不動産

思い出語り~初めてのマンション購入②

投稿日:2021年4月6日 更新日:

(無責任に)希望を出し合っているときが一番楽しいよね。

みなオジが初めて不動産を購入したのは30代前半の頃です。前回は、なぜ賃貸派で購入志向の無かった結婚したての貧乏カップルがマンション購入しようと思い至ったかについてお話ししました。(そして、最後に無謀な条件を並べて②に続いたのでした。)

今回は具体的に、どのように考え、どのようなスケジュール感で契約締結までしたかを語ります。

情報収集が大事

まず、何事にも情報収集は重要です。当時は妻はもちろん私も右も左も分からない状態。特に致命的だったのは、二人とも地方出身で、東京の土地勘に薄いという点。物件相場がわからないので、このエリアでこの価格が高いのか安いのかを見極めるのは非常に難しかった!

そもそも、自分たちの予算外のエリアにこだわると、予算内に収まる候補は上がってきません。

家探しとは、理想と現実のギャップを埋める作業

マンションは上を見ればキリがない!「家探し」を端的にいえば、「理想と自分たちが手の届く現実を縮めていく」作業です。誰だってオシャレで利便性の高いマンション(できれば、プール付きの)に住みたい!でも、そんな夢がかなうのは一握りの人です。実現できない事を望むと自己嫌悪に陥りますし、家探しも嫌になります。できれば、家探しのプロセスを楽しむことが出来れば、良い経験になるのではないでしょうか。

優先順位をどのように付けていくか

そのために大事な作業は「優先順位」を決める事でしょうか。もちろん、優先順位は買主の事情により千差万別です。正解はありませんが、優先順位をつける際のコツというか、判断基準をお伝え出来ればと思います。

優先順位の検討に入る前に、購入権当時のみなオジ家の状況を見てみましょう。下表にまとめましたが、まあ、お寒い状況ですね…当時はしがないサラリーマンでしたし、妻も社会人数年目という感じでしたので、お金をかき集めても500万円くらいしかありません。しかも当座の生活費も必要ですので、このうちの幾ばくかは残しておく必要があります。

・家族構成 DINKS(夫(30代)、妻(20代))
・職業 共にサラリーマン(都内勤務)
・世帯年収 夫→500万円 妻→300万円 計800万円
・貯金 500万円
※参考 当時の住居 東京23区内(北西側)アパート(1LDK、38㎡、駅徒歩2分) 家賃:8万5,000円(管理費込)
購入検討時の状況

新居を探すきっかけが毎日の痛勤問題だったので、「通勤時間短縮と空いている路線の絞り込み」が第一目標となります。幸い、二人の勤務先が近かったという事もあり、場所で揉めるという事が無かったのは良かったです(夫婦で購入する際に意見が割れると、夫婦生活に禍根を残しかねませんからね…)。

条件絞り込み

アクセス重視

勤務地はいわゆる「都心ど真ん中」でしたので、そこからアクセスを重視(乗り換えなし、ドアツードアで30分以内)すると、実質都心5区(港区、千代田区、中央区、新宿区、渋谷区)に限定されてしまいます。そうなると、予算的に購入できる物件が築古の30㎡のマンション位しかなくなってしまい、夫婦2人でギュウギュウ詰めという状況になってしまいます。いくら、結婚したてのアツアツ夫婦でも、こんなウサギ小屋に住もうものなら、離婚まっしぐらでしょう。

戸建至上主義から、「マンション>戸建」へ

実はみなオジは、最初、マンションではなく、戸建てを探していました。なぜか?それはみなオジ夫婦が共に地方出身者だったからです。充実した暮らしを営むのにふさわしい場所は戸建であって、極端な話「マンションは戸建てを買うまでの仮住まい」位に考えていました。今思うと恐ろしい固定観念なのですが、地方(田舎)で育った人の一般的な考えとして、これって結構王道な発想ではないでしょうか?「結局のところ、マンションもアパートと同じく所詮『共同住宅』でしょ?」という感じで、明確な根拠も無いのに何となくマンションを下に見るという「戸建至上主義者」にありがちなは感覚でした。(マンションは「一国一城」とは言えないという事ですね。)

更に、これは極めて個人的な理由ですが、裕福では無かった子供の頃に住んでいた公団や、学生時代に住んでいたボロアパート=集合住宅という負のイメージが払しょくできず、自然とマンションを避けていたようにも思います。

「狭小住宅」という言葉を知ったあの頃

当初の戸建優位の考えも、戸建とマンションを並行して見学したことによって、徐々に逆転してきました。やはり、マンションは戸建と違い規模の優位性(スケールメリット)があります。堂々としたマンションのエントランスは戸建の門扉を遙かに凌駕する存在感です。

みなオジの実家もご多聞に漏れず持ち家の戸建なのですが、リアル田舎な為、大きさだけは結構な豪邸です(まあ、自分で言うのもなんですが(^^;)…その代わり土地はタダみたいなものです)。

