お金・仕事

みなオジの退職遍歴(その3)

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そろそろ病みますよ…

退職遍歴その2のあらすじ

みなオジの汚い退職遍歴を紹介するというテーマでお送りしています。その2はこちら

20代で新卒入社した会社をリストラされたみなオジ、ここからリベンジかと思いきや、安定の超低空飛行が続きます(ここまでその2の導入と同じ(笑))。それでは、3社目以降をご覧ください。(上昇の兆しは見られるか?)

雇用形態勤務年数退職理由退職時年収(1年未満の場合は見込み)
1正社員3年リストラ450万円
2派遣社員(数社)3~6か月ルーティン地獄350万円
3正社員
←今回ここから
6か月超長時間拘束&残業代カット400万円弱※含む残業代(100時間/月)
4派遣社員4年リーマンショック派遣切り400万円
5正社員6か月ブラック&パワハラ350万円
6契約社員6年自己都合(転職が決まったので)600万円(管理職)
7正社員9年自己都合(独立&アーリーリタイヤ)900万円(管理職)

3社目の転職経緯

派遣の働き方って、突き詰めるとこういうことだと思うんですけど…

前職の派遣先が単純にハズレだったという事でしょう。今思えば、「派遣先に何を期待しているんだ?」という感じですが… やはり、個人的には派遣社員の働き方がややしっくりせず、「やりがい」にも多少はシフトしたいと思い(←わがまま)、正社員(契約社員も含め直接雇用される働き方)を目標に仕事を探すことにしました。

司法書士事務所の面接ってどんな感じ?

ちなみに少し横道に逸れますが、この間の転職活動中に、司法書士事務所で実務経験を得たいという気持ちが芽生えはじめて司法書士事務所に応募しました。既に何回か試験に失敗していたので、悪い流れを断ち切りたいという気持ちがあったのかもしれません。結果として司法書士事務所にはご縁はありませんでしたが、司法書士事務所を希望する際にはいろいろと気を付けるべき点がある事を学びました。司法書士事務所は例外なく忙しいところが多く、資格試験の受験生が勤務先として選ぶ場合は、時間的拘束に気を付けた方が良いかもしれません。簡単に言えば、忙しそうな事務所は避けるべきという事です。特に、司法書士の場合、3月は不動産の引渡しが多く、当然決済もその時期に集中します。7月1週目が司法書士試験日なので、直前期に深夜残業や休日出勤をしなければならないと、まさに寝る間もなく追い込まれることになります。試験に活かすために(他の会社よりも悪い条件で)事務所の門を叩いたにもかかわらず試験勉強ができないのでは、一体何のためにここで働いているの??というジレンマに陥ります。

みなオジは1回だけ事務所の面接を受けましたが、その時面接官だった所長に、「〇〇先生のところで補助者されているスタッフは、いままでどのくらいの人数合格されていますか?」と、キラキラした目で質問したところ、穏やかだった所長の目の色が変わったのをよく覚えています。面接後に「採用の結果は後日連絡します。」と言われましたが、その後何ら音沙汰が無かったのは言うまでもありません・・・(笑)。「パンドラの箱を開けた」というのは、こういう事を言うのでしょうかね…まあ、お察しということで。

3社目は「ハイド氏」生産系ブラック企業?

時がムダに流れた…が、間違いなくこのムダな時も今のみなオジを形成しているはず!

