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リモート社員は給与削減?の報道について

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リモートワークと給与に関する2つのニュース通じて、働き方に関するネタを書きたいと思います。

まずは一つ目のニュース。

Amazonが在宅勤務可能な全従業員にリモートワークを推奨

Amazon(アマゾン)は3月12日、新型コロナウイルス(COVID-19)対策として、自宅から働ける世界中の従業員を対象に3月末までリモートワークを推奨する案内を出した。

「我々は、事態が進展し続ける中で正しい対策をとるため、行政そしてプライベートの医療専門家と引き続き緊密に連携をとっている」とAmazonの広報は電子メールでの声明で述べた。「その結果、我々は自宅から働くことが可能な、世界の全従業員に3月末までリモートワークをするよう推奨している」と説明する。

引用元:TechCrunch2020年3月13日

昨年のコロナ出始めの頃のニュースですね。この頃から手探りではありますが、大企業の多くがリモートワークを導入し始めました。リモートワークが広まるとともに日本でも「東京の一局集中終了!」「来月から沖縄にでもワーケーション(「ワーク=仕事」と「バケーション=休暇」)しようかな」、なんて論調やコメントが多くありました。

時代の潮流に乗った?

実際に動きの速い人は、2020年の夏ごろに都内の住宅を引き払い、地方に移住したなんて話が報道されていました。移住者が「地方サイコー」、「生活費も削減されて生活にゆとりが出た!」なんてインタビューで答えていましたが、みなオジは「ちょっと待て!まだ早いだろ」と、どこか冷めた目で眺めていましたね。

と言うか、どうしてリモートワークの趨勢も分からない内にこうも思い切っちゃうのかな~と、ある意味尊敬しますが、家の処分までやってしまうと引くに引けない状況になってしまうとは考えなかったのでしょうか。少なくともトライアルでも良いのではと思います。

みなオジの読みはというと、都心部からの人口流出は限定的かつ一時的なものと考えていました。ブログ内で「リモートワークが皮肉にも職住近接を後押しか?」と述べた様にコロナが騒ぎが改めて都心の良さが見直されるきっかけになると考えていました。その根拠は、(完全リモートはほとんど実現できていないという状況下で)移動は最短にしたいと言う距離的な優位性が都心物件にはあるという事と昨年の第1回目の緊急事態宣言終了からの都内の不動産購入の動きが活発になった事です。

関連過去ブログ:港区に住んで良かったこと(後編)は→コチラ

都内の不動産売買契約数の増加は今年に入って統計上も現れていましたし、私自身も不動産売買の決済立会に関り、多くの不動産屋と話をする中で、彼らの浮かれっぷりを肌で感じていたという事もあります。あまりの売れ行きで、販売を後回しにしていた区画まで予定を繰り上げて販売してしまい、現在は新たな用地取得で休みも無いですよと、いう嬉しい(?!)悲鳴を聞いていましたから。

グーグルのリモート社員の給与削減策は何を意味するか?

コロナ騒ぎも2年目に突入した2021年の8月に、同じくGAFAの一角であるグーグル社で下記の様な給与削減の報道がありました。

グーグル 在宅勤務続ける職員の給与最大25%削減へ

アメリカのIT大手「グーグル」が、在宅勤務を続ける従業員に対して住む場所に応じて給与を最大で25%削減する方針であることが分かりました。ロイター通信が10日に報じたグーグルの給与計算表によりますと、今後もオフィスに出勤せず在宅勤務の継続を選択した従業員を対象に給与を削減する方針だということです。在宅勤務のうち、オフィスがある都市に住む場合は給与は削減されず、オフィスから離れたコストが低い場所に住むほど削減額が多くなります。最大で25%の給与が削減されるケースが確認されたということです。新型コロナの影響で世界中で在宅勤務が広がるなか、フェイスブックやツイッターなども在宅勤務の従業員の給与を削減する方針を明らかにしています。

引用元:テレ朝ニュース2021/08/12

みなオジもこの報道を聞いた時、最初は一律に在宅勤務の社員を狙い打ちにしているのかと思いましたが、どうやら郊外などのコストの育いエリアで在宅勤務する社員が対象であるという事が分かりました。

