ロレックス 不動産

マンションと腕時計の共通点

投稿日:2022年4月3日 更新日:

マンションと腕時計はみなオジの2本柱ともいえる分野です。とはいえ最初はほとんど知識が無かったので、一生懸命これらの情報を集め、所有件(本)数を増やす中で自然と知識が付いてきました。両者を知れば知るほど、共通点が多いなぁと感じる様になりました。収集歴としては腕時計の方が長いのですが、マンションにも腕時計に通じるものがあった事から必然とのめり込みました。もちろん不動産(マンション)と動産(腕時計)という性質上の問題で明確に異なる部分がある事も確かなのですが、ジャンルの枠を超えた魅力がみなオジを引き寄せている様に思えてなりません。

みなオジ的には一度はまったものに対してオタク的に追及する性質があり、深く知れば知るほど両者の共通点がよりはっきりと見えてきた事から一度この点について述べていきたいと思います。

共通点

共通点について語る前に、前提として押さえておくべき事は腕時計もマンションもピンキリがあるという事です。具体的に言うと、マンションには実需物件(自分が住む)、投資用物件(人に貸して収益を得る)と用途が異にするものがありますが、ここでは実需用マンションを前提として考えていきます。

木造アパートを代表とする投資用物件は、そもそもみなオジの守備範囲外(興味が無く、よく知らない)であるという事もありますが、一番の理由としては実需と投資では価値基準が全く異なるからです。

一般的な投資用物件は投資効率(つまり利回り)が重視されるので、必然とその価値基準には「合理性」が求められます。賃借人から評価を受けにくい付加価値を削ぎ落した結果、投資物件は宿命的に高級路線とは相容れない点が多くなるので、論点をクリアにする為あくまで自分自身が利用するモノというカテゴリーで共通点を語ります。

もちろん住む人のステータス感をくすぐる高級感を前面に出した賃貸マンションもありますが、それは例外というか実需マンションに含めてしまっても良いでしょう。(だって、投資目的で買った物件に自分が住んでも問題ないので)

共通点①:管理/保管状況で価値が変わる。

まず、共通点の一つとして管理/保管状況が大切だという事が言えます。共に再販(中古)市場が成熟しており、売却時の状態が高値売却する為の重要ポイントとなることから、両者ともに管理やメンテナンスが重視されています。

マンションに関しては新築で購入する際にも、管理会社がどこで管理体制(24時間有人管理・日勤・巡回)がどうなっているかやコストパフォーマンス(例:エレベータの台数が多ければ生活快適性は向上するが、メンテナンスにかかる費用は上昇する)も含めて購入する事が大切ですし、売り手もそれをアピールポイントとして推してきます。

腕時計に関しても、保証期間・修理対応期間はどのくらいか、保証範囲はどこまでかはメーカーによって様々であり、保証体制やサービス(オーバーホールに係る費用)も含めてブランドは評価されるのです。

ちなみに保証期間と異なる概念で修理期間(オーバーホール対応期間)があります。国内メーカーは製造終了後7年間となっており、基本的にメーカーは7年間はそのモデルの部品を供給する義務を負います。ロレックスでは、製造終了後25年までしか部品は保有されません。

ブランド保証期間備考
A社2年+〇年有償保証プランへの加入で延長可能
B社2~5年国内正規店購入/自社製ムーブメントか否かで保証期間に差がある
C社5年メンテナンス費用はファーストオーナー限定で優遇
メーカーのオーバーホールを受けると多くのケースで2年間のメーカー保証が付くので、できるだけ正規店でのメンテナンスをおススメします

また特筆すべき事項として挙げなくてはならないのが経年優化です。一般的に、動産も不動産も年月が経過すると劣化し、人が使用する事により価値が下がるものですが、高級なもので希少価値が高くなると、どちらも「ヴィンテージ化」が生じます。

どちらのオーナーも経年によりヴィンテージ化が生じる事を知っているので、高級マンション・時計はともに大切に扱われます。だからこそ良いモノは熟成してより良いものになり、粗悪なモノ、粗悪とは言わないまでも並の品質のモノは手入れも疎かにされ、どんどん無価値に向かって行くのです。

動産/不動産ならではの異なる点とは

そういう意味ではマンションも腕時計も投資の対象になりますが、投資の対象として比較した場合は、両者で異なる点が出てきます。一番の違いはメンテナンスの行われ方が異なるという点です。

