不動産 港区おじさんのつぶやき

だからタワーマンションは世間から叩かれる!?

投稿日:2020年11月30日 更新日:

高層マンション群

皆さんが思うタワーマンション(以下、タワマン)はどんなイメージでしょうか?よく、戸建てorマンションどっちが良いか?という議論があり、良くお互いに相手の欠点を攻撃している不動産掲示板もあるようですが、なぜかタワマンは他のマンションからも叩かれる存在ではないかと感じます。なぜなら、みなオジ自身もタワマンに住む前は(住んだことも無いのに)タワマンに対しあまり良いイメージを持っていませんでした。また、エンドユーザーからの攻撃だけならまだしも、災害報道でタワマンが被害にあうと、コメント欄がタワマンに対する誹謗中傷で埋め尽くされるなど、税務当局からの節税封じ等あからさまに狙い打ちされている状況を見るにつけ、ここは所有者としての贔屓目かもしれませんが、タワマンを弁護しなければ、という根拠ない義務感に駆られ、タワマンがなぜ叩かれるのかを分析し、それらに反論または弁護していきたいと思います。

タワマンが嫌われる理由① 何となく嫌い

これは、みなオジも自分がタワマンに住む前に感じていた事ですが、根拠らしい根拠はありません。こんなところに住むことができて羨ましいな、と感じる反面「煙とナントカは高いところが好き」っていうよなー、等と軽口を叩いていました。

節税やマネーゲームに使われる

純粋に「住むために必要なもの」つまり、消費財としてタワマンを購入していれば、それほどの反発を受けないのでしょうが、都心のシンボルタワマンは投資目的で購入されやすい傾向がありますし、海外の投資家からも注目され、これまで新築はもちろんそれに引っ張られる形で中古物件でも、都心部では相対的に高値取引されてきました。また、資産家が相続税対策※のために2軒目、3軒目と購入することもあり、不動産は一生に一度の買い物と考えている人々にとって、タワマンオーナーは金の亡者に見えるのかもしれません。

※タワマン節税…マンションなどの不動産が節税に効果があるのは、不動産特有の価格評価方法があるため。具体的には、土地は路線価(取引価格の8割程度)建物は実際にかかった建築費の4~6割まで圧縮される。タワーマンションは敷地の上に専有部分が高層に積み上がるといった構造上の特性から、土地部分にかかる評価額を大きく下げる(1区分所有者当たりの敷地権割合が低下する)効果がある。
※タワマン節税封じ…2017年度税制改正前は、マンションの1階も30階も、固定資産税や評価額自体は変わらなかったことを逆手に取って、資産家は節税対策として取引価格が高くなる高層階をこぞって購入していました。(税制改正後は1階上がる毎に約0.26%固定資産税が増税する事に。いずれは相続税算定時の不動産評価額自体が上がるかもしれません)

妬み、ひがみ

会社経営者とか芸能人といった成功者の証明=タワマンというイメージなのですが、成功者のシンボルであればタワマンだけでなく、広い庭付き戸建の豪邸なども同様に叩かれるような気がしますが、タワマン程叩かれていないような気がします。この理由は二つあるような気がして、一つは物理的に高いところから見下ろされているのではないかという嫌悪感を覚え、不快に感じるという事。もう一つは、集合住宅であることから住んでいる人が不特定になるので、なんとなく攻撃しやすいという心理的な要因が大きいのではと推測します。

エレベーター渋滞で敷地から出るのに10分以上かかる?

経験談から言うと少なくとも、みなオジのタワマンではこのようなエレベータ渋滞はありません。なぜなら、タワマンに関わらずマンションには住戸当たりのエレベータの設置数の目安(一般的なもので1台につき75~100戸)があり、一定のグレードのマンションであれば、その基準内でエレベータが稼働する様に設計されているので、朝の通勤時にエレベータ前で長い時間待たされる、もしくは満員で乗れないという事はありません。また、タワマンの様に高層の建造物であれば、低層・中層・高層別にエレベーターが設置されているので長い階数を各階停止することはありませんし、エレベータの速度も速いことから、ストレスは全く感じません。むしろ一般的な板状マンションなどは、自宅の玄関からエレベーター前まで80mくらい歩かなくてはいけないケースもあり、そちらのストレスの方が大きいのではないかと思います。

タワマンカーストに巻き込まれる?

これについてはみなオジブログの過去トピックで触れているので、気になる方は一度読んでみてください。

過去トピックはこちら→マンションカーストは都市伝説か?~格差社会を考える 実際にタワマン住人になって格差を感じることはあるか?

タワマンが嫌われる理由② 金食い虫

「タワマン=贅沢品」というイメージが大きいのではないかと思います。特に、都心のタワマンは立地に比例するように豪華な共用施設(吹き抜け豪華エントランス、ジャグジー・プール、シアタールーム、ゲストスイートルーム、バレーパーキングサービス)があることから金のムダ遣いの代表格の様に言われます。

管理費が高い、ムダ遣い?