そんなこんなで色々な会社の採用試験と面接を重ね、3社目は無事「正社員」として採用されました。社員30人くらいの会社の総務+法務の事務職です。新卒以来の正社員採用に身が引き締まるも、結論から言うとここも半年という短期間で退職しました。(汗)

主な理由は長時間残業です。当時、朝は自主的に(←ここ重要)定時開始前の7時台から出社して、終業はほぼ終電でした。当時、オジは生活費削減のため東京から離れており(いわゆる都落ち)、通勤時間に往復3時間以上掛かってました(しかも、超満員電車で立ちっぱなし)ので、平日は睡眠時間を確保するのも困難でした。

また、繁忙期は週休一日制で、ひどい時は日曜出社もありました。体力が唯一の自慢だったみなオジですが、徐々に自我が崩壊していくのを感じました。(残業代も何故か3割しか出ないという謎な給与規則なのも、これに拍車をかけました。時間当たり単価に引き直すと、派遣社員時代よりも低い単価で働いていることになります。)

直接の退職トリガーは「ハイドさん」

入社半年ぐらいで「コリャ、持たないな」と感じていましたが、本当に限界だったのはみなオジではなく、周りの社員でした。来週あたりに辞表を提出しようかなと考えていたところに、ある事件が発生しました。職場の同僚にキレやすい性格で有名な「Hさん」という人がおり、普段は気さくな人なのに良くわからないポイントでスイッチが入り、いきなり怒鳴り散らすという行為を、1か月に1度くらいの周期で行っていました。ちなみに、みなオジは彼の事を「ハイドさん」と呼んでいました。(二重人格の物語「ジキル博士とハイド氏」の主人公です)

入社直後のみなオジも、ハイドさんの暴れっぷりは度々目撃しており、「S級の要チェック人物」と警戒していましたので、これまで被害にあう事は無かったのですが、その日は唐突に訪れました。

ハイド氏がいつもの様に、年上ですが社歴の少ない後輩社員にお気に入りのお菓子を買ってきてもらうように頼んでいた(業務中にお使いに行かせるのもどうかと思いますが…)のですが、その後輩が買ってきたお菓子を見ていきなりスイッチONとなったのです!

「俺が食べたかったのは〇〇のイチゴ味なんだぁぁぁ!なんでチョコレート味を買ってくるんだよぉぉぉぉーっ」

画像
これだっけ?
あまりにアホ過ぎて、どんなお菓子だったか忘れた。

と、お使いに行かせた年上の後輩に「ありがとう」の言葉も無く、まさかの菓子の味の違い激詰めするという異常な光景を目の当たりにしました(最初はギャグかな?と思っていたのですが、本気だと知った時は心底怖かった…)。

こんな状態でも、上司を含め周りは誰も見て見ぬふりの状況(慣れてるの?)というのも、この会社の闇の深さを感じた所でした。普段、日和見な私も、流石にこれは止めに入ろうかと様子を窺っていたところ、運悪くハイドと目が合ってしまいました。すると今度は「オマエ、何見てんだよ!」と、こちらに突っかかってきたのです。ここまで延焼が広がったのをみて、マズいと感じたのか、やっと周りもハイドを落ち着かせたのでした…

今思えば、ハイド氏は何らかの精神疾患があったのかもしれません(だから、誰も止めなかったと考えれば、合点が付きます)。これが激務によるストレス性のモノか、先天性なのかは知る由もないですが、ヘンテコな会社に入ると、給与などの待遇面で恵まれないのはもちろん、隣の机で働く同僚がハイド氏かもしれないといった不可抗力リスクにも曝されるという事なのです。(トラブルに巻き込まれやすい体質の人は、くれぐれもブラック企業には近寄らないように気を付けてください。違法行為に巻き込まれたり、仕事帰りに風〇店にしつこく誘われたり(これは関係ない?)、人生を消耗する恐れがありますので…)

ハイド氏よりも
「天使と悪魔」のたとえの方が良かったかも…

そんな事件が後押しして、「こんな疲弊した職場からは一刻も早く脱出したい」という事で、みなオジは急いで辞表を書いたのでした。

貧すれば鈍する

そろそろ30歳に差し掛かろうという時期にも関わらず、この頃のみなオジの年収は新卒時からほぼ変わっておらず、大学の同級生の年収(なんとなく聞いた感じですが)と比較しても相当低く、徐々に焦りを感じていました。待遇が悪いのは環境が悪いからだと、年収等の目先の条件に釣られて転職活動を繰り返し、内定出されると内容も吟味せずにすぐに飛びついてしまい、結果として同じようなブラック企業だったことが判明してそこもすぐに辞めるという、まさに「貧すれば鈍する」という悪循環に陥ってしまっていたのです。