マンションは不動産とはいいつつも物理的に永遠に存在する事ができないので、修繕をするにしても有期を前提としたものとなってしまいます。終局的にマンションは壊される事で、いつの日かその幕を下ろし無価値となるのです。一方、腕時計は修理(機械式腕時計の場合はオーバーホール)を繰り返す事でマンションよりも長持ちします。一本数万円の腕時計ならば、メンテナンスにかかるコストの方が高くつくので(お爺ちゃんの形見で思い入れがあるものでない限り)買い替えてしまう事が多いです。「大きな古時計」の曲のせいで朽ち果ててしまうイメージがありますが、意外にも「モノの寿命」という点では時計は人間よりも長生きなのです。

左の時計はロンジンの懐中時計(パイロットが操縦の際に時間を確認しやすい様に懐中時計にベルトがつけられたのが腕時計の起源)ですが、1867年に製造されたものでメンテナンス状況も良好なようで現在でも問題なく動くそうです。これはロンジンが自社博物館で所蔵している様ですが、今オークションで売り出されたとしたらどのくらいの価値が付くのでしょうか?(下衆な勘ぐりで失礼)

アンティーク市場の高騰ぶりは腕時計が凌駕

画像:20億円の値が付いたP・Nデイトナ

ちなみにおなじみロレックスのアンティーク市場では、「ポールニューマン デイトナ」20億円でオークションで落札されたのは有名な話です。元値が100万円もしない事を考えると、とんでもない高騰っぷりです。

一方で不動産では芸能人が住んでいた家だからと言って取り立てて高く売却できる訳ではないのですが、有名人が愛用していた物はファングッズとしてコレクターの収集心を搔き立てるのです。モノに宿る力というのは不動産よりも動産の方が圧倒的に強いという事でしょう。

手堅い資産に思える不動産の欠点は耐用年数

一見すると不動産であるマンションの方が寿命が長い様に感じるかもしれませんが、どんなに修繕を重ねても人が住む事ができるという意味でマンション(RC造)の寿命は80年がよいところです。

引用元:SUUMOホームページより

税法上も耐用年数(RC造で47年)が設定されている事からも分かる様に、マンションも築後20年位は価格もこなれてくることから中古取引も活発に行われるのですが、40年も経過すると修繕積立金等の維持費のコストが嫌気されて価格が1段安となってしまいます(何よりローンが下りにくい)。

仮に躯体(基礎、基礎ぐい、壁、柱など)に問題なくても、共用部や住戸内の配管等の水回りや配線等電気系統がもたない為、人の生活に耐えられなくなっていきます(特に昭和に建てられたマンションはその傾向が顕著です)。ちなみに木造戸建ての場合は、規模が小さい分(設備の更新等も含めて)お金をかければできない事は無いですが、マンションの場合は費用対効果を考えると解体して新たに建て直す方を選ぶのが賢明でしょう(なお、建替えにも(法的・資金的)条件があり、全てのマンションで建替可能なわけではありません)。

この為、マンションはある程度の年数までは大規模修繕などで対処しますが、築後50年~を目途に「建替え」の選択肢を加えて今後の有り様を協議されることになります。これは無いのヴィンテージマンションであっても逃れられない宿命です。

その点、高級腕時計、特に雲上ブランドと言われる3大メーカー(オーデマ・ピゲ、パテックフィリップ、ヴァシュロンコンスタンタン)の腕時計はメーカーがプライドを持って部品を永久に供給し続ける為、基本的に使えなくなるという事は起こり得ませんし、実際に何世代にも渡り愛用されている家宝ものの一品も存在します。仮に部品が無かったとしてもメーカーが責任をもって調達するとのことで、オーナーとしては非常に心強いです。

長年の時を経て、幾人の人の手を渡ることで世界に2つとない希少なヴィンテージ時計に熟成を遂げるのです。これこそが不動産と異なる値動きをする理由なのです。(もちろん、不動産も「お城」「寺社仏閣」といった歴史的・文化財的なレベルまで価値を高めれば、公金やクラウドファンディングを利用して後世に名を残す建造物もあるでしょうが、それは「例外中の例外」ですね。)

マンションの価格硬直性は様々な法規制があるから

これ以外にマンションと腕時計の違いが現れる点は価格の硬直性(価格の維持のしやすさ)です。先程、最も有名なヴィンテージとなったポールニューマン デイトナを紹介しましたが、あくまでこれは特殊な例で一般的にはマンションの方が価格の下方硬直性が強いと言われます。