これについては、一方では正しくもう一方では誤った考えの様に思います。まず、利便性の追求のために高付加サービスに対して対価を払う事は当然のことです。余力のある人にとってはタワマンで提供されるサービスは贅沢品ではなく、生活必需品であって、無駄遣いとするのは言われのないそしりだと思います。これを否定するという事は、「質素こそ美徳」という固定観念を人に押し付けるようなものでしょう。また視点を変えれば、㎡単価当たりの管理費の価格は大規模マンションの場合スケールメリットが働くので一世帯当たりの負担額はそれ程かからないと思われます。(むしろ、小規模マンションの場合などは、管理方法が「巡回」といった様にコストカットを行っているにもかかわらず割高になり、結果として高い管理費となります。)

大規模修繕費が不足する恐れ

よく、1回目の大規模修繕の予算が足りないとか、業者から工事見積りを断られた等のニュースで危機感をあおるような記事が散見されます。みなオジは基本的にマンションは不動産を長期保有前提で所有することは考えていませんが、それでも購入の際には物件の修繕計画は必ず確認します。確かにタワマンの大規模修繕では足場を組むなどの準備作業だけでも結構なお金がかかるのですが、見積りが断られたというのは、管理組合は見積り依頼をいわゆる(元施工でもない)スーパーゼネコンにいきなり持って行ったからではないかと思っています。スーパーゼネコンは基本的に大規模建築物や巨大インフラの建造しか行いませんし、業界全体が人手不足の現在、クリエーティブな要素も無く、話題にもならならず、売上・利益率の低いマンションの修繕など行いません。何より、スーゼネは仕事は丁寧かもしれませんが高いです。この様に、そもそもの見積依頼先が誤っているのです。みなオジ自身もマンション管理士の資格を持っており、どのあたりの修繕に金がかかるか、優先順位的に後回しにできる工事はどこかはそれなりに把握しているつもりですが、修繕費が足りないと言っているマンションほどまだ不必要な箇所も(当初の修繕計画に予定されているというからという理由)で機械的に行っているケースがあります。私が過去住んでいたマンションでは、一級建築士とゼネコンの積算担当者がいたことがありましたが、大規模のタワマンであれば役員にそのようなスキルを持つ方が多く、結果として非常に効率的な修繕工事が実施されることでしょう。

また仮にみなオジの意見が見当違いで、修繕計画に加えて追加修繕が生じてしまった場合であっても、その場合に各住戸で負担することになる一時金(数十万~数百万円)の負担は、資産家が多く所有するタワマンであれば、滞納する住戸もほとんどなく、修繕工事が実施できないという不幸には見舞われないでしょう。むしろ、所得の低い層が所有するマンションでは、大規模修繕で一時金が生じる可能性がある場合、住民間の意見の相違で分断が生じ一時金の支払い拒否などでスラム化に向かうケースもあるのではないかと懸念しています。

タワマンが嫌われる理由③ 災害に弱い

日本は世界で有数の地震国で加えて台風の通り道となることから、住居についても様々な工夫を凝らし、それら災害に対抗しようとしています。しかしながら、神ではない人間の力では、自然の猛威を完全に封じる術はありません。近年でも毎年風水害でマンションに被害が出ていますが、不思議とタワーマンションの起こったトラブルについては、注目記事として世間にリリースされる傾向があります。

停電に弱い(エレベーターが停止する、断水)

マンショントラブルとして大きな話題となる一番の理由は、高層に伸びる構造上の特徴を有するタワーマンションは、停電などの理由でエレベーターが止まる事により、その強みだった高さが災いし、一転して完全に機能停止に陥ってしまうからでしょう。普段からタワマンを人間が無理やり作り出した自然ならざる建造物だと思っている人にとっては「そら見た事か」といった気持になるのでしょう。ただし、これについてもタワマンだから一律にマイナスという事にはならないと、みなオジは考えています。なぜなら、タワマンに限らず、一部の高級グレードのマンションには、停電時の予備電源を備えた設備(例えば、コージェネレーションシステム等)があり、数日間であれば停電に対応できるマンションがありますので、これはタワマン固有の脆弱性というよりはむしろ、マンション個別の問題であるといえるのではないでしょうか?

≪コージェネレーションシステム≫通常時(左)と停電時(右)引用元:大阪ガスHP

地震で倒壊する?

建物である以上、耐震性は全ての建物に関わる問題です。何もタワマンにだけ該当する内容ではありません。むしろ、タワマンは免震構造、制震構造の建物がほとんどで、大きな地震があった時の躯体へのダメージは戸建(木造)や揺れをまともに受け止める耐震の建造物の方が大きいと言えます。もちろん建築コストは高くつきますが、建物の損傷を防ぎ、家財の転倒や命を守るという意味では、コストを掛ける価値があるものと考えます。また、地震の際の被害の恐ろしさは実は倒壊よりも、木密地域(戸建等の木造建築物が密集するエリア)における火災にあります。都内では、荒川区や足立区などは火災の際に消防車が入ることができないような細い道が多く、防災性向上のために東京都では「木密地域不燃化10年プロジェクト」立ち上げて、建替え事業や老朽化住宅の解体費の補助行い推進しています。

最後に

いかがだったでしょうか?主観・客観に基づく批判がそれぞれあったと思いますが、一部を切り取った意見が多いというのがみなオジの感覚です。自分が住んでるという事もありますが、快適かどうかでいえば間違いなく快適です。特に時間をお金で買うという価値観に同意できる方ならタワマン以上のパフォーマンスは理解いただけるのではないかと思います。戸建には、戸建の良さがありますけどね。高層階に住むことによる育児への影響や健康問題等の報道もありますが、これらはまだ科学的根拠に乏しいところもあります。食わず嫌いな方も、試しに賃貸で一度住んでみると良いかもしれません。タワマンに関しては、はっきり言ってマイナスイメージが先行していたみなオジ(妻も同様の意見でした)ですら、もはや次の住宅はタワマン以外には考えられないと心酔している状態です。

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みなオジアバター

港区オジさん(みなオジ)です。
長い極貧オジさん生活を経て、いつの間にか小金持ちのアーリーリタイアオジさんにクラスチェンジしました!
投資家と司法書士の肩書を有する一方、妻の尻に敷かれるちょい駄目オジさんの異名も持つ。