そのため、都内によくある「狭小住宅」を見てしまうと、実家と似ても似つかない貧相なペンシルフォルムが強烈すぎて、これを自分が一生住む城になるのか…と考えると、どうしても抵抗があったのです。(まあ、当時の私からしたら生意気な話ですよね…そもそも、予算がないから狭小住宅しか手が届かないんだろう、と。)

狭小住宅の問題点は、別のトピックで書いていこうと思いますが、自身が幼少期に住んでいた広い戸建とこの狭小住宅は似て非なるものなのです。(本当に資金があれば、広大な敷地に戸建を建てるのが良いのかもしれませんが、恐ろしい予算が必要になります。)資産価値の観点ではどちらも微妙ではありますが、少なくとも生活の質という観点では、狭小住宅は大金をはたいて手に入れるべき住居には思えません。若い頃は苦にならない上下移動日照が確保しにくさ、無駄の多い光熱費、隣家とのプライバシー・騒音問題…等、手に入れやすさに釣られて安易に手を出してしまうと、後々大変かもしれません。当時は狭さという単に見栄えの問題だけで狭小戸建を敬遠したのですが、不動産購入を重ねて経験を積んだ今の自分の知識で狭小住宅を眺めると、前述の様な隠れたリスクは山積みしていると感じます。

また、我々みなオジ家にとっての重要ポイントである「通勤利便性」に関しても狭小住宅はそぐわない点が多いと感じました。なぜなら、平均的な価格の物件ですと例外なく駅距離がある物件となります(駅から20分以上歩かせるのはザラ、バスが通ていることもありますが、バスの終電は電車の終電時刻よりも2~3時間早い)ので、通勤の利便性を求めていたのに結局より長い通勤時間が必要となるという、本末転倒感が半端ではありませんでした。そもそも、終電を気にしながら残業するというのがめちゃくちゃストレスでした。

強烈戸建見学エピソード

どうやって家に入れと…

家探しから1か月が経過しようかという頃、ネットで目を引く戸建を見つけました。見学しようと思い、取扱会社(本業は建設会社でした)に案内をしてもらうことになりました。その物件は都内ではなかったものの、周辺相場より3割は安いのでは?という破格の価格でした。どんな掘り出し物だろうか?と心を躍らせてながら、いざ現地へと案内されたのですが、物件の建設予定地を見て「人生そんなに甘くない Σ(゚д゚lll)」とシミジミ感じました。(物件のイメージ的には、下の写真のまんま)

景色は良さそー…って、罰ゲームでも買うか!(笑)

…とはいえ、この振れ幅が戸建ての怖いところです。そもそも、この建物は「おとり物件」だったのかも知れません。とりあえず(価格に釣られたカモを)集客させて、もう少しまともな物件に誘導しようという悪徳賃貸仲介業者にありがちな戦略です。この一件で、戸建は素人が検討するには善し悪しの振れ幅が大きく、「ハズレ」をつかむリスクも高いと学びました。戸建て熱が下がるきっかけでしたね。

マンションの「均質性」は、選びやすさの裏返し

マンションの特徴は、良くも悪くも「平均点を追求した企画商品」です。つまり、マンションデベロッパーは駅近の広めの土地しか興味を示さないので、「マンション用地に選ばれる事」自体が一定水準を満たしていると言えるのです(まあ、もちろん例外もありますが…)。逆に、マンションデベが興味を示さない土地(場合によっては、上記の様にいわくつきのモノも…)を戸建業者が安価にさらっていくという感じなので、掘り出し物もあれば、みなオジが遭遇した様なハズレも多いでしょう。

上記を踏まえると、マンションは無難な住居選びに適しており、まさに家探し初心者には良い練習場かなと感じます。逆に住居に対して強烈なこだわりや思い入れがある人にとっては、買主が関与できる部分が少ないマンション(特に新築物件)は物足りないかもしれません。

次章に続く

ここまでグダグダ書いて、まだ具体的な絞り込みまで進んでいない所に、みなオジの優柔不断、決断力のなさが現れています。ちなみに、ここまで絞り込むのに家探しを始めてから2か月は優に時間が経っています。

文章を書くうちに当時の事が思い出されて、「どうしてこのような所にこだわったのだろう?」とか、色々と思うところがありました。(例えば、当時は子供ができるかどうかも分からなかったのに、どうして広さの優先順位を高くしたのか?等)また、同じ人間(たかだか10年前)ながら、今とは家探しの着眼点が全然違うというのも面白いなーと、文章を書きながらシミジミ感じました。

次章では、予算不足のみなオジがどのような葛藤を経て、希望に近い家を選んだかを記載していきます。基本的に文章はプロットをせずに思いのままに書くスタイルなので3話完結にならない可能性もありますが、行き当たりばったりは家購入も同様という事で、暖かく見守ってください。

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みなオジアバター

港区オジさん(みなオジ)です。
長い極貧オジさん生活を経て、いつの間にか小金持ちのアーリーリタイアオジさんにクラスチェンジしました!
投資家と司法書士の肩書を有する一方、妻の尻に敷かれるちょい駄目オジさんの異名も持つ。