お金・仕事

芸人の芸能事務所退所騒動に見る、サラリーマンと会社と副業の関係性

投稿日:2021年2月6日 更新日:

移籍しまーす。

最近、芸能関係のニュースで、タレントを始めとする芸能人の芸能事務所退所がトレンドとなっています。中には円満な退所もあれば、揉めに揉めた(と思われる)退所騒動をワイドショーが面白おかしく報道しています。記憶に新しい所では、アートティスト活動が本業になっているお笑い芸人が長年所属していた事務所を(おそらく揉めて)退所した報道がありました。

芸能人も結局はサラリーマンと同じ?

みなオジは、その報道を見てふと、職種や働き方(サラリーマンは雇用契約・タレントはマネジメント契約という名称の業務委託)は異なれど、所属芸能人と芸能事務所の関係性に最近のサラリーマンと会社の関係を重ねました。実際に芸能人が独立・移籍するケースをサラリーマンにも当てはめてみました。その当てはめから、サラリーマンとしての独立・転職の流儀、テクニックを解説していきたいと思います。

ケース①【転身型/環境適応型】

タレントの活動領域(ジャンル)が年月とともに変わり、所属事務所が本来得意としていたカテゴリーではマネジメントを発揮しづらくなったので独立(移籍)した。

良くある度:A、トラブル度:C
入社時に〇〇業界を志望していたが、実際に入ってみると自分のイメージと合わなかったり、業界自体が斜陽産業であることから早めに見切りを付けようと考えて異業界転職を図った。
サラリーマンに変換すると…

大体3年も同じ会社(業界)で働けば、自分にその仕事が向いているかどうか、またその会社・業界の先行きが見えてくるかと思います。もちろん、事前の企業・業界リサーチが足りないケースもありますが、入ってみないとわからないという側面もあるでしょう。みなオジもまさか、20年前はIT業界がここまで発展するとは想像もつきませんでしたし、TVからYouTube等の配信コンテンツにもっていかれるとは思っていませんでした。TV業界はまだメディアの中では待遇良い方ですが、紙媒体や周辺産業の印刷業界などは相当厳しいでしょう。

長年その会社・業界で頑張ってきた人ほど、転職には消極的になってしまうものです。転職にも当然サンクコスト(埋没費用)効果は影響を及ぼすものと思われます。(だって、出世を目指して、嫌な仕事でも頑張ってきたのにそれをフイにするなんて、よほどの環境の変化がない限り躊躇いますよね)でも、サンクコストに通じるように、実は将来が明るくないリスクが高いのにそこに固執する方がトータルで見てリスクがあるといえるのです。このケースの転身は、能力がない人(会社から評価されない人)や忍耐強くない人の方が早く見切りをつけられるのでキャリア好転する可能性が高いという皮肉な結果を生みがちです。もちろん、キャリアを好転させることができるのは、転職先の業界選びを誤らない先見の明と自分がその業界・職種にフィットできるスキル次第です。よって、今の会社では出世の見込みがないからといった安易な理由で転職をするのは、このケースにとは似て非なるものなので、転職先で再び苦労することになるでしょう。

ケース②【ブレイク型】

タレントが実力(人気)を付け、所属事務所のサポートが無くても仕事をとれるようになった。今の事務所では、プロモーションの力も無いことから質の良い仕事が回ってこず、マネージャーのレベルも低く活動に集中できない等、所属しているメリットが少ないので独立(移籍)した。

良くある度:C、トラブル度:A
〇〇事務所で働いているうちに、取引先からの信頼も厚くなり、自身の技量も相当上がった事から、指名が多くなった。しかし、業務(作品)は事務所の手柄となってしまうし、所長や自分より実力の劣る上司のサポートや雑用などの裏方の仕事を振られて、本来の業務に集中できないデメリットを感じ、独立(転職)する。
サラリーマンに変換すると…