つまり、これは「リモートワーク排除」では無く「地域手当の均衡」、言い換えれば、社員間の不公平感を取り除いたという事になります。どこで仕事をしてもいいけど、物価分は給与で調整させてくださいというものです。みなオジ的にも特別違和感はなく、他の契約、例えば工事請負契約の「物価スライド条項」の様に、物価が上下した場合はそれに合わせて請負代金を調整されるという仕組みの様なモノです。同じく長期契約である雇用契約で、この様な考え方が取り入れられたとしても理不尽な条項とは思いません。 

しかし、グーグルの方針がリモートワーク排除ではないと理解しながらも、この報道の当初の人々の反応は、こんな感じでした。

・日本の経営者が、この報道の一面だけを切り取り、自社の在宅勤務者の給与を削減しない事を願う。
・リモートワークを廃止したい会社が、この事例を悪用して在宅勤務者を不利に扱う(もしくは出社した人を優遇する)様な給与体系にするのではないかと心配をしている。

緊急事態宣言明けからオフィス回帰か

そもそもリモートワークと言う働き方は人によっては捉え方が異なっていて、一般社員はこれまでの雑務や煩わしい上司から解放される為にこの働き方を歓迎する傾向にありますが、マネジメント層に近づけば近づくほどリモートワークについては効率面や結束力の低下の要因であると懐疑的な意見が多く聞かれます。

要するに経営者から見ると、「リモートワークなんて社員を楽させる働き方なんだから、その分給与下げたって文句ないだろ」くらいにしか感じていないのです。また、オフィス街周辺の飲食店や小売店は出勤率が戻らないと、地域経済的に衰退してしまうという問題があり、完全にリモートワークにシフトすべきではないという考えも強く残っています。

サラリーマン時代のみなオジなら、「早く完全リモートに移行してくれないかなぁ」、と思っていたと思いますが、事業主の立場になると、一転、「リモートで従業員のコントロールなんて無理だろ!」と早くコロナ前の状態に戻してほしいと主張しています。

今回の給与改定はもっと違うところに着眼すべき

いずれにせよ、ワクチンの接種率の上昇もあり、10月からの緊急事態宣言明けからオフィス回帰になるのではないかと思います。海外でもフェイスブックやツイッターやLinkedIn(リンクトイン)ではリモートワークの給与削減を発表しているので、オフィスから離れたリモートワーカーは渋々出社にシフトしているようです。そもそも、生活費は安くして給与は現状維持を望むという方が、都合が良いと言わざるを得ません。彼らは、抜け道的にその様な手法を取り入れたのかも知れませんが、今回の発表はその抜け穴(規則上の瑕疵)封じをしただけに過ぎません。

むしろ、今回の報道は、ぬるま湯気質のサラリーマンに対する警鐘にも思えます。つまり、リモートワークは労働市場における黒船襲来と同様のインパクトがあるという事です。

つまるところ、リモートワークが普及すれば企業は従業員を労働力の安い国から調達する事が出来るので、わざわざ(コストの高い)自国の従業員に固執する必要もなくなるのです。

同様の事は日本の企業でも言え、リモートワークによってコミュニケーションが不要となった結果、結束力が低下して仕事のクオリティが低下するのであれば、リモート従業員を正社員で充当するメリットは無く、リモートでできる業務は派遣社員かギグワークの様な安い労働力で良いと考えるのは、当然の流れとなるのではないでしょうか。

上記はIfストーリーですが、考えなしにリモートワークを受け入れるのではなく、自分たちが歓迎しているリモートワークと言う働き方により首を絞められる可能性があるという覚悟、危機感を持ってスキルを磨きアウトプットを高める必要があると言えるでしょう。

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港区オジさん(みなオジ)です。
長い極貧オジさん生活を経て、いつの間にか小金持ちのアーリーリタイアオジさんにクラスチェンジしました!
投資家と司法書士の肩書を有する一方、妻の尻に敷かれるちょい駄目オジさんの異名も持つ。