理由としては不動産は購入しやすい様に低金利の住宅ローン制度が充実していますし、保険商品も豊富で法的にも品質保証・瑕疵担保に関する規則が整備されているからです。不動産(マンション)は総じて高額である事から、瑕疵のある物件が流通すると個人はもちろん社会経済的にも損失が大きくなります。そこで不動産取引の保護を目的として品確法等の特別法が創設され、中古マンションが法的な信頼度を高めた結果、動産(腕時計)よりも価格が安定するのです。

マンションについては品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)上の瑕疵担保や売主独自のアフターサービス基準を有しており、(箇所によって保証期間は異なりますが)それらは売買契約時に売主側に明示されています。

(新築住宅の売主の瑕疵担保責任)
第九十五条 新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時(当該新築住宅が住宅新築請負契約に基づき請負人から当該売主に引き渡されたものである場合にあっては、その引渡しの時)から十年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕疵について、民法第四百十五条、第五百四十一条、第五百四十二条、第五百六十二条及び第五百六十三条に規定する担保の責任を負う。
参照:住宅の品質確保の促進等に関する法律第95条

なお、下記の表はマンション施工数で一番の実績を持つ建設会社、長谷工コーポレーションの「プレミアムアフターサービス」ですが、本来売主が窓口となって負うべきアフターサービスを施工した長谷工が直接対応するというものです。

引用元:長谷工コーポレーションHP
長期アフターサービス

施工会社が窓口となる事でトラブルの際の対応スピードも速くなりますし、従来の保証期間を延ばしたサービス内容は施工会社の自信の表れと言えるでしょう。(「マンションの事なら長谷工~タラララッタラ♪」は伊達じゃない?!)

共通点② 経済と連動している(経済観念が身につく)

特筆すべき共通点の2つ目としては、マンション、腕時計ともに経済・金融と相関するという点です。大袈裟な言い方ですがマンションと高級腕時計の相場は国内のみならず世界経済の影響を受け連動しています。この為、不動産や高級腕時計オーナーは、金利や為替などといった経済動向が嫌でも耳に入って来るようになります。いうなれば不動産・腕時計も株式の銘柄の一つとして捉える様になるのです。結果として、経済観念が自然と身につくので良いことではありますが。

腕時計やマンションに関する知識を蓄えるだけでは、将来の価格推移を読み違えて購入戦略において後手を踏んでしまう事になるので、ある程度の経済観念や関連領域、場合によっては過去の経緯等に対して興味を有しておく事が、オーナーの素養とも言えます。腕時計や不動産オーナーに情報通(特に裏情報)が多いのも、このような理由があるでしょう。

個人的にも「風が吹けば桶屋が儲かる」といった経験があり、知識・情報量だけでなく直観力も重要なのではないでしょうか。その為、不動産や腕時計とは一見関係ないような事に対しても広く興味を持ってアンテナを張っている人が多いのです。

再開発情報で周辺エリアの相場が上昇

メトロ延伸(有楽町線、南北線)

マンション関連の情報でいうと、都内の再開発情報土地の入札結果を知っておくと今後の不動産の値動きも見えてきます。また新駅の発表や商業施設のオープンによって、その周辺のイメージがガラリと変わるのも良くある話です。

タイムリーな所でいえば、東京メトロの2路線の延伸が事業許可を受けたとニュースがありました。地下鉄延伸の話は数十年前から出ていた話でしたが、やっと決定事項として工事着工に向かうという事になりました。有楽町線はどのルートを通すかによって、近隣(接続する鉄道路線)の不動産価値に影響を与えるでしょう。

今年のサプライズは?2022「Watches & Wonders Geneva」

腕時計関連では展示会・新作発表会の情報をいち早く知ることで色々と見えてくることがあるでしょう。各メーカーの生産計画や新モデルに影響を与えるという意味で、常にアンテナを立てておかなければなりません。ロレックスマニアとしては、3月末にスイス・ジュネーブで開催される「Watches & Wonders Geneva」でどのモデルがディスコン(生産終了)になるかを予想するのも至極の時間と言えます。この時期はガセネタも多いので、噂の真贋を見極める力も大切ですね。

また、経済動向だけでなく現在ヨーロッパで起きている紛争も腕時計の生産や流通に多大な影響を与えそうです。具体的にはマクドナルドをはじめ多くのグローバル企業がロシアから撤退していますので、ウォッチメーカーもこれに追随する可能性があり、在庫量の一時的な変動が予想されます。また、ロシアの貨幣「ルーブル」の暴落に備えてロシアの富裕層が高級腕時計を始めとする換金性の高い資産を買い漁って、価格の高騰(乱高下?)が生じるかもしれません。

経済通や情報通となったからと言って、近未来的な値動きを読むことは難しいですが、読みが当たった時の喜びは格別で、この予想の難しさも両分野の奥深さといえるでしょう。

希少性の高いものはより高くなる~ヴェヴレン効果

マンションや腕時計の販売・マーケティング戦略は、経済法則や心理学と通じるものがあります。皆さんは「ヴェヴレン効果」をご存じでしょうか?

