司法書士 法律

全国青年司法書士協議会とは

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司法書士には、関連組織が多くあります。有名なモノは司法書士法で定められた監督機関たる日本司法書士会連合会、各地域ごとの司法書士会があります。司法書士は必ず地域会である司法書士会に入会しなければ活動が出来ません。また、所属する書士会では毎年研修やブロックごとの活動があり、司法書士の地位向上や国民の利益に資する活動(啓発、法律無料相談など)を行っているのです。

今回は司法書士の関連組織として「全国青年司法書士協議会」について取り上げていきたいと思います。

全国青年司法書士協議会の概要

実は私も詳細は分かっておらず、事前にHPで下調べをしておきました。

組織概要は以下の通りです。創立50年を超える歴史のある組織ですね。全国の司法書士会に所属する司法書士が22,718人(2021年4月1日現在)なので、ざっくり10人に1人が加入しているという事になります。

創立年月日:1970(昭和45)年2月1日
目的:全青司は、法律家職能としての使命を自覚する青年司法書士の緊密な連携を図り、市民の権利擁護および法制度の発展に努め、 もって社会正義の実現に寄与することを目的とする。(会則第2条)
会員数:2464人(2021年1月1日現在)
全国青年司法書士協議会の組織概要

令和3年2月に行われた全青司定時総会にて決定した令和3年度の活動テーマは「唯一無二~使命を胸に、市民と共に生きる司法書士~」です。
コロナウイルス感染症により、今まで顕在化していなかった社会問題が目に見える形で噴出し、経済的困窮者やワーキングプアなど、社会的に弱い立場に置かれていた方々の生活を更に過酷な状況としています。
司法書士は法的視点と福祉的視点を併せ持ち、市民生活に「点」ではなく、「線」で関わる唯一無二の専門家であり、コロナ禍においても、法的サービスの拡充を図り、社会問題の改善に向け行動して参ります。(以下、略)

引用元:全国青年司法書士協議会 会長挨拶より

活動内容をかいつまむと、市民から頼りにされる司法書士であるために、日々精進して研鑽する司法書士の有志組織という感じです。

ちなみに、「青年」とありますが、入会に年齢制限はなさそうです。(入会資格については、地域会の項目で記載)

委員会と活動内容

委員会は以下の10委員会となっています。入会すると、この中の1つもしくは複数で活動するのでしょうか。

①WEB研修運営委員会 ②企業支援推進委員会③月報発行委員会④ 憲法委員会
⑤司法・司法書士制度等研究対策委員会 ⑥常設電話相談運営委員会⑦人権擁護委員会
⑧生活再建支援推進委員会⑨大会研修会委員会 ⑩民法・不動産登記等研究委員会
委員会(同協議会HPより)

HP上の活動を見ると、私権を脅かす恐れのある立法案に対する廃案を求める声明を発したり、同性婚の実現に向けた法整備を求めています。

相続登記の義務化については反対の姿勢

ちなみに、司法書士界隈でちょっとしたトピックとなっている「相続登記の義務化」については本協議会的には反対の声明を発出しているようです。フーン、そういう考えもあるのね…と言うのが率直な意見です。

相続登記の義務化については個別にテーマを立てて解説しようかなと思っていますが、個人的にはこれまで任意とされていた相続登記が義務化されることで、基本的には歓迎すべきことかなと考えています。

「司法書士の仕事が増えるから賛成」というのは短絡的かも知れませんが、協議会が挙げている反対意見の多くは、ややこじ付けと言うか、首をかしげる様な理由(③「相続人の個人情報保護」の観点???それを言ったら、登記制度根本が成り立たなくなるのでは…)もありますが、国民への負担という観点ではもう少し法整備や手続きの簡素化など便宜を図れないものかと思います。少なくとも登記懈怠の過料とか厳しくないですかね?(たかだか5~10万円位らしいけど…)

そもそも、所有者不明土地の増加による弊害(例えば、空き家問題や震災復興への悪影響)が多い事から、相続登記の義務化が進められた訳で、本来制度的不備だった相続制度をあるべき姿に戻すものと考えれば、費用を含む国民負担を最小限に抑えるという前提は守りつつ、どんどん進めれば良いと思う訳です。

ちなみに日本司法書士会連合会の会長声明は、法制審議会に対する司法書士会の意見が概ね反映されたという立場の下、これまでの知見を活かし改正法にいち早く対応し、各種提言を通じて国民の権利擁護を進めていく旨の方針を述べています。(具体的な取り組みとしては、今般の法改正に先立って,2021年3月から全国50全ての司法書士会に「相続登記相談センター」を設置し,全国統一のフリーダイヤルを設けて,国民が気軽に相談できる体制を整えたという事です。

地域会はどんな感じ?

