重の部分もあります。例えば、短期留学をした人がいたとして、その人が新たな学びや成長を遂げ、かつそれにより年収アップや、転職に成功したのであれば(この、成果(投資の回収)が重要)、そこに投じたお金は「投資」になりますが、漫然と過ごして観光旅行の延長になってしまった場合は「浪費」となり、学びの機会を得ず、むしろ悪い事を覚えて犯罪などのトラブルに巻き込まれたといった場合は、「無駄」な出費となります。

若い頃はよく合コンに行きましたが、成果が出れば「投資」で、成果が出なければ「浪費」(たぶん「無駄」ではない)だったと思いますが、そんなことを頭に浮かべて参加していたらつまらなかったででしょうね。基本的にいくばくかの「浪費」は、己の成長や経験づくりの為に必要だと考えています。また、「節約」も度が過ぎると「ただのケチ」になってしまうので、使う必要のある所では惜しまずに使う必要があるという事は言っておきましょう。

節約のためにコストを使うべからず

もう一つ大切なのが、節約を主目的にしてはいけないという事です。

節約というのは、始めてみると案外快感を伴うもので、ポイントカードのポイントが効率よく貯まったり、安い買い物が出来ると段々楽しくなってきます。そして、節約をすることが主になり、その節約のためにそれ以上のコスト(時間・費用)を掛けてしまう事が起こり得ます。例えば、Aスーパーでは魚が安く、Bスーパーでは肉が安い場合に、A、Bスーパーを30分かけてはしごする人が出てきます。確かに500円くらい得したかも知れませんが、それ以上の時間を失っています。皆さんも、ポイントカード5倍デーとかに、ポイントを貯めるために必要ない品物を購入したり、普段使わないカードで財布をパンパンにして財布が壊れた等の経験はありませんか?

マネーインテリジェンス(MI)とは?

声を高らかに提唱するわけではないですが、日本人は過酷な受験勉強を潜り抜けた割には、このようなお金にまつわる知識というのは乏しいと感じます。もちろん偏差値の高い人間が社会に出ると総じて高給取りになる確率は高いのですが、にもかかわらずお金が貯まらない人が意外と多い傾向にあります。むしろ、人よりも稼いでいるのにお金がない人はある意味MIが欠落している人といえます。

中学校くらいから国語・数学・英語・ITに「お金」という授業を週1回でいいから入れて欲しいと願います。株式投資とか税金の計算方法、確定申告の仕組みなど…これを義務教育でやっておくだけで、自己破産件数や詐欺事件被害件数は相当変わってくると思うんですが、いかがでしょうかね。

ちなみに自己破産件数で特徴的な傾向があるのですが、九州・沖縄で発生する自己破産件数が、少ない地域(北陸・甲信越)に比べ3倍多いという事実(破産率の西高東低)。お金に関する知識、お金の使い方は県民性・地域性があるのでしょうか?

安易に退職すること無かれ(自戒)

先程一般的な学力とMIは相関関係にあるが、一部そうでもない人がいるという話をしましたが、かくいう私もその一人です。私は若い頃に会社を辞め無職(一応、ニートではない)だった時代があります。退職後の一つ目の罠としては、健康保険問題です。要するにサラリーマン時代は会社が半額負担していた健保が全額自己負担となり、収入のない中払わなくてはいけなくなったという事です。

次に、住民税の1年後の時間差攻撃、厚生年金から国保移管に伴う負担増…無職を経験した人がほぼ全てこれらの洗礼を受けたのではないでしょうか。当時の私も、今の貯蓄額から、どれだけ無職期間を耐えられるかのシミュレーションをしましたが、これらの想定外の出費を知らず口座残高がゼロになるタイミングが相当前倒しになった記憶が鮮明に残っています。シミュレーションの前提が最初から間違っていたわけです・・・アホだなー、俺。というか、サラリーマンのありがたみは、サラリーマンを辞めた人しかわからないです。

まとめ

 このように、お金に関する知識がないと私の様に本当に後手後手に回ることになりますので、注意してくださいね。そういう意味で、義務教育などの公教育に期待できない以上、若いうちからFP(ファイナンシャルプランナー)などの勉強をするのは意味があると感じます。FPは金融業界、不動産業界にいないなら不要の資格と考えている人も多いですが、個人的には一番先にとっておくべき資格ではないかと考えています。

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みなオジアバター

港区オジさん(みなオジ)です。
長い極貧オジさん生活を経て、いつの間にか小金持ちのアーリーリタイアオジさんにクラスチェンジしました!
投資家と司法書士の肩書を有する一方、妻の尻に敷かれるちょい駄目オジさんの異名も持つ。