〇〇は主に、弁護士や建築士、デザイナーや美容師等の士業や職人系の職種が多いと思います。結局、個人が法人に勝るというのはその人個人の力量で勝負できる領域になってしまうので、メーカーや金融機関に勤務する一般のサラリーマンではイメージしにくいでしょうね。やはり、独占業務を持つ士業などの資格取得はこういうケースでは強いと感じますね。一方で、安定して仕事の受注があったのは、実は会社の看板によるものが大きかったという会社のありがたみを独立・転職後に感じる人も多いかもしれません。職人気質の人は仕事や作品に専念したいという傾向があるので、営業活動は得意としていない(嫌い)という人も一定数いるので、転職の際は、どれだけ自分の顧客を持ってこれるか(度が過ぎると揉めますが)、独立の際は、営業や事務作業を依頼できる信頼のおけるスタッフを確保できるかが成功のカギを握るといえるでしょう。また、このパターンの転職・独立の際は元所属元とトラブルになる可能性もあるので、辞め方も重要です。

ケース③(業務委託型・変形リストラ型)

これまでの長年の功績が認められて、芸能事務所側から独立を打診される。今後は、業務提携など緩やかな繋がりでパートナーシップを継続する等友好的な独立・移籍方法といえる。

良くある度:これから主流か?、トラブル度:?
多様性の名の下に、企業に依存しない新しい働き方が提唱され、その取り組みへの一環として、その会社の従業員を個人事業主に転換して業務委託契約を個別に結び、これまでの業務を継続する。一定期間は、従前の年収ベースを保証されるものの、漸減する業務委託費は、徐々に他からの受注割合を増やすことで完全な独立を目指すというもの。
サラリーマンに変換すると…

イメージしやすいのは、有名ラーメン屋の雇われ店長がある日、オーナーから独立を打診され、店名やメニューを継承して、これからもフランチャイズ料を払いなら2号店でオーナーとなるというものでしょうか。昔でいう、のれん分けであり、職人等ではよく見られた形態でしたが、サラリーマンでもこの流れが押し寄せている様です。

「脱会社依存」の働き方

最近では、大手広告代理店の電通が実施したのが記憶に新しいですね。口の悪い人は「リストラの進化系」と呼んでいますが、双方が納得してその制度を活用している限りは、安易にマイナスイメージは付けるべきではないと思います。この制度が定着すれば雇用の流動性を高めるのにも一役買うでしょうし、会社に依存するのではなく、自分のスキルに依存するという新しい働き方に一歩進んだとも言えますが、皆さんはどのように捉えているでしょうか。

業務委託型制度へ移行するに当たっての注意点は?

もちろんこれには問題点もあり、やはり体の良いコストカットであるという側面もありますし、情報の非対称性といいますか、これまでサラリーマンしか経験しなかった自社社員に不利な(業務委託)契約を押し付ける可能性も無きにしも非ずです。基本的に、みなオジは電通の取組は好意的に受け取っていますが、電通が実施したこの制度における問題点を一つ挙げるとすると、守秘義務を盾に「競業他社の仕事は受けてはいけない」等の制約を契約条項に入れている点です。これを相手方に課すというのは、制度の根幹が揺らぐというか、それって本当に個人事業主なのとして独立しているといえるの?と疑ってしまいます。そもそも、広告業界しか知らない社員が急に別業界の取引しかしてはいけないというのはあまりに酷ではないかと思う訳です。そういう、ご都合主義が見え隠れするので、口の悪い識者は「結局それってリストラじゃん」、とシビアに書き立てるわけです。この取組みや制度趣旨は立派なだけに、この様な制約条項はこの制度にミソをつけるもので、ひいては働き方改革に逆行する行為だとみなオジも考えていますが、新しい取組ゆえに改善点も多いという事でしょう。

リモート業務が追い風に

昨今のコロナ禍でリモートワークが定着したのも、追い風になっていると思いますが、以前のトピック:働き方考察(後編)でも書いた通り、この制度を切り取って運用するのではなく、事前に啓蒙活動や社員教育を施し、その理解を高めるために副業解禁などと一緒に進めることが、成功のカギになると思います。景気が悪くなったから電通に追従して、表面上だけこの制度を真似るというのでは間違いなく不満が噴出して社員のモチベーションが下がるでしょうね。

辞めるケース④(エスケープ型待遇の悪さに辟易)