こんな感じで、大学の新卒カードを失ってからは、マイナス10℃の氷水か、80度の熱湯風呂の会社を行ったり来たりという感じでした。大学卒業当時は、結構チヤホヤされる会社・業界だったのですが、その当時はもう完全に迷走状態です。結局のところ(自分の意思ではないにせよ)、新卒時に入社した会社を数年で辞め、その後転職を繰り返して職歴を荒らしていくと、徐々に選べる企業の幅が狭まり、しまいには今回の様に問題のある会社しか見向きもされなくなったと言えます。この様な状況に陥ったのは、自分の責任が一番大きいです。と、珍しく殊勝なみなオジですが、何より辛かったのは、周りから見れば自分もハイドと同じ括りの人間なんだなと、気付かされた時です。

この様な挫折がきっかけとなり、二度と劣悪な環境で仕事をしたくないという思いを強めました。そこからは、これまでの生活を見直し、付き合う人間も整理し、仕事はもちろん資格試験の学習にもさらに力を入れる様になりました。今、振り返ると、ココがまさに人生の転換期だったと思います。(言い換えれば、この時が人生の底だった)

仕事と睡眠時間以外は資格試験の学習という位、徹底的にヤッてましたね。

ブラック企業はブラック人間を呼ぶ!?

ブラック企業は、やはりその劣悪な環境から人の出入りが激しく、雇用してもすぐに退職して(させて)欠員が出ることから、常に募集をしています。ちなみに、みなオジは求職期間が長かったので、求人サイトを眺めている時間はかなり多かったと自負していますが、そのおかげで、常に求人を出している会社は頭の中にインプットされています。例えば、大〇建託、〇〇生命とか。害虫駆除の会社もあったなぁ。

当時は口コミサイトも無かったので、内定貰えれば、ある意味出たとこ勝負でツッコんでいくしかありません。(今の転職者は、転職先企業の情報が溢れているので、事前調査ができて幸せだと思います。)

「類は友を呼ぶ」というのは、ほんとによく出来た格言ですね。ヤバい人間だけでなく、ヤバい会社にもヤバい人間が吸い寄せられるのです。これはあるあるレベルではなく、世の中の真理といっても過言では無いでしょう。なぜ、この世の親が大金を投じて小学校から自分の子息をお受験させるのかの意味が当時は分かりませんでしたが、今ではよくわかります。環境こそ全てなのです。ブラック企業にいると高確率で「レジェンド級」のヤバい同僚に遭遇します。前述のイチゴお菓子事件(かわいい事件名ですね。)も結構パンチの効いたエピソードでしたが、以下に挙げるレジェンドが織りなすエピソードに比べれば、まだ可愛く感じます。

ヤバい会社はクセ強同僚エピソードの宝庫!?

ここからは、番外編として「さすらいの転職人みなオジ」が、これまで出会った、クセが強すぎるアブナイ同僚たちをランキング形式で紹介したいと思います。(一服の清涼剤として、お楽しみください!)