次に全国青年司法書士協議会の地域会の一つである「東京青年司法書士協議会」にも触れてみましょう。基本的には全国組織たる全国青年司法書士協議会の活動と同じ様に見受けられますが、よりローカル側が強いというか、草の根活動な感じをHPの雰囲気から受けました。

全国青年司法書士協議会の地域会の一つである東京青年司法書士協議会のホームページ

東京青年司法書士協議会のアウトラインを見てみましょう。(これもHPからの聞きかじりです)

東京青司協は、1969年(昭和44年)1月に発足し、1978年(昭和53年)の司法書士法改正、1980 年代の簡易裁判所統廃合反対運動などでは大きな役割を果たしてきました。
その後も、司法書士の研修制度の構築、登記代理論を初めとする司法書士論の構築、クレジット・サラ金問題への取り組みなど、理論・実践両面で、司法書士界をリードしてきました。
近年における少額訴訟事件手続、登記コンピュータ化、成年後見などといった問題についても、各種研究会や実践活動、関連団体への支援などを通して積極的に活動しています。
東京青年司法書士協議会HPより抜粋

全国青年司法書士協議会の設立が1970(昭和45)年2月なので、東京青年司法書士協議会の方が先に発足されているんですね。「大きな役割」と言うのがどの程度のモノか分かりませんが、司法書士の地位向上のために色々活動をしてきたのでしょう。

活動紹介

私たち東京青年司法書士協議会は、司法書士・司法書士試験合格者の有志からなる団体です。
市民のためにより良い法制度・司法書士制度の改善・進歩発展に努めるとともに自己研鑽のための研修や市民のための相談活動などを企画・開催しています。
私たちが身近な法律家として、市民の方々にとって安心して相談できる頼りがいのある存在であり続けるため、努力を続けています。

引用元:東京青年司法書士協議会HPより

特徴的なのは、通常の士業の関連組織は登録まで求めており、試験の合格者と言うだけでは入会できないものが多いのですが、当該組織は未登録者であっても広くメンバーとして受け入れているという点です。(登録必須の組織であるのが、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート全国公共嘱託登記司法書士協会協議会ですが、これらの組織は業務を会員に割り振る組織でもあるので、登録者であることが必須要件です。)また、「有志」ですのであくまで活動に賛同できる者だけ入会する組織であり、強制入会制ではありません。

ちなみに司法書士会と同じく入会手続きは東京青司会等の地域会に行い、承認されて地域会に登録後、全国組織たる「全国青年司法書士協議会」の名簿に登載されるものと思われます。

入会資格
1.正会員  ・・・ 司法書士の方   2.準会員  ・・・ 司法書士となる資格を有する方
3.賛助会員 ・・・ 45歳以上の司法書士会会員または司法書士となる資格を有する方
※正会員・準会員に年齢制限はありません。
会費
初年度 12,000円、2年目 18,000円、3年目以降 24,000円
入会資格などに地域差はあるのでしょうか??

分科会

HP上に記載されている部会は以下の様に多岐に渡ります。中には「裁判実務研究委員会」と言った硬派な部会から、会員同士の交流を深めましょう!と言う「企画委員会」まであります。おそらく、協議会内にも色々な司法書士先生がいて、それぞれが好きなようにこの組織を活用しているのではと想像されます。

・登記法務研究委員会・民事法改正対策委員会・裁判実務研究委員会
・プロボノ委員会・成年後見/財産管理委員会・性的指向及び性自認に関する委員会
・災害対策特別委員会・企画委員会・広報委員会・今さら聞けない勉強会・六青会・クレサラ実務研

個人的には、「今さら聞けない勉強会」に興味がありますかね。確かに合格年度から何年も経過すると、知ってて当然の事が増えてくるので、恥ずかしくて聞きにくいという事が良くあります。(みなオジの様に独立前に普通のサラリーマンだった場合は特に。)

ちなみに今回「全国青年司法書士協議会」を取り上げたのは、当該組織から研修会パンフレットの送付があったからでした。(下の写真参照)

最近は司法書士会の理事選挙のマニュフェストから何からDX関連が多いですね。コロナ禍のニューノーマルの影響で不動産決済業務もいずれは完全オンラインでできるのではないかと思います。司法書士もリーガルテックに取り残されないように、新たな技術を積極的に導入すべきでしょう。

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港区オジさん(みなオジ)です。
長い極貧オジさん生活を経て、いつの間にか小金持ちのアーリーリタイアオジさんにクラスチェンジしました!
投資家と司法書士の肩書を有する一方、妻の尻に敷かれるちょい駄目オジさんの異名も持つ。