自分の才能を見抜いて、引き上げてくれた先代のカリスマ社長も亡くなり、事務所の経営も年々右肩下がりの状況。息子である2代目社長は放蕩経営で、所属タレントのことなど全く顧みず、贅沢三昧している。自身も仕事の量は倍以上に増えているのに、ギャラは全く変わっていない。ずっと前から、知り合いの大手芸能プロダクションの社長は今の2倍のギャラでオファーしてくれていたが、先代から受けた恩義もそろそろ果たしたと思うので、事務所移籍をけんとうしよう。

良くある度:B、トラブル度:B
ここずっと、ヒット商品が出ておらず今期で3期連続赤字。人件費削減を理由にここ10年間給与も上がらず、会社を辞めた人間の仕事まで行う羽目に。そういえば、今年も早期退職の募集がされているが、昨年より30%も割増退職金が減っているらしい。このままでは、倒産して退職金すら出ないかもしれない。家族を路頭に迷わせるわけにもいかず、潮時を見て会社を辞めようか。
サラリーマンに変換すると…

みなオジもそうですが、会社の業績が悪い時のモチベーションの上げ方が分かりません。こういう状況でも仕事だからと、責任もって業務を遂行する同僚もいましたが、本当に尊敬すると同時に、彼の家族の立場にだったらもう少し上手に立ち回って欲しいものだ、とも考えてしまいます。彼は責任感が強く、職務(それとも会社?)に忠実な人間だったのか、はたまた会社に依存せざるを得ない人だったのか、もしくは転職などの決断力・行動力の無かった人間だったのか、今でも考えてしまいます。「リストラあるある」ですが、会社が早期退職を募ると、大抵優秀な人材から先に手を挙げていくという状況となります。生物学的に環境を変える(会社を辞める・転職する)という事はストレス要因なので、できれば現状を維持したいというのが自然な考えですが、環境を変えて適応しなければ絶滅してしまいますし、進化も起きません。個人的には沈没船に残るのは船長(社長)だけで十分と考えてしまいます。

泥船からの脱出!

環境が変わるというのは自分も変わるチャンス!

「ゆでガエル理論」で、ゆでガエルが死んでしまうのは、水の温度が徐々に上がっていき、カエルがそのことに気づかずにいつの間に茹ってしまったからです。社員にとって勤め先の会社が傾くというのは確かに不幸な出来事かもしれませんが、これは一気に熱いお湯を注がれたのと同じなのですから、ある意味そこから飛び出すチャンスをもらったと考えて、大やけどをする前に脱出すべきではないでしょうか。もちろん飛び出すには強靭な足腰(転職に必要なスキル)が必要ですので、日ごろからの準備を怠らない事が大切でしょう。

い~い湯だな、、、と言ってる場合じゃないですから!

番外編(問題児追放型)

問題行動の多い(例:闇営業、コンプライアンス違反)所属タレントをこれ以上コントロールできない場合、契約を続けることで他の所属タレントに悪影響を与えたり、問題行動がエスカレートする等、更なるトラブルを引き起こす可能性が高いことからリスク回避の観点で契約を解消する。

良くある度:C、トラブル度:S
就業規則で禁止されているにも関わらず、規則を破って副業を行う社員を懲戒免職とした。また、パフォーマンスが低い社員、遅刻の常習犯など免職とまではできない問題社員を閑職に追い込み自ら止める様に追い込んだ。
サラリーマンに変換すると…

まあ、これは芸能界のみならず一般社会においても特殊なケースでしょう。ただ、問題行動の多い社員は、生来その様な性格であるというよりも、所属する会社に対して何らかの不満(もしくは逆恨み)がある等の理由がある事が多いのではないでしょうか?もしかするとケース①②の変形型として、自分にとって、もはやその組織は不要なものとして、いつでも解雇してもらって構わないと思っているのかもしれません。

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港区オジさん(みなオジ)です。
長い極貧オジさん生活を経て、いつの間にか小金持ちのアーリーリタイアオジさんにクラスチェンジしました!
投資家と司法書士の肩書を有する一方、妻の尻に敷かれるちょい駄目オジさんの異名も持つ。