ブラック企業でみなオジが遭遇したエピソード3選

・社内不倫率がやたらと高い(しかも、本人以外みんな知っている)

私は当事者になったことが無いですが、せめてバレないように上手くやってくれとしか言えません。(バレて欲しいのか、みんな、ツメが甘いんだよなぁ…)しかもカップリングは、ツーペア、スリーペアは当たり前で、中にはフルハウス(!?)状態も。(みんな、ギャンブラーだねぇ)
体力が余っているから不倫するのか、残業を100時間こなせる体力があるから社内不倫に走れるのか…
こんなアホばっかりだから、会社も「社内恋愛禁止」といった
レベルの低い社内規則を作らないといけなくなったんだな…
・警察沙汰

清楚系女性社員が「H系の副業」をしていて、それが元で客とトラブルとなりストーカーされたとかで、怪文書がFAXで送られてきました。そして業務中なのに、会社内で警察の現場検証が始まるとか、もう無茶苦茶でした。本業の手取り少ないからバイトしたい気持ちはわかるんですが、一線を越えた本格的なアダルトな奴だったみたいです…
同僚から聞いた話では、オンラインで荒稼ぎしていたとの噂が
(金に不自由なくなったんなら仕事辞めちゃえばいいのに…)
・朝、出社すると、会社のデスクに「う〇こ」が置いてある

ちなみに、オフィスで犬は飼ってはいません…
犯人が犬だとしたら、大型犬クラスとの事

「ヤバイ同僚ランキング」ベスト3、いかがだったでしょうか?もちろん、自分は例外等と言うつもりは毛頭なく、当時のみなオジも今振り返ると、まさに同じ穴の狢≪ムジナ≫だったと言えます。結局のところ、そんなヤバい人間しか採用できない会社のヤバイ従業員の一人だったということです。(一歩間違えていたら、ここに見事ランクインしていたかも…)

ホワイト企業が正社員募集するのは宝くじ並み?

ホワイト企業は居心地が良く、基本社員が辞めないので滅多に求人の募集が出ることはありませんが、そういう企業はそれなりのスキルを持つ人が応募して、恐ろしい求人倍率となるので、そんな会社に採用されるには、ノースキルだったり派遣社員経験しかないと、箸にも棒にもかかりません。

1回ドロップアウトした人間が、敗者復活戦として転職に挑もうにも、人生のやり直しができるくらいの会社は既に空いていないし、枠が空いたとしても手が届かないというのが実情です。派遣社員を挟んで次に正社員として採用された会社は、存在自体がブラック企業(しかも、グレーとかではなく、ピュアブラックです)。パワハラ上司に当たってしまい、社会人人生で初めて暴言&暴行されるという、貴重な体験までさせていただきました。(かなりのトラウマになりましたが、もちろん退職後に元上司には裁判で慰謝料請求させていただき、きっちりカタは付けさせてもらいました。)

ここまで1社に長く務めた経験が無かった為、自分の中でも堪え性が無いタイプなのかな?と疑心暗鬼だったのですが、まともな会社に所属さえできれば全く問題ないという事が分かりました。

サラリーマン時代の最後15年でラストスパート

こんな状況でしたが真面目に仕事に取り組み、スキルアップや資格の取得を継続するうちに、みなオジも徐々に状況が上向き始めました。最後の2社で計15年勤めましたが、その間に司法書士の資格を得て、副業にもトライしました。以前から続けていた投資の知識もだんだんと自分なりの勝ちパターンを会得したこともあり、サラリーマン時代の最後の数年間は副業・投資の収入も合わせるとおそらく、当時勤めていた社長よりも年収が多かったと思います。最初はほんの小さなきっかけだったと思いますが、それが上手くハマって上手く回りだしてからは加速度的に成長することが出来ました。最初の空回りの時代を考えると、隔世の感を禁じ得ません。

サラリーマンとしての集大成として独立を検討

この様に、徐々に軌道に乗ることができたみなオジですが、思った以上にとんとん拍子で物事が進んでしまったこともあり、皮肉なことにあんなに切望していたサラリーマン人生を捨てるという状況に直面することになります。

まず、私の場合は一定水準以上の収入を得ると、それ以上はあまりお金(プラスαとしてのサラリーマンの給料)にはこだわらなくなりました。また、サラリーマン生活に求めていた「安定した暮らし」というのも、サラリーマンに固執しなくても手に入れることができたという事も、この決断を後押しする結果となりました。