ヴェヴレン効果とは、ブランド品の価格が維持される仕組みとして説明されます。日本のことわざの近い所では「安物買いの銭失い」の逆ですね。つまり希少なものはより価格が高くなり、市場に出回ってからも価格が下がる事は無いというものです。

元々安い商品は当然の事、それなりに高い商品でも安易に値下げするようなブランドは、長期的には競争力を失う事になります。皆さんも具体的なブランドイメージありますよね。アウトレットで売られている「コー●」とか。もちろん「●ーチ」には「●OACH」なりのブランド戦略があり、どちらが優れているという問題ではないので悪しからず。

腕時計でもセールありきの販売を行っているブランドがありますが、自然とセール後の価格がそのブランドの序列となります。一方、ロレックスを始めとする一流ブランドは絶対に値下げを行いません。値下げしなくても売れるので検討もした事が無いと思いますが、メーカーの方針として絶対に値下げをしません。ロレックスでも注目を浴びにくいモデルは無いことも無いですが、その様なモデルであっても値下げをすることはありません。

仮に値下げをしたら「にわか客」は喜んで飛びつくかもしれませんが、古くからのファンはそのブランドを見限って一斉に放出し、中古マーケットも暴落して一気にブランド価値が剥がれ落ちる事でしょう。

話は逸れますが、以前、世界トップクラスのハイブランドは値下げをする位なら廃棄を選ぶというくらいの徹底ぶりでしたが、環境保護エシカル消費が注目されたことから最近は廃棄物を再利用したり、再販売、もしくはチャリティなどへの出品で非難を回避しているようですね(政府の規制が厳しくなるフランスではルイヴィトンやシャネルが取り組んでいるようです)。

不動産のブランドとは?

ロレックスを始めとする入ブランドが取るマーケティング手法は、耐久消費財である不動産には一見無関係な様にも思えますが実はマンション販売にも通じるものがあります。例えば、日本では住友不動産のマンションは値下げせず、竣工後も完成在庫を抱える事で有名ですが、購入者側からすると完成在庫を竣工前よりも値上げして販売する事は、この上なく安心できるのです(検討者からは嫌がられる販売方法ですが)。

ブランドアドレス

青山通り(右手に青山学院大学)

腕時計にブランドがある様に、マンションにもブランド(野村不動産:プラウド、三井不動産:パークホームズ、大京:ライオンズマンション等)が存在します。しかしここではマンションブランドそのものではなく「ブランドアドレス」について言及したいと思います。住所には歴史が宿っている事から「由緒正しき土地」が存在し、いつしかブランドアドレスが形成されました。それに乗じて住んでみたい街ランキングが開催され毎年注目を浴びる事からもマンションの立地も羨望の対象になり、ブランド品と同じような消費者心理が働き価格形成されるのです。

不動産は一定の市場理論(地価、築年数、エリア等)に従ってプライシング(値付け)されますが、白金や青山や松濤・代官山の人気エリアでは明らかに周辺の価格と異なる市場が形成されることになります。具体的には先ほどのエリアの中でもさらに希少性が高い、例えば坂上の高台で大手開発×大手施工のブランドマンションそして更に高層階(ペントハウス)と、条件が絞り込まれる毎に価格が跳ね上がっていくのです。

デイトナ(Ref.16520)

腕時計も、同じモデルでも製造年度によって価値が異なるケースがあったり、同じ型式でも初期と後期(更に最終品番※)のモデルとでは希少性が異なる、はたまたドラマで主人公が身に付けていたというミーハーな理由で突然注目を浴びて価値が高まる場合もありますが時計の場合はほとんど予想不可能で、答え合わせは10年後位先にならないと不可能でしょう。

※有名な所では、ロレックスデイトナ(Ref.16520)の最終品番は2000年に製造された「P番」で、現時点で他の品番よりも200万円程高値で取引されています。

土地特有の希少性の法則

「希少性」というのは結構バカにならない要素です。本来マンションを始めとする不動産は「一物一価」と言われ、同じような部屋でも一つとして同じ価格は無いと言われます。とはいえ同じ駅を使えて、徒歩圏も同じくらいならばその物件の価格帯は一定の範囲に収まるのですが、超富裕層(住居にステータスを求めている人)にとっては、一定以上の希少性があると認めれば、その価格帯から一気に限界突破され、2億3億円の差があっても喜んで購入するのです。

具体例を一つ挙げましょう。(皇居には一般人は住むことができませんが)仮に皇居が最も希少価値が高い土地だとした場合、土地の価格は皇居を中心に同心円状に離れるにつれて下がります。円の面積は直径が半分になれば面積は4分の1になるので、土地の希少性は範囲が絞られるほど加速的に高まります。結果、皇居から500m以内に住んでいるというのもかなりのステータスですが、それを100m以内に絞ると面積的な希少価値としては26倍に跳ね上がるのです。マンション販売時には単純に26倍の価格差は生じないにしても、2倍くらいの価格差は普通に付くでしょう。

また身近な例を挙げると、我が家のマンションから15分くらい歩いた先の新築マンションの価格が発表されたのですが、ほぼ同じ規模で同じ仕様のブランドマンションにも関わらず、同一の広さの住戸が5,000万円近く高い値段で売り出されていました。悲しい例えですが、同じ港区内でもこれくらいの希少価値の差が生まれてくるのです。

通常人にとって、住居は壁と屋根があって雨風をしのげれば最低限の役割を果たしてくれる、つまり多くの人にとって汎用品で全く問題ないものですが、富裕層の住居に対する考えはそうではないのです。昔から戦国大名が居城の天守の高さを競い、黄金の鯱を飾っていたのと同様の理屈なのかもしれません。

分譲と賃貸で異なるブランドアドレス理論

これは不動産(マンション)の面白い所ですが、ブランドアドレス価値は分譲と賃貸では異なる評価がされるという特徴があります。これは分譲の場合、ブランドアドレスと隣の別アドレスでは販売価格に大きな差が生まれるのに対し、賃貸ではブランドアドレスから外れても駅距離が同じであれば賃料はさほど変わらないという事です。

分譲価格と賃料は比例しないという原因は、ブランドアドレスは所有してこそ、その価値が最大化する事からもたらされます。本当に価値のあるものは所有をすることで真の充足を得る事ができるというのが人間の心理です。はたから見れば、その人がそのマンションを所有しているのか賃貸しているのかは一見して分からないので、人に誇りたいという心理というよりは、ブランドアドレスは将来的に価格が維持されるという心理が強く表れるのでしょう。

まとめ

同じ資産性を有する両者ですが、似ている所もあれば全然異なる所もある事が分かったかと思います。最後に簡単にまとめました。

【腕時計】

腕時計は型番が同じであれば、(形見や愛着の程度の差はあれ)同一商品と言える。よって腕時計はコンディションによるが、型番毎におおよその相場が形成される。逆に言えば、型番が同じものは大きく値が変動するという事はない(例外アリ。極稀に激レアに化ける場合も…)し、多少の傷はメーカーの補修で事後的に何とかすることができる。ただし、アンティーク時計はその傷や文字盤の日焼けも含めて味わいと評価されるケースも。

高級ブランドでは各製品にシリアルナンバーが振られて管理されており、メーカーが責任を持ってメンテナンスを行う。仮に純正外のベルトと取り換えてしまうと、一気にその価値は下落する。故障してもオーバーホールで生まれ変わり機能を取り戻す事ができるが、部品の供給がストップすることにより、メンテナンス終了というケースも。(「永久保証」を売りにする雲上ブランドもある)

【マンション】

不動産は「一物一価」で、一つとして同じものは無い。同じマンションの住戸であったとしても、階数や広さ方角、角部屋かどうかで全く異なるものと言える。また、オプションを入れて室内のグレードアップが図られた部屋もあり、実物を見なければ判断することが難しい(その為、欠陥住宅を購入しても法律で買主が保護されるケースも)。

事後的に手を加える場合、リフォームやリノベーションを行って、当初の仕様と変えてしまっても問題無い(腕時計と異なり、元施工(メーカー)の手による必要もない)。例えば一部屋が狭い狭小3LDKの部屋の壁をぶち抜いて広い2LDKにすることで、価値が増加するケースも。

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港区オジさん(みなオジ)です。
長い極貧オジさん生活を経て、いつの間にか小金持ちのアーリーリタイアオジさんにクラスチェンジしました!
投資家と司法書士の肩書を有する一方、妻の尻に敷かれるちょい駄目オジさんの異名も持つ。