なぜなら、普通に生きていくのにそれ程お金はかからないですし(子供の学費には少々力を入れてしまいますが…)、何より上には上がいるので、それを目標にしてしまうと、上昇志向の螺旋から逃れられないだろうという強迫観念が頭をよぎってしまったからです。死んだらお金は持っていけない訳ですし、それなら自分らしい人生を送りたいなという一種の悟りみたいな心境にもなりました。

そういう心境でいるうちに、身分が安定した大企業の一従業員として大過なく過ごす事より、未知の体験知識の追求自分のやりたい仕事をしたい、もしくは困っている人の役に立ちたいなどの承認欲求的なものを求めるようになり、徐々に独立を意識して、今に至るという感じです。(独立といっても半分リタイヤ状態で、やりたい仕事だけを受けるといったワークスタイルですが)

誤解なきように言うと、別に仙人の様な暮らしに憧れているわけでは無く、みなオジ自身、健康的な物欲は持っています。投資活動にしたってもっといい物件を手に入れたい、規模を大きくしていきたいという野望はありますので、サラリーマンを辞めた事で手に入れた時間の一部でサラリーマン時代の給料以上の額を手に入れられる可能性があるならば、その時はありがたく挑戦したいとは思います。

独立するかどうかは、その人それぞれの価値観

みなオジは独立を選びましたが、会社員と起業(自営業)のどちらが優れているかという論議はあまり意味はなさないと思っています。ただ、これから独立をしたいと考えている人にとっては、気になる内容であることも理解しています(何より、自分もそうでしたから)。

会社組織に属すると、いやでも昇進や出世を意識しなければならず、その結果、家族との時間を犠牲にするという決断を迫られるかもしれません。出世のモチベーションが「金銭」であれば、家族の幸せのため、多くを犠牲にして進むべきですが、副収入があり、会社に頼らない生き方が可能になると、それ以外の選択肢(例えば、ゆとりある暮らし、家族や趣味優先の暮らし)も視野に入ってきます。現に企業でもダイバーシティ推進の下、「多様な働き方」が認められる風土が出来上がりつつあります。

ただし、金銭的な不安が無く必要以上に働く必要が無い状況でも、組織の一員として会社に所属する以上は「昇進とかどうでもいい」と割り切れる人は少ないのでしょう。若いうちは、どんなポジションでも抵抗なく働くことができると思いますが、60歳近くになって一般社員の様な働き方をすることや、年下上司の下で働くというのは、自分も大変ですし、周りからも気を使われますからね。

サラリーマンのメリットとは?

理不尽なことも多く(理不尽しかない?)、出世争いなどにも気を遣う必要があり、やっぱり宮仕えは窮屈だと思う人は多いでしょうが、サラリーマンには個人事業主にはないメリットがたくさんあります。

・安定(安定も立派なメリットです。個人事業主になると毎月の資金繰りが気になります。)
・信頼(大企業であれば特に。ローンを組む時は特に恩恵を感じるでしょう)
・手厚い社員教育体制(社費で自己研鑽が積めるなんて最高じゃないですか?)
・組織内外の豊富なネットワークが構築できる
・厚生年金などの福利厚生(在職中病気をしても保障があると考えると、精神的なゆとりも生まれるでしょう)
・ラク(理論上は勤務時間外は仕事のことを忘れてOK!土日も家族や趣味に充てられます)
サラリーマンのメリット

やはりサラリーマンとしての「安定感」は何物にも代えられないでしょう。言い方悪いですが、毎日決まった時間に会社に出社さえしていれば、一定の給料が振り込まれる素晴らしさというのは、独立しなければわからない事でしょう。また、雇った従業員が問題社員だった事に比べれば、部下の仕事の物覚えの悪さなんて可愛いものですし、異動してしまえば人間関係なんてある程度リセットされる訳です。デメリットでは自分の替えはいくらでもいると言いましたが、逆に言えば、自分がやらなくても誰かがフォローして会社は動いていくわけで、適当な仕事をして自分の評価が下がっても会社が潰れない限りは「0円」または「マイナス」になることは無いので、こんな気楽な職業はありません。

みなオジはある程度の収入が確保できた時点で、「家族と過ごす時間」を優先したいという想いが勝ってしまったので会社を辞めましたが、通常は起業するとサラリーマン時代より、時間は仕事に奪われることになります。というより人生のほとんどが仕事になると言っても過言ではないかと思います。みなオジのケースは特殊な例ですので、あまり参考にはならないかもしれませんが、有限の時間をどうとらえるかという視点で判断した時に、自分はどうすべきか導かれたという感じで決断できました。

サラリーマンのデメリットとは?

一方で、サラリーマンのデメリットも併せてお伝えしておきます。

・自分は替えの効く会社の「パーツ」であり(社長も例外ではない)、常に戦力外となる心構えが必要。
・上司や配属先で落差がある。
・絶対に大金持ちにはなれない。(メリットに挙げた安定の裏返しです。節税もできないですしね。小金持ちで良いなら、ローリスクローリターンのサラリーマン一択。)
・出世がほとんど運(部長までは実力と努力で何とかなりますが、役員クラスの場合は運ゲー)。
・定年退職後の安定がもはや約束されていない。(一生働くことが必須)
サラリーマンのデメリット

自分をパーツと考えて、40年間働き続ける事できますか?

もちろん、会社により多少の違いはありますが、概ねこんな感じではないでしょうか。基本的に雇われている立場であるので、いらなくなったらお払い箱になるという悲壮感を持って働く必要が出てくるでしょう。この悲壮感をいかに、「自分が求められる存在でいたい」というポジティブな発想に転換できるかが、幸せにサラリーマンを続けられる秘訣であるような気がします。人間誰しも若い時はこういう感覚で仕事をしているものですが、長くサラリーマンをしていると、下手なプライドが高くなり向上心が失われて、給料だけが高くて使えない人になっていく傾向にあります。

上司に恵まれない、異動に翻弄される等自分でコントロールできないリスクが高いのも、サラリーマンの不遇な点ですが、これも含めてサラリーマン人生を楽しめるというタイプの人であれば、サラリーマンという働き方もまんざらでもないと思います。

出世がほとんど運

出世の為に奴隷の様な生活に耐えてきたのに、理不尽な理由で出世の道が閉ざされることもザラなわけで…

また、サラリーマンといえば出世争いを抜きにして語れません。みなオジみたいに凡庸なタイプの人間であれば、部長や課長止まりでも万々歳と思えるのですが、自分に自信があってエリート街道を進んできた人にとっては、役員クラス以上の戦いは非常につらいものがあるのではないかと推察します。

なぜなら、役員以上になれるかどうかは運の要素やタイミング、業界の景気自社の業績の問題も深く絡んでくるので、いかに優れた人間であっても、役員適齢期の時に会社がTOBされて、親会社から役員が派遣されてポストが全て埋まってしまえば、それ以上の昇進は潰えてしまうのです。(最悪なのは業績が悪化して、会社が民事再生に入ったりした場合は、その間に役員になったとしても、つらい期間を過ごす羽目になるだけかもしれません。それはそれで、貴重な経験かもしれませんが…)

そんな、アンコントローラブルな事で一喜一憂するのも精神衛生上よろしくない訳で、外部環境的に出世ができないと悟った時にすぐに会社を脱出できる様に準備が必要ではないかと常日頃思う訳です。

みなオジの場合は、その準備が資格取得であり、経済的自立(収入の柱をいくつか作っておくこと)だったという訳です。

退職後のライフプランを壊しがち

先程、サラリーマンのメリットで「安定」を挙げました。この「安定」はひと昔前は、定年退職後の老後の安定も含めていましたが、最近のサラリーマンの老後は約束されているとはいえなくなってきたので、デメリットに含めることにしました。まず、年金は一般的に手厚いとされる「厚生年金」ですが、手厚く支給されていた時代はもはや戻ってくることはなく、支給開始年齢もいずれは70歳からになることが予想されています。また、退職金も期待することはできませんので、老後のために自分自身で資産運用する等自己防衛手段を取っておかなければ、現役時代にぬるま湯だったサラリーマンにはつらい状況となるのではないでしょうか。

よく聞く話ですが、退職金をよくわからん金融商品に突っこんで、大切な老後資金を溶かす人や経験もないのに飲食店(蕎麦屋とか多いです)を始めて、1年で潰す等、迷走が多いのもサラリーマンの特徴です。今までサラリーマンとして、真面目に勤め上げてきたにもかかわらず、定年退職した途端にハメ外してしまうパターンでしょうか。人生百年時代にも関わらず、60過ぎでコケるというのもリスキーですね。

この点においては、むしろ福利厚生に乏しい自営業者の方が現役時代から危機感を持って節税したり、小規模企業共済に加入する等対策を取っているので、意外と老後は安泰だったという話も良く聞きます。

みなオジが出した結論

家族が増えると(特に男性は)保守的な考えに傾き、独立を選ぶ確率は低くなります。なぜなら未経験かつ不安定な収入で家族をリスクにさらすことは避けたいからです。しかしみなオジの場合は子供ができたタイミングで独立を決めました。正確に言うと、ある条件を満たしさえすれば「独立」は既定路線でした。ズルいかもしれませんが、そこには独立がそれ程うまく行かなくても最悪「副収入がある」という打算も働いていたかもしれません。

まとめ

みなオジは氷河期世代の人間ですが、最低限の学歴を付けてもらって社会に送られたので、順風満帆とは言えずとも、「まあそれなりの」人生を歩んでこれた方かと思います。それでも他の年代(特に一つ上のバブル入社世代)に比べると結構割を食ったなと感じています。このころは丁度、派遣社員などの非正規社員も絡んで、同世代の中でも断絶があった世代である事から、一致団結して社会問題に立ち向かうという事が出来ずに更なる格差を拡げる要因となったと思います(正社員は自らの既得権を守るので精一杯なので)。

みなオジ自身は、正社員→あまたの非正規労働を経て(迷走して)かろうじて正社員に戻り、最終的には士業と投資家として独立ことができたレアケースですが、一歩間違えばその日暮らしが精いっぱいで幸せな家庭を作るのも叶わずの人生だったかもしれません。

識者は何かにつけて、氷河期世代が非正規雇用から抜け出せないのは「自己責任」であると、責め立てますが、決して全員が怠けていた訳では無いと思います。みなオジの個人的な感覚では、正社員時代の方が、身分保障がされているという安心感から、むしろ仕事には適当に向き合っていた様な気がします。司法書士の資格を取れたのも正社員という安定した基盤があったからですし、非正規雇用時は残業をしなければ生活が成り立たない時もあり、資格取得との両立は結構厳しいものがありましたので。

私の様なケースは幸運にも戻ってこれた訳ですが、これは極めて恵まれていた例であって、同世代の多くの人は(他世代と人と同じくらいの)努力をしても報われない、一回転落すると復活する事が出来ない理不尽な世界で勝負させられてきました。そのくせ、未婚率が高い、出産率が低いのは氷河期世代のせいだという、いわれのない批判を受ける標的になっていた感じを受けます。最低でも努力が報われる社会であってほしいというのが、みなオジの願いですね。

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港区オジさん(みなオジ)です。
長い極貧オジさん生活を経て、いつの間にか小金持ちのアーリーリタイアオジさんにクラスチェンジしました!
投資家と司法書士の肩書を有する一方、妻の尻に敷かれるちょい駄目オジさんの異名も持つ。